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金曜日, 8月 19, 2011

ボスウェリア・セラータ

○ボスウェリア・セラータ

 ボスウェリア・セラータは、アラビア半島南端のイエメン、オマーン及びアフリカ・ソマリアなどで自生するカンラン科ボスウェリア属の木の樹脂の濃縮エキス(乳香)である。

 木の幹に小刀等で傷をつけると、粘着性の樹液が滲み出てくる。樹液は空気に触れると白濁し、固まる。最初の採取分には不純物が含まれるため黒ずんでいるが、2度目、3度目と採取を重ねていくにしたがって、薄黄色の透明な固まりになる。これが乳香である。

 乳香は紀元前のエジプトでは宗教儀式に用いられ、ローマ時代には香料、医薬品などにも用途が広がった。シバの女王がローマやギリシャへの輸出用産物としていたとの記録もある。また、インドの伝統的医学であるアーユルベータでは、関節炎やリウマチの治療用として古くから用いられている。主成分のボスウェリン酸には抗炎症作用があり、これが関節炎等を改善するものと推察される。

 現在ではアロマセラピー用に使われることが多いが、古来から香料と薬とは合い通じるものがあり、オマーン人の間では腹下しの治療薬として用いられるなどしている。国内では健康食品の副素材の一つとして配合される例が多く、グルコサミンと相性がいい等として、関節の健康増進を目的とした使われ方がされている。