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水曜日, 7月 03, 2013

水揚梅

○水揚梅(すいようばい)

 日本の各地や中国に自生しているバラ科の多年草ダイコンソウ(Geum japonicum)の全草を用いる。下葉(根生薬)の形が大根の葉に似ているためダイコンソウという。中国で水揚梅という植物には、このほかアカネ科の植物Adina rubellaがあるが、形や効能は全く別である。

 ダイコンソウの成分にはフェノール配糖体のゲインや苦味質のゲウムビターなどが含まれるが、薬理作用は明らかでない。漢方では補気・活血・解毒の効能があり、眩暈やふらつき、四肢倦怠感、インポテンツ、腹痛、月経不順、腫れ物、打撲傷などに用いる。とくに老人の眩暈の治療薬として有名で、頭暈薬の別名がある。

 日本の民間では腎性浮腫や夜尿症、糖尿病などに用いる。また生の葉の汁や煎液を腫れ物や打撲傷に外用薬として用いる。ヨーロッパに分布するセイヨウダイコンソウ(G.urbanum)の根にもゲインが含まれ、西洋では胃腸薬や鎮痛薬として利用している。