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月曜日, 12月 03, 2012

コケモモ葉

○コケモモ葉(こけももよう)

 本州、四国、九州では高山、北海道や北半球の寒帯・針葉樹林帯では低地に分布するツツジ科の常緑小低木コケモモ(Vaccinium vitis-idaea)の葉を用いる。中国では越橘葉という。

 コケモモの果実は未熟なときは赤くて酸味が強いが、熟すと赤紅色に変わって甘酸っぱくなるため、ジャムや果実酒の原料となる。古代ギリシャ時代から果実が赤痢に効果のあることが知られ、口内炎や腸内異常発酵にも用いられる。また漿果の色素であるアントシアニンは網膜の血管障害や夜間の視力低下に効果があるといわれている。

 葉には配糖体のアルブチン、メチルアルブチン、フラボノイドのイソクエルシトリン、ハイドロキノンなどが含まれ、利尿、防腐作用がある。コケモモ葉が日本で薬用植物と知られるようになったのは昭和初期で、本来はウワウルシ(クマコケモモ)の代用品として取り上げられ、膀胱炎や腎盂炎などの尿路感染症に用いられたが、味が悪いため最近ではあまり用いられない。

 ヨーロッパでは葉に熱湯を加えた浸出液を糖尿病の治療に用いている。また果実を漬けたコケモモ酒を疲労回復に用いる。日本では高山植物を保護する立場から、一般に高山帯での採取が禁止されている。