○杜仲葉
高血圧・老化・記憶力減退に有効古代中国の薬物書『神農本草経』に「上薬」として収められた杜仲は、中国西南部原産の樹高20mにも達するトチュウ科の落葉高木トチュウの樹皮である。漢方では「肝や腎の機能を高め、陰気を去り、精をつける」としており、わが国へは10世紀前後(平安時代中葉)に不老長寿の高貴薬として招来したと考えられている。現在中国の医学処方(中薬)にも用いられ、早くから中国江蘇医学院、アメリカ・ウイスコンシン洲立大学で行われた血圧投下作用を認める研究などを通じて注目を集めてきた。日本でも樹皮は医薬品成分に指定されているが、葉を干して焙じたものが杜仲茶としてよく知られている。また、杜仲葉を熱水やアルコールで抽出して精製した濃縮エキスから作られた飲料が、高血圧症を予防する特定保健用食品として販売されている。
杜仲葉エキスは、ゲニポシド酸やピノレジノールジグリコシドといった配糖体が血圧を調整する機能成分として働いていることが、最近の研究で明らかになっている。その作用機序は、杜仲葉配糖体(主にゲニポシド酸)が体の中に吸収されると副交感神経が刺激され、それにつながる抹消動脈の平滑筋を刺激して血管が拡張されるため、血流の抵抗が減少し、血圧の上昇を抑制するというものだ。また、ピノレジノールジグリコシドには抹消血管の拡張、血行障害の改善、リウマチや神経痛の症状改善、利尿のほか、発ガンの原因となるDNAの損傷を修復する作用も認められている。このような杜仲葉エキスの血圧調節作用は高血圧ラットを使った動物実験で証明されており、ヒト試験でも同様な効果が確認されている。
また、杜仲葉に含まれるタンパク質はコラーゲンの新陳代謝を促進する機能とメカニズムを有し、これが血管・内臓・骨・皮膚・毛髪などを若返らせる作用を持つことが、各種の実験を通じて明らかにされている。ミネラル類ではカルシウム、亜鉛、マンガン、リン、カリウムなど、多様な種類をバランスよく含んでいることも、きわめて大きな特徴かつ特性である。
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