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金曜日, 12月 07, 2007

鱈(たら)

〇鱈(たら)

 タラ科の海産魚の総称で、マダラ、スケトウダラなどがある。12月から翌年2月ごろまでの冬場が旬。身が透明で柔らかく味が淡白なので、ちり鍋、粕漬け、フライ、シチューなど調理のバラエティは多い。白子も汁物や蒸し物に利用される。スケトウダラの卵巣は塩蔵してタラコがおに加工される。

 タラ(マダラ)は脂肪分が100g中0.2gと少なく、エネルギーが77kcal(タイの約半分)と低いため、肥満や糖尿病などカロリー制限をしなくてはならない人に適している。タンパク質(17.6g)はアミノ酸スコアも高く、ミオシンなどの繊維性タンパク質が多いため熱しても固まらないので消化しやすく、病人食や離乳食に利用できる。ただし、旨み成分のイノシン酸は分解・変性しやすく、味が早く落ちてしまうのが残念である。

 栄養上の特徴があるのはタラコである。ビタミンK以外のほとんどの栄養分を含み、タンパク質や核酸の代謝に不可欠な亜鉛の含有量は3.8mg(焼きタラコ100g中)にも達する。成長促進ビタミンといわれるB2も0.53mgと豊富で、これは口角炎や舌炎などの予防にも大切である。神経痛、胃痛、下痢、食欲不振、不眠、無気力など関係の深いナイアシンも56.9mg含まれてる。

 このほか、マダラの肝臓から摂取した油脂で肝油が作られる。タラ肝油は特にビタミンAを多量に含み、医療用や強化食品として用いられている。