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水曜日, 5月 16, 2012

カスカラサグラダ

○カスカラサグラダ

 北アメリカ西部、ワシントン州やカリフォルニア州を原産とするクロウメモドキ科の落葉低木カスカラサグラダ(Thamnus purshiana)の樹皮を用いる。現在では北アメリカ各地で栽培もされている。アメリカに移住したスペイン系メキシコ人修道士がこの木を「聖なる木(カスカラ・サグラダ)」と呼んだのが名前の由来である。

 樹皮にはアントロン類のカスカロシドA~D、バルバロイン、クリサロイン、アントラキノン類のエモジンなどが含まれ、瀉下作用が認められる。新鮮な樹皮にはアントラノールが含まれ、飲むと嘔吐などの副作用がある。このアントラノールは次第に酸化されてアントラキノンに変化するため、薬材としては半年から1年以上乾燥し貯蔵したものを用いる。

 19世紀後半からアメリカやヨーロッパで瀉下薬として広く用いられるようになった。現在、日本でも便秘薬として市販されている家庭薬にしばしば配合されている。