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火曜日, 8月 19, 2014

白朮

○白朮(びゃくじゅつ)

 日本の本州、四国、九州、朝鮮半島、中国の東北部に分布しているキク科の多年草オケラ(Atractylodes japonica)の根茎を用いる。中国ではオオバナオケラ(A.macrocephala)の根茎を白朮として用いている。このため日本産のオケラの根茎を和白朮といい、中国産は唐白朮という。

 中国ではオケラ(A.japonica)は関蒼朮と呼ばれ、蒼朮のひとつとして扱われている。かつて日本では国産で自給できていたが、現在では韓国や朝鮮から和白朮が輸入されている。中国から唐白朮も輸入されてるいるが、日本薬局方の精油含量の規格に適合するものが少ない。

 中国産の白朮の中では浙江省の於潜に産する白朮の品質が最良とされ、とくに於朮と称されている。日本漢方では、白朮と蒼朮をあまり区別せずに用いていたが、現在では日本薬局方ではアトラクチロンを主成分としてアトラクチロジンを含まないものを白朮、アトラクチロジンを多く含んでアトラクチロンを余り含まないものを蒼朮として区別している。

 白朮にはアトラクチロン、アトラクチレノリッドⅠ、Ⅱ、Ⅲなどが含まれ、アトラクチロンは嗅覚を刺激して胃液の分泌を促進する。そのほか利尿・血糖降下・抗潰瘍・抗炎症作用などが認められている。漢方では補脾・益気・燥湿・利水の効能があり、胃腸薬や滋養薬の多くに配合されているほか、浮腫や関節痛、下痢などにも用いられる。