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火曜日, 11月 08, 2011

果実酢

○果実酢

 JAS(日本農林規格)では、醸造酢のうち、原料の果実搾汁使用量が300g/L以上のものを果実巣としており、ブドウの搾汁を300g/L以上使用しているものをブドウ酢、りんごの搾汁を300g/L以上使用しているものをリンゴ酢、それ以外のものを果実酢としている。

※ぶどう酢

 フランスを代表する果実酢で、ワインビネガーという。ブドウ果汁を酵母でアルコール発酵させ、酢酸菌による酢酸発酵を経て作られる。ヨーロッパで最も多く使われている酢である。ワインと同じく、白と赤の2種類がある。穀物酢に比べて酸味度が高く、カリウムやポリフェノールの含有量も多い。主にドレッシングソースやマリネなどの調理に使われる。

 フランスなどではわが国の米酢のように古くから伝わる製法で作られるものが多いが、酸敗ワインやブドウ粕を原料にしたものもある。わが国ではJASの食酢品質表示基準で、製品にブドウ酢と表示できるのは原料にブドウの搾汁を300g/L以上使用しているものである。

※バルサミコ酢

 バルサミコ酢は北イタリアのモデナ地方に古くから伝える果実酢で、バルサミコはイタリア語で”芳香がある”を意味する。イタリア産のワインと白ブドウ果汁を煮詰め、木樽で長期間熟成させて作られる。色は濃い茶色で、酸味や香りが強く同時にまろやかな甘味もある。イタリアでドレッシングソースといえば、オリーブオイルとバルサミコ酢の組み合わせである。

 バルサミコ酢はリンゴや赤ブドウ酢に比べてカリウムが2倍以上、ポリフェノールが黒酢の3倍以上含まれている((独)農林水産消費技術センター調べ、2001年)。最近はわが国でもよく知られるようになり、高価ではあるが日常的に利用する家庭も増えている。JASでは、果実酢の中のブドウ酢に分類されている。なおイタリアでは、伝統的なバルサミコ酢は最低12年の熟成と原料となるブドウの種類が厳格に決められており、モデナ産のバルサミコ酢はDOP(原産地保護名称)指定になっている。

※りんご酢

 アメリカを代表とする果実酢で、アップルビネガー、シダービネガーともいう。リンゴ果汁を原料としてアルコール発酵させ、酢酸発酵を経て作られる。リンゴ酸が多く含まれるため酸味がまろやかで甘い香りがあり、サラダドレッシングやマヨネーズ、ソースに使われる。アミノ酸の含有量が少ないが、カリウムを多く含んでいる。

 わが国ではJASの食酢品質表示基準で、製品にリンゴ酢と表示できるのは原料にリンゴの搾汁を300g/L以上使用しているものである。リンゴ酢は調味料のほか、ハチミツで薄めて健康ドリンクとして用いられることも多い。