○酵母
イーストともいう。菌類の真核微生物の内、単細胞で増殖するものの総称で、発酵の元になるものという意味がある。酵母は生きていくために、ヒトと同じくグルコース(ブドウ糖)をエネルギー源としている。ヒトは呼吸によって酸素を使い、グルコースを水と二酸化炭素に分解してエネルギーを産生しているが、酵母の中で嫌気性(酸素を使わないもの)のものは、グルコースをアルコールと炭酸ガスに分解してエネルギーを得ている。このような代謝をアルコール発酵という。
アルコール発酵が酵母によって行われることをはじめて証明したのはフランスの化学者L・パストゥールで、1879年のことである。また、それから20年後の1897年には、ドイツの生化学者E・ブフナーが、すり潰した(死んだ)酵母でもアルコール発酵が起こることを確かめ、この反応が酵母の細胞中に存在する多くの酵素によるものであることを発見し、今日の生化学の礎となった。
酵母は清酒やビール、ワイン、パンなどの製造に欠かすことのできないものである。また、味噌や醤油の醸造にも使われている。酒造りに使われる酵母は主にサッカロミセス・セレビシュである。清酒酵母、ビール酵母として利用されている。サッカロミセスとは糖を分解する菌という意味がある。
酵母には多くの酵素が含まれるが、発酵の過程でビタミンやミネラルなどの栄養素も大量に生み出され、酵素の働きと相まって代謝を活発する働きがある。そのため、発酵終了後の酵母を利用した酵母エキスが作られている。
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