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木曜日, 10月 27, 2011

色々な食用油(2)

○サフラワー油

 キク科の一年草サフラワー(紅花)の種子から採取した食用油。紅花油ともいう。味にクセがなく、さっぱりしており、主にサラダ油として使われている。脂肪酸組成はリノール酸が75%以上を占め、植物油の中で最も多い含有量を示す。

 リノール酸は体内コレステロールを排出し、動脈硬化や高血圧の予防・改善に有効であることから、サフラワー油は一時”健康油”として大きなブームとなった。しかし最近では、リノール酸は酸化されやすく体内で過酸化脂質をつくりガンの原因となったり、リノール酸から合成されるアラキドン酸によってアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や免疫力の低下を引き起こすことが指摘されるようにもなっている。つまり、過剰摂取による弊害である。そのため、リノール酸の含有量を少なくし、オレイン酸を多く含むように品種改良したオレイックサフラワー油もつくられている。

※ひまわり油

 日本ではなじみが薄いが世界的にはかなり多く使われており、ロシアで植物油といえばひまわり油が第1位である。ロシアではもっぱら種子から食用油を採るためにひまわりを栽培している。ひまわり油はリノール酸の豊富さ(含有率約60%)ではサフラワー油と並び、加えてビタミンEも豊富なために、動脈硬化や高血圧の予防に役立てる食品開発も試みられ、ひまわり油マーガリンやひまわり油サラダオイルも商品化されたが、リノール酸の過剰摂取は逆に動脈硬化やアレルギーの発症を促進するとの報告が多くあるため、摂取量の見直しもなされている。なお、ヒマワリの種子を処理して得られるミルク状の栄養食品はヒマワリ乳と呼ばれ、牛乳、豆乳に次ぐ、”第3の健康乳”として期待されている。