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水曜日, 4月 02, 2008

少糖類

〇少糖類

 少糖類は、単糖が2~10個程度グリコシド結合(縮合)してできた糖で、オリゴ糖とも呼ばれる(オリゴは少ないという意味)。結合する単糖の数によって二糖類、三糖類、四糖類などに分けられるが、ヒトでは二糖類(スクロース、マルトース、ラクトースなど)が重要である。また、これらの糖を材料に酵素の働きなどを利用して工業的に作られる各種オリゴ糖があり、健康機能性の面から関心を集めてる。

※ラクトース

 乳糖ともいう。ガラクトースとグルコースがβ-1.4結合した二糖類で、動物の乳汁中にのみ存在する。人乳に約7%、牛乳に約4%含まれている。甘さはショ糖の1/5程度だが、消化・吸収に優れているため、乳児の栄養源として欠かせない糖である。また、カルシウムやマグネシウムの吸収を高める働きもある。

 ラクトースは、小腸でガラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解され吸収される。ラクターゼが欠損する人では、ラクトースの分解が阻害され吸収不全となり下痢などの胃腸障害を起こす。これを乳糖不耐症。

※トレハロース

 2個のグルコースがα-1.1結合した二糖類で、砂漠や寒冷地など極限的な環境に生息する生物に多く見出されている。これは、生物に不可欠な水分を保持する役割をトレハロースが担っているためと考えられている。食品ではキノコや酵母に多く存在し、乾燥シイタケには約20%含まれている。甘味度はショ糖の6割程度。

 トレハロースは耐熱、耐酸性に優れているため、タンパク質の変性防止、味質の保持などを目的に幅広く食品に用いられている。従来は酵母らの抽出物が専ら利用されて生きたが、近年、メーカーの林原がデンプンに酵素を反応させて安価に大量生産する技術を開発、市場が一気に広がった。トレハロースの生理機能としては、腸内善玉菌の増加作用、低カロリー。非うし蝕性、抗酸化作用などがあるが認められているほか、点眼によるドライアイの軽減、経口摂取による骨強化作用などがある。