〇α-リポ酸
2004年3月の食薬区分改正で食品にも使えるようになったα-リポ酸は、別名をチオクト酸といい、ドイツでは糖尿病合併症予防の治療薬として、アメリカでは肝臓疾患治療に利用されてきたビタミン様物質である。その作用は大きく2つあり、糖の代謝促進と抗酸化作用である。食事から摂取した糖質は体内で解糖の最終産物であるピルビン酸に変化してミトコンドリアに運ばれ、そこでα-リポ酸によってアセチルCoAに転化し、TCA回路(クエン酸回路)で代謝される。
α-リポ酸の体内量が少なくなると、糖がエネルギーとして代謝されず肥満の原因となる。一方、抗酸化作用はビタミンC・Eの400倍の強さを持つといわれているが、その酸化物質としての特異性は、細胞膜の脂肪性領域と水溶性領域の両方で働くことができることである。つまり、水溶性ビタミンや脂溶性ビタミンのようにその作用が限定されず、さらに分量が小さいので体の隅々まで浸透しやすい。α-リポ酸は治療目的で使用する場合の摂取量は1日当たり600mgとされているが、サプリメントとして摂取場合は、メーカー推奨量が1日100mg程度ある。