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火曜日, 4月 25, 2006

もずく

○もずく

 モズクは渇藻類のモズク科とナガマツモ科の総称で、モズク(絹モズク)、イシゲ、イロロのほか、ナガマツ科のオキナワモズク(フトモズク)、イシモズク、クロモなどがある。モズクの名は藻付く(ホンダワラ類に付着して生育する)に由来する。

 太平洋沿岸の中南部、瀬戸内海、日本海沿岸の中南部、南西諸島などに分布し、春から夏にかけて採る。産地では生のまま食べられているが、普通は塩漬けにしてものが用いられる。ツルツルと舌触りがよく酢の物にして食べられることが多いが、天ぷらにもされる。栄養的な特徴としては食物繊維のアルギン酸が多く含まれていることである。アルギン酸はコレステロールの吸収を阻害する作用や、腸の働きを活発させ便秘を改善する作用がある。

 このほか、オキナワモズクに多く含まれている酸性多糖類のフコイダンに抗腫瘍作用のあることが実験で確かめられている。

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月曜日, 4月 24, 2006

活性Ⅱ型コラーゲン

○活性Ⅱ型コラーゲン

 Ⅱ型コラーゲンは軟骨に多く分布するコラーゲンで、従来からよく知られてきたⅠ型コラーゲン(皮膚や腱に多い)とはアミノ酸の配列順序が異なっている。活性Ⅱ型コラーゲンは、ハーバード大学医学部のデヴィット・R・トレンザムによってリューマチなどの関節痛に対し症状を改善する作用があることが報告され、関節ケアの新機能成分として注目されている物質である。

 関節痛の原因の一つに軟骨の消耗があるが、これとは全く違う原因で起こる関節痛がある。本来は異物に対して身体を守る免疫システムが、軟骨の腫瘍タンパク質であるⅡ型コラーゲンを異物として誤認し、抗体を形成して攻撃してくるために生じる関節痛で、一般にリューマチと呼ばれるものである。軟骨の消耗による関節痛と痛みのメカニズムが異なるため、グルコサミンやコンドロイチン硫酸といった従来の関節ケア成分の補給だけでは対処が難しいとされてきた。

 外の体内には、細菌などの外来侵入物と身体に有益な栄養素とを区別する経口寛容というシステムがある。トレンザムらはこの経口寛容に着目し、Ⅱ型コラーゲンが異物でなく栄養素として認識されれば免疫システムは作動しないのではないかと考えた。しかし、従来のⅡ型コラーゲン製品は化学的、あるいは高温処理によって変性されたものが多く、不活性で消化吸収性に劣っていた。トレンザムらのグループは鶏の胸部の軟骨から低温処理によって非変性Ⅱ型コラーゲンの抽出に成功、これを用いた臨床試験でのリューマチの症状改善が確認されたのである。論文はサイエンスに掲載され、①活性Ⅱ型コラーゲンを3ヶ月服用してリューマチ様関節炎患者の10名中6名が顕著に改善し、1名が完全回復した、②重篤なリューマチ様関節炎患者を被験者とする90日間の二重盲検プラセボ対象追跡試験において、活性Ⅱ型コラーゲンを服用した28名がプラセボ群に比べて有意な改善を示し、4名は完全回復した、と報告されている。(1993年、ハーバード大)

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土曜日, 4月 22, 2006

ローヤルゼリー(2)

○ローヤルゼリー

 これほど様々な成分を含んでいるだけに、例えば、多くの研究者がその解明にチャレンジしており、数多くの研究成果が報告されている。例えば、老化によって多くの疾病が誘発されるが、老化の進行具合を判断する基準のひとつに間脳の老化がある。この研究のひとつとして、ローヤルゼリーと塩酸プロパカイン(麻酔に用いる)を半年以上にわたって人に与えたところ白髪が黒くなったという報告がある。また、老化と共に起こる女性の病気で多い更年期障害やそれに伴う不定愁訴は間脳の自立神経中枢の狂い(変調)によって起こるものだが、ローヤルゼリーを用いて治療に効果を示して例も多い。

 愛媛大学医学部の研究グループ(奥田拓道ら)はローヤルゼリーにインスリン作用物質を見出し、その成分を追求したところ10-ハイドロキシデセン酸であることを明らかにしている。また血圧上昇の原因物質であるアンジオテンシンⅡの生成をローヤルゼリーが抑制することも見出している。

 ローヤルゼリーの効用の全貌はまだ解明できない面もあるが、専門家の間では、間脳、脳下垂体、副腎を刺激し、それらの器官のホルモン分泌を促進させて生命力を引き出しているのではないかと考えられている。こうした効果からみると、身体の諸機能が衰え新陳代謝が弱まった中高年層、病中病後の患者、諸機能自体が弱い虚弱児などに生命力を賦活する傾向がある。これは漢方でいうところの、虚証に対してローヤルゼリーが用いられる理由の一つとなっている。

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ローヤルゼリー(1)

○ローヤルゼリー

 ミツバチの雌(働き蜂)が花粉を食べ、体内で給餌用の蛋白質に合成して分泌するローヤルゼリー状の物質がローヤルゼリーである。ローらるゼリーは古来、不老長寿の薬といわれ、強精・強壮、若返りに効果のあることから、現在でも根強い人気を誇る健康食品のひとつになっている。中国では王乳という名で知られている。ミツバチの中でローヤルゼリーを食べるのは産卵能力のある女王蜂のみである。女王蜂は数千匹の雄蜂を相手に1日で約2000個、年間で数十万個もの卵を産み、働き蜂が数ヶ月しか生きないのに対し、3~5年も生きる。また、女王蜂は16日で一人前に成長するが、働き蜂は21日、雄蜂は24日もかかる。この成長力の違いも女王蜂だけがローヤルゼリーを食べていることによる。

 ローヤルゼリーの採取は以下のような方法で行われている。女王蜂は1匹しかいないが、卵から孵ったばかりの時点では働き蜂の幼虫全てが女王蜂になる可能性を持っている。そこで、人工的に作った女王蜂用の王椀(幼虫を育てる小さな容器)を1群当たり100個ほどつらえ、その中に幼虫を移すと、働き蜂はこの全てを女王蜂に育てようとしてローヤルゼリーを懸命に貯め込むので、それを収穫する。こうして3日間で1群当たり20gほどのローやるゼリーが集められる。

 ローヤルゼリーは必須アミノ酸をはじめとするアミノ酸類が豊富に含まれ、良質なタンパク質を構成している。さらにビタミン類ではB1、B2、B6、ナイアシンをはじめ、成長促進や老化防止に効果のあるパントテン酸など数多くを含有し、またミネラル類ではカリウム、マグネシウム、カルシウム、銅、鉄、リンなどを含んでいる。このようにアミノ酸を中心にビタミンやミネラルをバランスよく含むローヤルゼリーにはまた科学的に分析できない未知の物質もあり、これを専門学者の間ではR物質と呼んでいる。

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木曜日, 4月 20, 2006

プロポリス(2)

○プロポリス

 プロポリスはミツバチの力を借りて得られるが、原産地に生えている樹種やミツバチの種類によって含有微量成分に差異が生ずることが指摘されている。わが国では早くから導入されてきたブラジル産品が主流となっている。製品によって一定ではないが、成分は50~55%を占める樹脂を筆頭に、蜜蝋30%、精油8~10%、花粉5%のほか、微量の有機酸や脂肪酸、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどを数える。それらの中でも上記のような効果に差異が認められるのは樹脂の構成成分の相違によるものと考えられ、丹念な分析研究が随所で行われている。その結果、各種のフラボノイド(色素成分)やアルコール、有機酸、エステル、クマリンなどの存在が明らかにされてきているが、それぞれの微量成分を合わせると数百種を越え、成分と効果との対応は検証しきれていないのが現状である。

 同様のことは製品化の過程にも見られる。ミツバチの巣から採取されたプロポリスの原塊は堅い固まりだが、そこからいかにして成分を十分に抽出して飲用できる形にするかに工夫が払われている。従来から原塊をアルコールに浸けて成分を抽出する方法が取られているが、最近になって水だけで抽出する方法も開発され、この方法によれば刺激性のない水溶性の粉末や顆粒が得られる。そのほか、プロポリス成分を超微粒子化して水に混ざった状態(溶けるのではない)にするミセル化抽出法、液化炭酸ガスを用いて溶解させた上で一気に炭酸ガスを気化させて粉末状の製品を得る超臨界抽出法などが活用されている。

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水曜日, 4月 19, 2006

プロポリス(1)

○プロポリス

 数多いミツバチ産品の中でもひときわ注目度の高いプロポリスはミツバチの巣から採取される樹脂状の物質で、蜂ヤニとも呼ばれる。蜜蜂はユーカリや松などから集めた樹液に自ら分泌する唾液の酵素を混ぜ合わせ、さらに蜂蝋や花粉を加える事によってこの物質を作り、巣の入り口や内面などに取り付ける習性がある。これは巣の内部を滑らかにするためばかりでなく、外部からの細菌の進入を防ぎ、巣の中を清潔に保つためである。

 事実、プロポリスには卓越した殺菌・消毒作用が認められているが、その語源がポリス(都市)のプロ(前面)を守るという意味のギリシャ語に由来していることからも明らかなように、その顕著な働きはすでに紀元前から知られていた。古代ギリシャの哲学者アリストテレスの動物誌には、プロポリスが感染症などの治療に適していることが記されている。

 プロポリスがわが国で広く知られるようになったのは、1985年に名古屋で開かれた国際養蜂会議で感染症や関節炎などにプロポリスを使った治験成績が発表されたことがきっかけであった。これに触発された形で、以後引き続いてその多彩な効力が内外から報告される過程で徐々に関心が高まり、①種々の菌に対する抗菌性、②鎮痛作用、③抗炎症作用、④組織再生の促進、⑤酸化防止の働き、⑥血液浄化作用、⑦免疫力の増強、⑧麻酔作用、などが相次いで明らかにされた。具体的には糖尿病、胃腸病、関節炎、アレルギー性疾患、循環器障害、呼吸器障害、白内障、歯槽膿漏、痔、火傷、皮膚炎などの改善効果である。いずれも傾向が基本だが、目的によって外用(塗布)される場合もある。

 医薬品の中に抗生物質があるのにあえてプロポリスに注目する理由を、ドイツの研究者ハーブスティンは「抗生物質はウイルスや真菌類には余り役に立たないが、プロポリスには期待が持てる。また、細菌は抗生物質に対する耐性をつけるが、プロポリスに対する耐性については全く知られていない」と示唆に富む指摘をしている。こうしたことからも明らかなように、従来プロポリスの効果としては抗菌作用や抗ウイルス作用に対する関心も強かったのであるが、ここにきてプロポリスが一躍注目されるようになったのは、第50回日本癌学会総会(1991年)で国立予防衛生研究所の松野哲也が発表した研究がプロポリスから抗がん物質を発見というニュースとして大きく報じられてことによる。その後、抗ガン物質が模索される状況下でプロポリスにも熱い期待が集まり、多くの基礎研究や臨床報告が積み重ねられている。

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火曜日, 4月 18, 2006

ダンディーライオン(タンポポ)

○ダンディーライオン(タンポポ)

 キク科タンポポ属の多年草で、学名はTaraxacum offcinale。和名は西洋タンポポ。北半球の温暖地域に自生する。漢方ではタンポポのことを蒲公英と呼び、健胃・浄血・母乳分泌促進の処方として親しまれている。日本では、肝臓によいと言うことからタンポポの根をキンピラゴボウのように食べることが民間療法として伝わっている。こうしたタンポポの食用習慣は日本だけでなく、世界各地にも存在している。例えば、ヨーロッパではタンポポの根を乾燥したものをコーヒー状にして、ダンディーティーと呼んで飲用している。また、ドイツや料理王国のフランスでも、タンポポのサラダが風味だけでなく健康に良いということで添えられるケースが多くある。

 根には苦味成分のコリンが含まれており、胆汁の分泌を促進させ、肝臓の脂肪編成を抑える働きがある。このほか、タラキサステロール、β-システロール、スチクマステロールなどの成分が認められており、健胃、むくみに対して有効であるとされる。また利尿作用に優れ、女性の尿管感染症を予防することが報告されている。葉にはリノール酸やビタミン、ミネラルが多い。

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月曜日, 4月 17, 2006

唐辛子(カプサイシン)

○唐辛子(カプサイシン)

 ナス科の一年草で南アメリカ原産。広く熱帯から亜熱帯にかけて分布するが、熱帯では木質の多年草となる。日本へは江戸時代に中国からもたらされ、名前は唐から来た辛いものの意味だが、香辛料の需要が少なかった日本では七味唐辛子に使われたことから、誰もが知り、活用するところとなった。

 唐辛子の種類は非常に多く100種を超すが、大きく分けて辛味種と甘味種、あるいは乾果用と野菜用、果実が球状のものと細長いものなどがある。ピーマンは球形果実の甘味種である。しかし、野菜で唐辛子というときにはピーマンやシシトウ(獅子唐辛子)は別に扱っている。代表的な品種として、鷹の爪、伏見、タバスコがある。鷹の爪は七味唐辛子やラー油に使われるほか、漬物、紅葉おろし、煮物、麻婆豆腐、炒め物などに添えて用いられる。伏見は葉唐辛子に、タバスコはタバスコソースに使われる。このほか、観賞用に五色、榎実などの品種がある。

 唐辛子の葉や果実にはカルシウム、カロチン、ビタミンB1、B2、Cなどがずば抜けて多く含まれているが、大量に食べる習慣がないのでその恩恵には与れない。従って出盛の時、葉を油炒めや佃煮などにしてできるだけ多く摂るようにしたい。

 一方果皮に含まれている辛味成分であるカプサイシンには殺菌作用や身体を温める効果、興奮・健胃作用などがある。加えて、体脂肪の消費を促進するホルモン(アドレナリンやノルアドレナリン)の分泌を活発にする作用も見出されており、ダイエット食素材として用いられている。また、果実に膨れるカロチノイド系色素のカプサンチンには強い抗酸化作用が認められており、老化防止や抗ガン効果が期待されている。このほか、薬用アルコール100mlに唐辛子30本ほど付け込んだチンキ剤は、神経痛や腰痛、脱毛予防などに外用される。

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土曜日, 4月 15, 2006

クレソン

○クレソン

 アブラナ科の多年草でヨーロッパが原産。クレソンは仏名、英名はウォータークレス。湿った土壌を好み、水辺や湿地に群生する。日本へは明治初期に渡来、ピリッとした辛味のあるところからミズカラシ(水芥子)、またはオランダカラシともいう。永い間、わが国では余り馴染みのないままであったが、近年洋食化が進むにつれてステーキやロースとビーフの添え野菜として広く用いられるようになった。カラシナやタカナなどと同じニグリンという微量成分(配糖体)が淡い辛さとして感じられ、肉や魚のしつこさを和らげてくれる。また、わさびほどではないが殺菌・解毒作用があり食中毒の予防にもある。

 栄養成分はカロチン2700ug(450ugRE)、ビタミンC26mg、カルシウム110mg(いずれも100g中)と優れているが、一般の野菜のように大量に食べるものではないので、ビタミンやミネラルの必要量を取るためにはそれほど貢献するわけではない。

 わが国ではステーキの付け合せとして登場したこともあり、パセリのように飾り野菜と見られてさらにそのまま残されることも多いが、ヨーロッパでは健胃効果があるとして古くから食用にされてきた。中国では身体の熱を取るとされ西洋菜湯というスープが飲まれている。最近では日本でも天ぷらや和え物にして食べる人が増えてきた。また、絞り汁をアルコールで薄めて頭皮に摺り込むと、抜け毛防止・発毛促進作用があるともいわれている。

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シークヮーサー

○シークヮーサー

 奄美大島以内の南西諸島と台湾の山地に自生する柑橘類の一種。名の由来は沖縄の方言で、シーは酸、クヮーサーは与える者の意。果実は25~40g程度と小さく、適度の甘みと酸味がある。わが国では沖縄県で盛んに栽培され、果実は主に果汁原料として利用されている。この果汁には柑橘類特有のフラボノイドの一種ノビレチンが含まれており、ガンの転移予防や血糖値上昇抑制、血圧効果作用のあることが、(独)農業技術研究機構果樹研究所が行った動物実験で明らかにされたことから(日本栄養・食糧学会大会、2001年)、健康飲料として人気を集めている。

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金曜日, 4月 14, 2006

カムカム

○カムカム

 カムカムはペルーのアマゾン川流域に自生するフトモモ科の潅木で、学名はMyrciaria Dubia。その果実は直径2~3cmくらいで、熟すと赤になる。果肉は白っぽい。果実100g中にビタミンCが2800mg含まれている。これは、ビタミンCが多いことで知られるアセロラの約1.6倍。レモンの約28倍、キウイフルーツの約40倍に相当し、世界で最もビタミンCが多いフルーツといわれている。ビタミンC以外ではリン、鉄分、カルシウムなどのミネラルやクエン酸が含まれている。

 ペルーでは古くからジュースにして飲まれており、風邪や肌荒れの予防、肥満、糖尿病、高血圧などに良いとされてきた。冷凍濃縮果汁の形態で日本輸出されるカムカムはジュースだけ出なく、カプセルやパウダーの形で健康食品に加工されている。また、カムカムにアセロラ、ローズヒップなど他のハーブをブレンドしたサプリメントもある。

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水曜日, 4月 12, 2006

ヒバマタ(ひばまた)

○ヒバマタ(ひばまた)

 ヒバマタは褐藻の一種で、潮間帯(干潮時には海面上に露出する深さ)の岩礁に生え、基部から次第に太くなるオリーブ色の枝は房状に分岐して長さ30cm程度の扇状に育つ。北太平洋に分布しており、わが国では北海道にその一種(フーカス・エバネッセンス)が見出されている。アメリカでは別種のフーカス・ベシキュローシス種を採取して細く切り、日干しにしたものをお茶のようにして飲んだり、煮汁をスープのように飲むと健康によいとされている。これと同じことが西欧や北欧でも行われ、アラスカ(ベーリング海峡)では生で食されている。アメリカの健康食品店では乾燥葉がブラダーラック茶として販売されている。

 栄養成分的にはミネラルが豊富に含まれているの手が特長で、さしずめミネラル補給食と呼びたいほどであるが、際立っているのはマグネシウムと亜鉛の含有量である。この2つはいずれも十二分の摂取が要請されているミネラルであるが、亜鉛は特にインスリン非依存型糖尿病の予防や免疫能の活性化、体内での核酸合成、味覚障害や降圧剤の副作用の予防には欠かせないものとして重要度が増している。ヒバマタは亜鉛欠乏症を未然に防いでくれる健康食品といえるだろう。

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火曜日, 4月 11, 2006

酵母

○酵母

 イーストともいう。菌類の真核微生物の内、単細胞で増殖するものの総称で、発酵の元になるものという意味がある。酵母は生きていくために、ヒトと同じくグルコース(ブドウ糖)をエネルギー源としている。ヒトは呼吸によって酸素を使い、グルコースを水と二酸化炭素に分解してエネルギーを産生しているが、酵母の中で嫌気性(酸素を使わないもの)のものは、グルコースをアルコールと炭酸ガスに分解してエネルギーを得ている。このような代謝をアルコール発酵という。

 アルコール発酵が酵母によって行われることをはじめて証明したのはフランスの化学者L・パストゥールで、1879年のことである。また、それから20年後の1897年には、ドイツの生化学者E・ブフナーが、すり潰した(死んだ)酵母でもアルコール発酵が起こることを確かめ、この反応が酵母の細胞中に存在する多くの酵素によるものであることを発見し、今日の生化学の礎となった。

 酵母は清酒やビール、ワイン、パンなどの製造に欠かすことのできないものである。また、味噌や醤油の醸造にも使われている。酒造りに使われる酵母は主にサッカロミセス・セレビシュである。清酒酵母、ビール酵母として利用されている。サッカロミセスとは糖を分解する菌という意味がある。

 酵母には多くの酵素が含まれるが、発酵の過程でビタミンやミネラルなどの栄養素も大量に生み出され、酵素の働きと相まって代謝を活発する働きがある。そのため、発酵終了後の酵母を利用した酵母エキスが作られている。

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日曜日, 4月 09, 2006

鹿角霊芝

○鹿角霊芝

 霊芝の成長期を特殊な栽培技術で長引かせて収穫したもので、雄鹿の角のような形をした霊芝である。その艶やかな色合いも勇壮な雄鹿の角を思い起こさせるが、若い鹿の角は古くから漢方では鹿茸の名前で滋養強壮剤に用いられてきた貴重品。鹿角霊芝も鹿茸に匹敵する若さのエネルギーを内在させる若々しいキノコである。

 栽培用の台木(榾木)や培養基から顔を出した霊芝は、最初は棒状にすくすく伸びていくが、やがて頭部が膨らみ傘状になる。これは繁殖のための胞子を傘の裏側に宿す準備あり、言い換えれば一世代の終わりが来たことを示しており、完成の時期を向かえた分、育ち盛りの勢いに陰りが見えはじめた時期であるともいえる。やがて霊芝は、普通は傘を開いて熟年期に入ってしまうが、新たに工夫された特殊な栽培技術を駆使すると、傘を開くまでの成長期を大幅に延長することができる。こうして、霊芝の成長エネルギーにあふれた状態で収穫したものが鹿角霊芝である。

 漢方の世界では歴史が古く、臨床報告も多い霊芝は早くから薬理研究の対象とされ、日本や中国、近年はアメリカも加わって多くの研究が行われ、それによって例えば、多糖体のβ-グルカン、苦味成分のトリテルペノイド系のガノデリン酸、タンパク多糖、ペプチドグルカンなど、特別な作用を見せる薬効成分が順次明らかにされている。熟成した霊芝と、若々しさを秘めた鹿角霊芝。薬用茸としての働きはほぼ共通していると考えられるが、両者それぞれに独特の持ち味があることも興味深いといえよう。

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土曜日, 4月 08, 2006

ソーパルメット(ノコギリヤシ)

○ソーパルメット(ノコギリヤシ)

 北米原産のヤシ科シュロ属の低木で、学名はSerenoa repens。和名はノコギリヤシ。ネイティブアメリカンの間では古くから、その果実が膀胱炎や尿道疾患の治療薬として使われてきた。わが国でも馴染み深い同類のシュロは、その葉が高血圧や脳出血の民間薬に用いられてきた。

 ソーパルメットの果実エキスが膀胱や尿道など泌尿器の疾患に効くとする研究発表は早くも1892年に米国のA・マーシーによってなされ、以後ヨーロッパ各国の研究者の関心も集めて、特に高齢男性を悩ませる前立腺肥大症への特異的な効用が追求されてきた。複数の臨床研究によって、ノコギリヤシの摂取が夜間の頻尿、残尿感、排尿痛などを改善することが確認されている。

 すでにこのエキス成分はイタリア、フランス、スウェーデン、ノルウェーなどでは医薬品として使われているが、その成果がアメリカを経由、使いやすいハーブエキスの形でわが国へも導入されている。前立腺肥大は外科的手術の対象とされがちだが、その予防や改善に役立つ機能性ハーブとして注目される。

ソーパルメット(ノコギリヤシ)

金曜日, 4月 07, 2006

L-カルニチン

○L-カルニチン

 L-カルニチンはタンパク質を構成するアミノ酸ではなく、組織や血液などに単独で存在する遊離アミノ酸の一種で、1905年にロシアの科学者が筋肉から発見し、ラテン語の肉を意味するカロ(caro)、カルニス(carnis)から名づけられた。生理機能の研究は1935年にドイツのライプツッヒ大学のシュトラックが論文を発表したことに始まる。L-カルニチンは脂肪酸がミトコンドリアの膜を通過するために必要な物質である。

 ミトコンドリアは糖質や脂質からエネルギーを算出する器官だが、分子の大きな脂肪酸はそのままでは通過できず、L-カルニチンと結合して初めて通ることができる。L-カルニチンは肝臓内で必須アミノ酸のリジンとメチオニンから合成されるが、20代をピークにその合成力は低下していく。L-カルニチンが不足すると、食品から摂取した脂肪分が燃焼できずに皮下脂肪に蓄積され、肥満を招くことになる。

 2002年の食薬区分改正で非医薬品性分として表示されたことから、脂肪燃焼系アミノ酸として注目素材の一つとなった。L-カルニチンを多く含む食品は動物性食品が多く、特に羊肉に多く含まれている。2004年にはテレビの健康食品情報番組がこの話題を取り上げたことから首都圏を中心にジンギスカンブームが一気に広がった。魚介類では赤貝に多い。

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木曜日, 4月 06, 2006

寒天について

○寒天

 テングサの粘物質を煮溶かし冷却して固めるとところてんができるが、これを戸外の天然冷気で凍結乾燥させたものか寒天である。今から約300年前、京都の一旅館主の偶然の発見がその誕生の契機になったといわれている。現在では気候風土から長野県で大半が生産されている。羊羹など菓子の原料やみつ豆の材料のほか、最近研究の培地にも使われている。

 寒天の主成分(約70%)は多糖体のアガロースで、消化酵素で分解されないため栄養はほとんどないが、水溶性食物繊維として機能する。ナトリウムと結びついて血圧を下げる働きがあるほか、腸内でコレステロールや胆汁酸の吸収を阻害し、動脈硬化や虚血性心臓病などの予防効果が実証されている。また、お腹の調子を整える食品としてトクホの関与性分にもなっている。最近では、テレビの健康食品情報番組でダイエット効果が取り上げられたことから女性の間で人気を呼び、寒天ブームが起きている。

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水曜日, 4月 05, 2006

ココアについて

○ココア

 ココアはチョコレート同じく、カカオの木になる果実の種子(カカオ豆)からつくる。カカオ豆を粉砕して殻を取り除き、焙煎、摩砕してから脂肪分(カカオバター)の一部を除去して粉末にしたものがココアパウダーである。何も加えていないココアパウダーを純ココア(ピュアココア)といい、乳製品や砂糖などを加えたものを調整ココアという。

 ココアはミネラルに富んだ飲料である。ナトリウムとマンガン以外の全てのミネラル(銅、カリウム、鉄、マグネシウム、亜鉛、リン、カルシウム)が豊富に含まれている。ビタミン類ではビタミンB群が多い。また、コーヒーや紅茶にはない食物繊維を摂取できるのも特徴である。ココアの食物繊維は小麦ふすまなどに含まれている不溶性食物繊維のリグニンで、胆汁酸を吸着して体外に排出する作用がある。

 ココアで注目される機能性成分としてカカオポリフェノールとテオブロミンがある。カカオポリフェノールには抗酸化作用に加え、ストレスへの抵抗性を高める作用がある。ストレス効果については竹田弘志(東京医科大学)がラットによる実験で明らかにしている(1997年、チョコレート・ココア国際栄養シンポジウム)。テオブロミンはカカオ豆の苦味成分でカフェインと似た作用を持つが、カフェインより穏やかに作用する。集中力や記憶力を高めたり、気分をリラックスさせたりする効果がある。また、血管を拡張する作用があるため血流を良くして体を温める。

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火曜日, 4月 04, 2006

コーヒーについて

○コーヒー

 コーヒーはエチオピアが原産といわれ、10~11世紀初頭にアラビアに伝わり、その後ヨーロッパに知られるようになった。日本には1609年に平戸和蘭商館が開設され伝えられたといわれている。コーヒーの木は大きくアラビア種、カネホラ種、リベリカ種に分けられるが、栽培されているほとんどかアラビア種とカネホラ種である。

 コーヒーの生産地はコーヒーベルトと呼ばれる南北回帰線に挟まれた熱帯地方の高地で、特にブラジルやコロンビアなどの南米地域が盛んで、世界生産量の約半分を占めている。コーヒーの木になる実の種子部分を焙煎したものがコーヒー豆で、その抽出エキスを一般にコーヒーと呼んでいる。

 コーヒーにはカフェイン、クロロゲン酸、タンパク質、炭水化物、ナイアシンなどが含まれている。コーヒーは眠気覚ましの飲料というイメージが強いが、最近では、①脂肪を燃焼させる、②糖尿病を予防する、③肝臓ガンの発症リスクを低下させる、などの作用があることが明らかになってきた。

 コーヒーを飲むと頭がスッキリするのは、苦味成分のカフェインが脳を刺激して興奮状態にさせるためである。また、脂肪を分解する酵素リパーゼを活性化する作用があり、脂肪をより燃焼させやすくする。運動の20~30分前にコーヒーを飲むと、カフェインの脂肪燃焼作用が効果的に働くといわれている。そのほか利尿作用、気管支や冠状血管を拡張させる作用がある。

 コーヒーを飲む量が多いほど、糖尿病に罹りにくいという研究結果が相次いで報告されている。男性約4万人、女性約8万人を最長18年間追跡した米国のコホート研究によると、コーヒーを1日6杯以上飲む人はコーヒーを飲まない人よりも糖尿病の発症率が大幅に低下することが分かった(2004年)。また、フィンランド国立公衆衛生研究所などで行われた男女約1万4600人を対象にした調査では、コーヒーを1日10杯以上飲む人の糖尿病の発症率は女性で79%、男性では55%減少した(2004年)。国内の研究では、九州大学の研究グループがコーヒーの摂取が食後の血糖値の上昇を抑えるという研究結果を発表している。コーヒーが糖尿病の発症を抑える機序は明らかではないが、コーヒーの香り成分であるクロロゲン酸が血糖値の調整に働いている可能性があるという。また、カフェインがインスリンの分泌を促しているとも考えられている。

 辻一郎(東北大学)らのグループは、コーヒーが肝臓ガンのリスクを低減するという調査結果を発表している(2005年、日本疫学会)。男女約6万1千人に対して7~9年間の追跡調査をした結果、コーヒーを1日1杯以上飲む人の肝臓ガンになる危険性は全く飲まない人の6割程度だった。また、厚生労働省の研究班(主任研究者・津金昌一国立がんセンター予防研究部長)はコーヒー摂取と肝臓ガンの発症率の関係をまとめた研究結果を発表している(2005年)。男女約9万人を対象に1990年から約10年間追跡調査をした結果、1日5杯以上飲む人はほとんど飲まない人に比べ発症率が1/4であった。コーヒーの中の何の成分が肝臓ガンの発症を抑制するのかまだはっきりしていないが、抗酸化作用のあるクロロゲン酸が抗ガン物質として注目されている。

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月曜日, 4月 03, 2006

ブナハリタケについて

○ブナハリタケ

 エゾハリタケ科のキノコ。ブナの倒木や立ち枯れに群生する扇状の食用キノコで、東北地方ではカノカとも呼ばれ、甘い芳香と歯ざわりのよさで昔から珍重されてきたが、最近では深山幻のキノコと呼ばれるほど採れなくなっている。

 そのブナハリタケの人工栽培が1998年にキリンによって成功し、健康機能性の面でも注目のキノコとなった。現在、ブナハリタケの機能性として分かっているのは、①血圧降下作用、②血糖値効果作用、③脳機能改善、④発ガンプロセス抑制作用である。

 キリンが行った血圧降下作用のヒト試験では、血圧が正常高値血圧、および低中リスクの軽症抗血圧の60人(30~59歳)を対象にもプラセボ摂取群とブナハリタケエキス摂取群の2グループに分けた。エキス摂取群の1日あたりのブナハリタケエキス摂取量は564mgで摂取期間は8週間。その結果、2週目頃からエキス摂取群に血圧の低下がみられ、8週間後には軽症高血圧(140~159mg)の人で平均10mmHg下がり、プラセボ群と比較して有意な差が認められた。この血圧降下作用はブナハリタケエキスに含まれているイソロイシンチロシンによるものだということが分かっている。イソロイシンチロシンはアミノ酸のイソロイシンとチロシンが結合したジペプチドで、血圧を上昇させるアンジオテンシンⅡを生成する酵素の働きを阻害する作用がある。イソロイシンチロシンを配合した飲料「ビー・フラット」(キリンビバレッジ)は血圧が高めの人の食品としてトクホ表示の許可を得ている。

 ブナハリタケは糖尿病にも有効だとされる。空腹時の血糖値が105~140mg/dlの10人に、ブナハリタケ乾燥粉末を毎日1g食べてもらったヒト試験では、4週間後には10名全ての空腹時血糖値が摂取前に比べて低下したという結果が得られている。さらに、マウスを使ったⅡ型糖尿病モデルの動物実験で、ブナハリタケの摂取によってインスリン抵抗性が改善され、糖尿病の進行を抑えることが確認された。このほか、最近の研究では脳機能を改善する作用があることも分かってきている。

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日曜日, 4月 02, 2006

ブロッコリーについて

○ブロッコリー

 イタリアでキャベツの変種であるカリフラワーを品種改良して作ったアブラナ科の野菜で、第2次世界大戦後ヨーロッパ各地に広まり、日本で一般化したのはここ30年足らずのことである。

 食用部分は花蕾(つぼみ)が中心であるが、何よりもビタミンCが100g中120mgと多く、これはレモンの搾り汁の2倍強、野菜類ではトップクラスの芽キャベツ(160mg)に迫る数字である。この豊富なビタミンCがウイルスに対する抵抗力を強め、ストレスに強い体を作ると共に鬱血による肩こりや倦怠感を檜前氏、貧血を改善し、みずみずしい美肌を作り、皮膚の色素沈着を抑制する働きをする。また、体の細胞をしっかりと結びつける役目を持つコラーゲンの合成を促すので、ガン細胞の増殖を抑えるともいわれている。

 そのほかビタミンA・B群・E、ミネラルも特別多くはないがバランスよく含まれており、茎の部分もつぼみに劣らず栄養豊富なので捨てずに利用したい。また量を食べてもカロリーはリンゴの2/3程度なので、ダイエット食にも好適である。

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土曜日, 4月 01, 2006

延命草について

○延命草茶

 延命草はシソ科ヤマハッカ属の植物で、北海道から九州に至る山地の日当たりの良い乾いた場所に群生し、1~1.5mの高さに育って秋には薄紫色の小花に穂状につける。和名はヒキオコシであるが、これは一度倒れた人でも、この草の汁を飲ませると引き起こすことができることにちなんでの命名だといわれる。同類の植物で同じように用いられるものにクロバナヒキオコシがあるが、特に両者を区別することなく、一般には延命草の名で呼ばれることが多い。この馴染み深い延命草の名前も、かつて弘法大師が瀕死の病人をこの草で助けたところからきているという。その名からもわかるように、古くから胃弱、食欲不振、腹痛、胃腸カタル、胃痙攣、胆石、日射病などに効用がある民間薬として広く利用されてきたが、中国でも同属の冬凌草という植物が同様の目的で利用されている。

 延命草はその茎と葉に薬効成分が含まれているので、開花前に茎と葉を刈り取り、青さを残すように天日乾燥させる。乾燥中に葉が落ちやすいが、特に葉には有効成分が多いので注意しなくてはならない。こうした干し上げたものは保存し、必要なときに煎じて服用したり、粉末状にして飲むことが行われてきた。全草にわたり極めて苦味が強いため、お茶代わりに毎日飲むよりは、特定の症状の改善を目的として飲まれるのが通例で、10~15gを煎じた煎じ汁か、粉末の場合は1回に0.5g程度が適量とされる。

 薬効植物の苦味は研究者の注目するところであるが、延命草の苦味成分はテルペン系のエンメイン、プレクトランチン、オリドニンなどで、いずれも薬理試験で抗菌作用と抗腫瘍作用が認められているが、新井正(千葉大学)がエンメインに制ガン作用があることを認めた動物実験を発表し、高い関心を持って迎えられたことは記憶に新しい。また富士薫(京都大学化学研究所)はクロバナヒキオコシの苦味成分を分離して腹水ガンのネズミを用いて制ガン作用を確認、その成分がトリコラブダールであることを発表している。中国では、中国科学院昆明植物研究所で同属の冬凌草を用いた研究がなされ、そこでも制ガン作用を認めているが、京都大学の実験結果はそれよりもさらに高い効果を示したということである。

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金曜日, 3月 31, 2006

紅景天について

○紅景天

 紅景天は、原産地のチベットでは海抜3500~5000mという高地に自生しているベンケイソウ科の野生多年生草木である。茎や花など地表に出ている部分は10cm程度と小型であるが、根や根茎が薬効部分として利用される。紅景天の効用については、8世紀頃のチベット医学経典・四部医典と晶珠本草にその記録が多く残されており、滋養強壮、養肺清熱、止血解毒、滋補元気などと記されている。また、中国高等植物図鑑にも紅景天の植物を高く評価している。

 紅景天の薬効について科学的な研究に取り組んでいるのは旧ソ連と中国である。1970年代に、旧ソ連は宇宙飛行士を無重力・無酸素という未知の環境に適応させるための薬剤を開発するにあたって、紅景天に注目し詳細な研究を行った。それによると、紅景天の有効成分は紅景天ケトンとアグリコン、チロソールで、優れた滋養強壮効果があることが新明し、実際に宇宙飛行士の保健食品として使用されていた。80年代になると中国でも紅景天についての研究が始まり、紅景天が高麗人参やエゾウコギよりも強壮作用を有することが明らかになり、の成分、薬理作用、臨床応用、毒性などに関する研究が飛躍的に進んだ。日本では、京都薬科大学の基礎研究によって、紅景天に含まれるグリコシド(配糖体)がアトピーに効果があること、また、シミ・ソバカスの原因となるメラニンの生成を抑えることなどが明らかにされている。

 紅景天に含まれる有効成分は、これまでの研究から約40種類が認められている。脂質、タンパク質、必須アミノ酸、各種ビタミン、有機酸、ミネラルなど基本的な成分に加え、ロシアチャウスク医科大学が発見した成分は、長期に続く緊張状態下で筋肉と大脳を正常化させ免疫機能を高める作用がある。このように、紅景天には中枢神経システムと内分泌システムを整え、免疫力を高める作用があり、これまでに分かっている効用は、老化防止や疲労回復、高血糖・ガン・ウイルス感染・肝臓病・白血病・酸素不足にも有効であるとされる。特に酸素不足を防ぐについては、海抜4000m以上の模擬環境下で行った実験で、紅景天を飲んだ人は、飲まなかった人に比べて運動能力が13.2%も高いという結果が出ている。そのため、チベットでは古くから高山病の薬としても使われている。

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木曜日, 3月 30, 2006

マツタケについて

○まつたけ

 松茸。キシメジ科のキノコで、秋に赤松林やツガ林などの地上に生える。国内生産量は近年極端に減っており、市場に出回っているものの80~90%は韓国、北朝鮮、カナダ、中国、モロッコ、メキシコ、アメリカ、ブータンなどから入ってくる輸入物である。

 「匂いまつたけ、味シメジ」の言葉通り、珍重される独特の香り成分は、桂皮酸メチルエステル、オクテノール、メチルオルシナートなどで、これらは食用増進や消化酵素の分泌を促す作用がある。成分的にはビタミンB2とナイアシンが豊富で、B1も100g中に0.1mgと、生シイタケと同量である。B2とナイアシンは口内炎、角膜炎をはじめとする皮膚炎の予防、抵抗力の強化、神経障害の予防などの働きがある。

 カロチンはないが、ビタミンDを4ug含むので、体内のカルシウムの働きを助け、骨にカルシウムが吸収されやすくするのに役立つ。その上、農林水産省食品総合研究所蛋白質研究室の研究によると、まつたけからガン細胞のみを選択して殺す蛋白質が発見されたという。まつたけ抗腫瘍タンパク質(MAP)と名づけられたこのタンパク質は、正常な細胞は生かして、ガン細胞だけを選択的に攻撃する性質を持っているという。まつたけは高価なのが難点だが、旬には少しでも味わう価値がありそうである。

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水曜日, 3月 29, 2006

グレープフルーツについて

○グレープフルーツ

 ミカン科の常緑高木の果実で、18世紀に西インド諸島のバルバドス等で発見された。その後アメリカに渡り、アリゾナ、カルフォルニアなどで大々的に栽培されるようになった。柑橘類でありながら、グレープの名があるのは、果実がブドウのように房状につくことに由来している。

 みずみずしさが身上で、水分が89.6%もあり、豊富な果汁と適度の甘み、酸味、ほどよい苦味が混ざり合って、爽やかな風味を出しているのが特質である。

 ビタミンCが豊富なことと、このCの吸収を良くするビタミンPクエン酸にも富むので、吸収されやすく生理作用も高い。疲労を回復し、心身ともに爽やかにする。歯茎から出血しやすい人やタバコを吸う人は、毎朝半分ないし1個を食べると良い。四季を問わずほとんど年中出回っているので、手軽に入手できる。

 ところで、グレープフルーツ独特の苦味はナリンギンという配糖体によるものだが、最近、これがカルシウム拮抗薬(高血圧の薬)や睡眠薬の一部に作用すると、薬効を強くしてしまうことがわかった。ナリンギンが肝臓の酵素の一部に働きかけるために起こる反応だといわれているが、降圧剤などとグレープフルーツを一緒に摂ることは避けたほうが良い。

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火曜日, 3月 28, 2006

紅豆杉について

○紅豆杉

 中国雲南省の山岳地帯(標高4000mの厳寒地)に自生する紅豆杉は、イチイ科に属する樹木で、2億年前(中生代)から生き残ってきた地球に現存する最古の樹木とされている。平均樹齢は3000年以上、幹周5.6m、樹高21m(平均値、中国科学院調査)の巨木である。

 近年の研究では、高山や砂漠など過酷な環境に生きる生物ほど、その生命を支えるための特殊な機能物質を体内に豊富に持っていることが明らかにされているが、紅豆杉もまたその例にもれない。万里の長城の建造で知られる秦の始皇帝は不老不死を願ったことでも有名だが、その時代、紅豆杉が塩とともに不老の仙薬に名を連ねていたことが近年明らかにされた。

 紅豆杉が現代に蘇る契機となったのは、1956年にアメリカの化学者ルーカスが、紅豆杉の抽出物質に抗ガン作用があることを発見したことによる。そして71年には同じくヴァニが、抗ガン物質の一つを単離してタキソールと名づけた。その後、合成方が模索されて注射薬ができ、94年には抗ガン剤としてFDA(アメリカ食品違約局)が認可している。日本でも97年に抗ガン剤(保険の適用は卵巣ガン・乳がん・子宮ガン・肺ガン)として認可、今では世界50数カ国で使われている。

 一方、薬剤としてではなく、天然剤としての紅豆杉についても、その薬理研究が進んでいる。富山医科薬科大学和漢研究所の門田重利は、日本薬学第122回年会(2002年)で、紅豆杉のガン細胞に対する作用木序を明らかにした発表を行っている。また、金沢医科大学の平井圭一は、紅豆杉の天然成分が、①正常細胞を傷つけず、ガン細胞だけを狙い撃ちして増殖を阻害し、死滅させる選択的抗ガン性がある、②特異な直接攻撃でガン細胞を自然死(アポトーシス)させる、③免疫賦活作用を併せ持つ、という研究成果を第41回日本癌治療学会(2003年)で発表している。

 紅豆杉にはまた、花粉症などのアレルギーに対しても顕著な改善作用のあることが、北里大学の岡野哲郎らの研究グループによって明らかにされている。実験は、まず最初にマウスを使ってスギ花粉(抗原)に反応する実験用の細胞を調整し、この細胞群にスギ花粉抗原とともに紅豆杉茶を入れ、ヒスタミンやEPOの放出量を調べた。紅豆杉茶は3種類の濃度を用意し、対照には麦茶を用いた。結果は、ヒスタミンの場合も、RPOの場合も、紅豆杉茶の濃度を濃くするほど放出が大幅に減少し、EPOでは紅豆杉茶10ulの濃度でゼロになるという結果を得ている。

 また、この実験と平行して、スギ花粉のメッカである東京・奥多摩の診療所と、花粉が比較的少ない都心の港区の病院患者を対象として、紅豆杉茶の飲用による花粉症改善の臨床試験も行われている。その結果、花粉が少ない都心での病院では、くしゃみを除く全症状(鼻水、鼻閉、鼻・のど・目の痒み、涙目)で、ほぼ100%の改善効果が得られたという。

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月曜日, 3月 27, 2006

アスタキサンチンについて

○アスタキサンチン

 カロチノイドというと一般には植物性色素が多く知られるが、アスタキサンチンは主に海産物に豊富に含まれる赤色色素である。サケやイクラ、鯛やキンキ、エビ、カニなどの呈する赤色は全てアスタキサンチンによるものである。

 アスタキサンチンはこれまで、着色用の食品添加物として使われることが多かったが、1980年代後半に、アスタキサンチンの抗酸化作用はビタミンEやβ-カロチンの数100~1000倍近くもあるという研究報告がなされ、にわかに注目を集める機能性素材となった。また、長い間、アスタキサンチンの原料素材の探索が続けられていたが、近年になって、ヘマトコッカス藻を原料とする大量生産技術が確立したことから、一挙に商品開発が活発化している。

 アスタキサンチンの抗酸化作用の研究では、これまでに免疫賦活、動脈硬化改善、抗ガン、抗糖尿病、美白効果などが報告されている。

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日曜日, 3月 26, 2006

いちじくについて

○いちじく

 クワ科の落葉低木の果実(花嚢)で、アラビア半島が原産。世界各地で栽培されるが、ポルトガル、イタリアが多い。日本ではカリブ系、スミナル系、インターメディア系などが江戸時代の17世紀前半に渡来したが、蓬来と呼ばれていた在来種もある。

 春から夏にかけて緑色の果実(いちじくの場合は花嚢という)を結び、内側に淡紅色の小花を無数につける。花は外から見えないので無花果の名がある。

 主成分は糖で約10%(乾果は6%)含まれ、ビタミン、ミネラル類も少量ずつまんべんなく含んでいる。このほかペクチンという食物繊維があり、腸の働きを活発にし、便秘にも効果的。さらに各種分解酵素が含まれているので、その薬効も多様である。

 いちじくにはまた抗炎症作用があり、喉の痛み、痔疾にも卓効がある。葉の煎じ汁を痔の患部に塗布すると一層効果的。果肉や葉から出る白色の乳液に含まれるペプチドは血圧抑制作用があり、外用ではイボ取りに用いる。果肉には血を清める作用があるといわれ、鼻血や吐血、気血などによく、肺結核の喀血などにも効用があるとされてきた。

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金曜日, 3月 24, 2006

シャンピニオンエキスについて

○シャンピニオンエキス

 フランスで17世紀始めに栽培が始められたハラタケ科のシャンピニオン(英語名=マッシュルーム)は、その優れた風味とともに、ビタミンB2を多く含む食材として各国の食膳をにぎわせているが、その成分を抽出したシャンピニオンエキスが経口摂取できる消臭素材として開発され、広く上市されるようになった。

 食物や体調や、加齢などによって、いわゆる腸内悪玉菌が増殖すると、町内異常発酵による悪臭ガスが腸壁から吸収された不快な体臭や口臭の原因となるほか、発生した有害物質が老化現象などの原因になると指摘されている。

 シャンピニオンエキスはこの腸内異常発酵を抑制する結果、口腔内の臭い、呼気(吐く息)、体臭、便臭を非常によく消臭するとともに、血中への腐敗成分(アンモニア、メルカプタン、硫化水素、インドール、スカトール、クレアチニンなど)の吸収を少なくして、慢性腎不全や高アンモニア血症の進行を阻止する作用のあることが報告されている。

 シャンピニオンエキスは現在、飲料・菓子・健康食品・一般食品(スープ・味噌汁など)、病院の総合栄養流動食・治療用食品などの形で広く供されているほか、ペットフードの分野でも利用が始まり、近年では欧米へも盛んに輸出されるようになった。

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水曜日, 3月 22, 2006

カイアポ芋について

○カイアポ芋

 カイアポ芋は、南米ブラジルの中央に広がるブラジル高原西方のカイアポという山地に自生する白甘藷の一種で、南米の白芋とも称されている。栄養価に優れていることから、インディオの間では健康維持のために、数千年も前から好んで食されていたといわれている。その優れたパワーは、西暦1500年頃、南米に一台帝国を築いたインカ帝国の発展にも多いに寄与したと伝えられている。

 カイアポ芋は、高麗人参などと同様に、土壌に含まれるミネラルや有効成分を満遍なく吸収してしまうため、一度栽培・収穫した土地では、数年以上栽培ができない。

 最近になって、カイアポ芋には、インスリンの分泌や効き目を高め、糖尿病の血糖値を下げる糖の働きがあることが明らかになり、動物実験でも、①インスリン分泌の促進、②インスリン作用の改善などが実証されている。糖尿病の3大合併症といわれる網膜障害、腎臓障害、末梢神経障害に対して、血糖を下げることによる効果が期待されている。

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火曜日, 3月 21, 2006

チェストツリーについて

○チェストツリー

 チェストツリーは、ヨーロッパから中央アジアを原産とするクマツヅラ科の落葉低木で、ヨーロッパでは古くから女性のためのハーブとして使われてきた。チェストツリーの果実に含まれる成分には、女性のホルモン機能を整える作用のあることが古くから経験的に知られており、月経不順の改善薬として有効である。ドイツでは、チェストツリーに黄体ホルモンの分泌を促す作用のあることが認められ、PMS(月経前症候群)の治療薬になっている。

 PMSは、下腹部や頭痛、イライラといった不快症状を呈するが、この原因は黄体ホルモンのプロゲステロンの不足によるものと考えられている。チェストツリーは、脳下垂体から分泌される黄体形成ホルモンの生成を増加させ、その結果、プロゲステロンの分泌を高めることによって、ホルモンバランスを正常化させる。

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月曜日, 3月 20, 2006

しじみエキスについて

○シジミエキス

 シジミ(蜆)の強肝効果については江戸中期(天明元年)の食品国家に「シジミよく黄疸を治し酔いを解す」と記されたことを知れば、そこに医食同源の典型を見る思いの人も多いに違いない。肝臓への効用は医学会でも広く認めるところだが、赤いビタミンの異名を持つビタミンB12(造血・脳細胞の活性化・手足の痺れ改善)が62ugと群を抜いて多い。カルシウム・亜鉛・胴などミネラルにも大きな数字が並ぶ。タンパク質はアミノ酸のバランスがよく、アミノ酸スコアは95。特に高血圧改善や肝臓の解毒作用の亢進、心不全への効果が期待できるタウリンが注目される。

 日常的には味噌汁がほとんどだが、風味のみならず味噌の栄養価も加味されるうえに、食膳に暖かさや懐かしさがあふれて心が和みも食事全体の消化吸収率もぐっと高まる。

 水溶性のエキス成分を採るには、鮮度のよいシジミに同量の水を加えて1~2時間ほど弱火で似たあと汁を濾し、それを半量に煮詰めればよい。それを1回に盃1杯くらいずつ、1日3回ほど飲めば、体力回復、肝機能強化、貧血改善、母乳の出をよくする。肌のシミ取りによいとされるが、その効能が確かなことは、市販のシジミエキスが長い人気を保っていることか何よりの証拠である。

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日曜日, 3月 19, 2006

クランベリーについて

○クランベリー

 クランベリーはブルーベリーと同じツツジ科の常緑低木で、原産地は北米からカナダにかけての一帯である。秋の始めに1~1.5cmの赤い球状の液果を結ぶ。果汁は酸味が強いが、アメリカではクリスマスや祝宴などに食べられる七面鳥料理のクランベリーソースとして利用されることから、よく知られている果実でもある。

 ネイティブアメリカンの間では、古くから尿路感染症の治療にクランベリーの果汁が使われてきた。クランベリーがこうした感染症に効果があることは、現在では多くの研究成果により医学的にも明らかにされている。

 1994年にハーバード大学部で行われた研究によると、クランベリー果汁には尿中のバクテリアと白血球の増加を抑える効果があることが認められている(女性153人を対象にした2重盲検法による試験結果)。また、97年にウェーバー州立大学で行われた研究によると、クランベリー果汁の粉末を使って、尿路感染症の再発防止効果が確かめられている。

 クランベリーが尿路感染症に効果があるのは、古くは、クランベリーが尿を強い酸性にして細菌を増殖しないようにするからだと考えられていた。また、クランベリー果汁に含まれる安息香酸の作用だという説も唱えられたが、現在では、クランベリーのフィトケミカル成分・プロアントシアニジンによる細菌接着阻害作用によるものであることが解明されつつある。このことから、クランベリーには尿路感染予防だけでなく、歯周病や歯肉炎の改善効果、さらにはピロリ菌感染の予防も有効ではないかとする研究も報告され始めた。

 クランベリーを使った食品としては、クランベリージュースの他、果汁エキスを加えたヨーグルト、ジャム、評価などが販売されており、消費者の人気も高い。

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土曜日, 3月 18, 2006

マリアアザミ(シリマリン)について

○マリアアザミ(シリマリン)

 キク科のオオヒレアザミで、一般にマリアアザミと呼ばれているこのハーブは、ヨーロッパでは古くから種子を含む全草に強壮、利胆、利尿効果が認められており、肝臓の民間薬として用いられてきた。生活習慣病をはじめとする諸病の根底に肝機能不全があることが指摘されているが、マリアアザミはまさにそこへ焦点を絞って登場したハーブのニューフェイスである。

 種子に含まれるシリマリンが肝機能を改善することが知られており、ドイツやイタリアの製薬メーカーなどでの研究から、有効成分がフラボノリグナンに分類される化合物群であり、特に重要な作用を持つフラボノイドとして、シリビン、シリジアニン、シリクリスチンの3種が単離された。

 多様な有効性が明らかにされているが、最も注目される肝機能の改善にはシリマリンの有効成分が細胞膜の過酸化脂質の発生を抑えていることが考えられ、これについては体内で合成される抗酸化物質であるグルタチオンの生成を促進する作用が実験的に明らかにされている。体内に発生するフリーラジカルが、様々な老化現象、認知症、ガン、糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中などの元凶であることが次々に明らかにされてきている現在、シリマリンの抗酸化作用への期待が高まり、人気を博しているのも不思議ではない。

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金曜日, 3月 17, 2006

すっぽんについて

○すっぽんエキス

 スッポン料理は、強精・強壮に特効のある料理として世界に知られている。中国では3000年前の周時代に王室の膳に供えられ、以来滋養強壮・不老不死の保健食として珍重されていた。特に中国料理のスープでは漢方薬としての効用が認められ、鯉の生き血と並んで、強精の用をなしている。また、フランス料理でもスッポンのコンソメが一級の料理とされ、スープの主要素材として栄養を逃すことなく料理されている。

 スッポンはカルシウムやタンパク質、特に必須アミノ酸やビタミンが豊富で、栄養価が高く、動物でありながらその脂肪は植物性油脂と同じ不飽和脂肪酸で、リノール酸を多く含んでいる。

 その栄養的特徴は、まずタンパク質にある。タンパク質は生物細胞(血液、筋肉、皮膚、骨髄、角質、腱、爪など)を形成する主要物質であり、成長期に不足すると体位の成長に支障をきたすだけでなく、血管が充分に発育せず、加齢とともに脳卒中を誘発する要因にもなる。その点、すっぽんのタンパク質はアミノ酸が豊富で、すっぽんエキスの分析によると、アルギニン、リジン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、グリシン、アラニンなど18種にも及ぶアミノ酸組成は良好である。

 次に、カルシウムの含有率が高い。これはすっぽんの硬組織部分にのみならず、血液をアルカリ性に保ち、心筋の収縮を活発にする作用がある。さらに、神経の働きにも影響し、ストレスへの対応には欠かせないものである。

 そのほか、ビタミン類ではB1、B2、B6、葉酸、パントテン酸などを含み、ミネラル類では鉄分とナトリウムが特に多く、造血作用を活発にする効果が期待できる。

 さらに、前期のようにスッポン油は動物でありながら不飽和脂肪酸を多く含んでいる。不飽和脂肪酸は結腸コレステロールの増加や血管への沈着を防ぎ、動脈硬化・脳卒中の予防に効果がある。また、すっぽんにはコレステロールも含まれているが、コレステロールは①胆汁の合成素材として、②細胞膜をつくる構成成分の一つとして、③性ホルモンや副腎皮質ホルモンが体内で合成されるときの素材として、など重要な役割も持っている。このコレステロールがホルモンを合成するときに、すっぽん肉などに含まれる酵素活性ビタミン群の働きが加わり、精力増強に効果を発揮すると考えられている。

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木曜日, 3月 16, 2006

舞茸(マイタケ)について

○舞茸(マイタケ)

 その昔、山中で発見した人が喜んで舞い踊ったことから舞茸の名を与えられたといわれるマイタケは、人工栽培技術も確立して食材としての認知度はつとに高いが、近年は薬用キノコとして日本のサプリメント市場に歓迎されている。

 同じサルノコシカケ科に属する霊芝やカラワタケと同時に行われた子実体由来のβ(1-3)-D-グルカンによるマウスの抗腫瘍活性試験で、非常に高い腫瘍完全退縮率を得た報告もなされていたが、その後、難波宏彰(神戸薬科大学)らはMD-フラクションと名づけた精製ペプチドグルカン(タンパク多糖複合体)を用い、ザルコーマ180担ガンマウスに対して腫瘍増殖抑制率86.6%という好結果を得、それがT細胞など免疫細胞の活性化によることを突き止めた。乳ガン、肝ガンなどの快癒や改善に関する、医療現場からの報告も続いている。

 同じく難波らの研究による後天性免疫不全症候群(エイズ)への活用研究は米国で注目され、多くの医師や研究者による臨床研究も報告され、マイタケの評価を高めることとなった。また、作用気序の全体は明らかではないが、血圧降下作用、血糖抑制作用、高コレステロール血症の改善、抗アレルギー作用、便秘の改善、ダイエット効果などの実例報告も多い。

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水曜日, 3月 15, 2006

枸杞茶について

○枸杞茶

 枸杞はナス科の落葉小低木で、わが国では本州・四国・九州の原野や水辺に自生する。高麗人参とともに古くから中国で漢方薬の上薬として珍重されており、漢方薬の聖典とされる神農本草経にもその効能が記されている。漢方で用いるのは枸杞の実(枸杞子)、根、皮の部分だが、若芽や幼葉を乾燥させて煎じたものが枸杞茶として飲まれている。

 葉の主要成分は、ビタミンC・B1・B2、タンパク質、メチオニン、ルチン、硝酸カリなどであるが、特にルチンの効用が大きい。ルチンは体内の活性酸素消去作用とあいまって毛細血管を強化する作用があり、高血圧症や低血圧症に効くと言われる。これは血管が強化されることにより、血行が順調になるからで、高血圧症の症状として現れる肩こり、頭痛、手足の痺れがなくなり、動脈硬化の予防にも役立つ。逆に低血圧症では、ルチンの作用とビタミンCの貧血に対する作用で2重の効果があることも見逃せない。

 さらに、葉の葉緑素に肝臓の解毒作用を助ける働きを持つため、肝臓病の予防・治療に効果があるとされる。葉緑素に共通の性質で、体内に振り込まれるとアルカリ性に働き、体内の酸毒症状を改善するので、疲労回復、ストレスの防止、肝臓の強化、あるいは利尿作用の促進などに効く。また、クコタンニンという枸杞の葉だけに含まれている種類のタンニンは、酸化還元作用を持ち、老化を防ぐとともに、ガンの予防にも効果が期待されている。

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月曜日, 3月 13, 2006

セントジョーンズワート

○セントジョーンズワート

 セントジョーンズワートは、WHO(世界保健機構)が全人口の3%にも達すると試算するほど増えているうつ症状への著しい効果でアメリカに旋風を起こしたハーブである。オトギリソウ科の多年草(和名は西洋オトギリソウ)で、古代ギリシャ以来、悪魔を払うハーブとして、外用で切り傷、やけど、神経痛、内服して不眠・不安症・更年期障害・うつ症状に対して伝統的に用いられてきた。中国や日本に産する同じ仲間のオトギリソウも、全草を採取・乾燥したものが小連翹の名で、漢方薬(止血・消炎・鎮痛・通乳・通経など)に処方され、民間でも打撲・創傷・痛風・神経痛などの外用薬とされてきている。

 薬草としての近年の研究・利用は特にドイツで盛んに行われ、副作用のある抗うつ剤に代わり年間300万枚もの処方箋が書かれていると言われ、その人気がアメリカへ飛び火したことになる。含有成分としては多数のフラボノイドの他に精油成分のヒペリシンが特徴的で、ヒペリシンはうつを起こす酵素であるモノアミンオキシターゼ(MAO)の作用を阻害することが認められ、さらに老化・成人病・不眠症・高血圧・高脂血症などを改善する奇跡の脳内ホルモンといわれるメラトニンの活性を高める作用を持つと考えられている。

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日曜日, 3月 12, 2006

葉酸について

○葉酸

 アミノ酸代謝、核酸成分の合成に補酵素として関与する成分で、免疫力を高め、ビタミンB12とともに造血にも働くので、欠乏症は貧血(巨赤芽球性貧血)のほか、細胞の成長、再生に支障が生じて胃潰瘍や口内炎、舌炎の原因ともなり、神経過敏、健忘症、また胎児や乳幼児では発育不全を招くことがある。

 2000年末に厚生省の検討会がまとめた報告書によると、妊娠を予定している女性に対し、妊娠1ヶ月前から妊娠3ヶ月までの間、葉酸を含むバランスのとれた食事に加えて、栄養補助食品による1日0.4mgの葉酸摂取を勧めている。妊娠初期に適量の葉酸を摂取すれば、2部脊椎など先天性異常の子を出産する危険性を減らすことが欧米の研究で報告されているためだが、サプリメントなどを奨励しているのは、葉酸は水溶性で熱に弱く、食品に含まれる葉酸の体内利用効率は50%と低いからである。サプリメントの場合は利用効率が85%にまであがるといわれており、また、欧米で報告されている研究データは全て栄養補助食品によるもので、食品中の葉酸の効果が実証されていないため、サプリメントでの摂取を奨励している。

 成人の1日所要量は200ugだが、妊婦は+200ug、授乳期は+80ugとされている。許容上限摂取量はいずれも1000ug、葉酸を多く含む食品はレバー、牛乳、卵黄、酵母、豆類、緑黄色野菜、サツマイモ、クルミなど。

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土曜日, 3月 11, 2006

フコイダンについて

○枇杷(びわ)の葉茶

 枇杷はバラ科の常緑高木で、冬に花が咲き、果実は初夏に熟す。ほんのりとした甘みと夏の訪れを告げる旬の果物として人気がある。枇杷の葉についてインド仏教の教典には、葉は無憂扇と呼び、万病に効を奏すと記されている。また本草網目では胃を和し、気を下し、熱を清し、諸毒を解し、脚気を療ずと、その効用を説明している。現在でも中国では枇杷葉湯として多くの愛飲者がいる。夏には清涼剤として夏負けによいばかりではなく、健胃整腸、解毒作用にも効果がある。また、枇杷葉湯に水アメを入れて飲むと、鎮咳、去痰、慢性気管支炎に効くほか、尿の出が悪く浮腫のある場合にも、よく利尿効果を発揮するという。

 効した効用について、古くから民間療法の一つとして伝えられてきたが、最近では枇杷の葉に含まれるビタミン様物質のレートリネ(ビタミンB17とも)の働きが解明され、注目されている。アメリカ間研究報告によると、長寿国であるフンザ王国の人々は杏子(アンズ)の種を常用しているが、レートリルはこの杏子の種から見つかった成分で、アメリカでは抗ガン作用があるのではないか、と考えられている。レートリル溶液中にβ-グルコシダーゼという酵素を加えた液を腹水ガンに注入したところ、ガン細胞が100%死滅したという報告もある。

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金曜日, 3月 10, 2006

フコイダンについて

○フコイダン

 フコイダンは海藻から得られる多糖体で、科学的にはフコースを構成糖とし、それに硫酸やウロン酸が結びついた物質である。ほかの多くの多糖体と同じく、このフコイダンにも抗腫瘍作用が認められるという学術研究が発表され、海藻由来の抗腫瘍物質として注目を集めるようになった。

 第55回日本癌学会総会(1996年)において、昆布を原料にしたフコイダンの抗ガン研究が発表された。この研究では、フコイダンがガン細胞をアポトーシス(ガン細胞の自殺)に追い込むという作用機序が示された注目された。

 その後、モズク(オキナワモズク)から得られたフコイダンの抗ガン効果が発表されたが、この研究では、ガン細胞を皮下に移植した10匹ずつのマウス2群に対し、1群にはオキナワモズク由来フコイダンを2日間投与、もう1群は何の処置もせず飼育し、30日間後に解剖してガンの大きさを比較したところ、フコイダン投与のマウスは、10匹中6匹のガンが完全消滅、残る4匹のガンも無投与の対照群に比べて、その大きさが1/10から半分になっていた、と報告している。

 オキナワモズクはまた、他の海藻類に比して純度の高いフコイダンが得られることも明らかにされている。琉球大学の研究によると、オキナワモズクのフコイダンの構成糖の大部分はL-フコースで、他にわずかに含まれるD-キシロースとともに、その機能性が発揮されると考えられている。

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木曜日, 3月 09, 2006

亜鉛について

○亜鉛

 亜鉛も、必須微量元素として脚光を浴びることになったミネラルのひとつである。従来、亜鉛が毛髪、肝臓、腎臓など新陳代謝の盛んな細胞に多く含まれ、成長期の子供に不足すると発育が阻害されることなどが知られていたが、いずれもたんぱく質の代謝に関わっており、それを司る多種類の酵素に亜鉛が不可欠なことが解明されたのである。

 例えば、食べ物の味を感じ取る味蕾細胞は絶えず生まれ変わる活発な細胞であるが、そのため亜鉛不足の影響を受けやすく、欠乏すると味覚障害を招く。

 あるいは睾丸や前立腺の亜鉛濃度が高いのは精子や精液の産生に亜鉛が必要なためで、不足すれば性的機能障害を招く。膵臓でのインスリン産生にも関与して、不足すれば糖尿病の引き金となり、糖尿病性の壊疽の悪化にも繋がる。免疫を司るリンパ球やT細胞の機能を高めるのにも関与して不足すれば感染症に罹りやすくなるのである。

 一部の食品添加物や降圧剤には、体内の亜鉛の働きを奪って欠乏症を引き起こすので、食生活が不十分な人や食事制限中で不足しがちな人以外でも、努めて意識的に摂取する人が必要である。1日所要量は成人男子で10~12mg、女性は9~10mgである。許容上限摂取量は30mg。

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水曜日, 3月 08, 2006

ヤマブシタケ(山伏茸)について

○ヤマブシタケ(山伏茸)

 広葉樹林で時に採取されることもあるハリタケ科のキノコで、子実体は傘型ではなく、白うさぎが長い房を垂らしてうずくまったような珍しい形をしており、兎茸、針千本などの別名がある。漢方ではその乾燥物を猴頭といいい、虚弱・消化不良、神経衰弱・胃潰瘍などに用いてきた。

 さまざまな菌類のこう主要活性に注目が集まる中で、ようやく安定した人工栽培も確立されたことから改めて本格的検証が行われて、有効成分の分析をはじめ、優れた抗ガン作用を示す詳細な研究(共立薬品工業による)も学会発表されるようになった。

 それによると、①ヤマブシタケ子実体を予備処理ののち熱水処理して乾燥粉末を得る、②その乾燥粉末にイヌリンを添加したもの、③さらに②にキトサンを加えたもの、の3種類の試料をザルコーマ180固型ガンを移植したマウスに対して、経口投与、腹腔内投与(注射)の方法がとられた。その結果、腫瘍増殖抑制率は①の経口投与(500mg/kg)で51.8%、腹腔内投与(100mg/kg)で63%、②の経口投与で54.8%、③の経口投与で59%というヤマブシタケの大きな可能性を示す成績を得たのである。

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火曜日, 3月 07, 2006

ラブレ菌について

○ラブレ菌

 乳酸菌の利用に新時代を開くものとして注目される菌である。発酵乳製品を常食するコーサカスの人々に長寿者が多く、これが乳酸菌の恩恵であることはよく知られた事実であるが、100種を越えるとされる乳酸菌のうち、腸内で増殖して有効性を示すのは15~20種程度といわれている。このラブレ菌はそのうちの一種であるとともに、新しく日本の学者によって、京都・上賀茂の特産漬物”すぐき”から発見されたところが珍しい。

 正式名「ラクトバチルス・ブレビス・サブスピーシーズ・コアギャランス」と名づけられたこの菌の発見者は岸田網太郎(京都パストゥール研究所)で、1993年末に発表された。岸田は1972年にわが国で初めて人・白血球インターフェロンを生成して、肝炎、悪性黒色腫、白血病患者に用いたことで知られているが、新たに発見したこのラブレ菌も、体内でのα-インターフェロン産生能を高めることが確認された。すなわちそれによって体の酵素活性やナチュラルキラー細胞の活性が向上して免疫能が高まり、ウイルス性の疾患(例えばC型肝炎など)の改善が期待できるという、安全性が高く、かつ予防医学的に見ると極めて意義のある素材である。慢性の便秘や喘息が軽快したという報告もある。

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月曜日, 3月 06, 2006

レシチンについて

○レシチン

 大豆レシチンの名ですっかり有名になったリン脂質の一つ。最近はホスファチジリコリンという化学名で呼ばれることも多いが、生体膜を形成する主要成分で、肝臓や血液などの代謝にも深く関与している。また脳の栄養素として注目され、高齢化社会で増えている血管性認知症(痴呆症)やアルツハイマー病への予防や改善への有効性がアメリカやヨーロッパで盛んに行われており、わが国でも基礎研究報告が増えてきている。

 リン酸と脂質の二つで構成されるレシチンは、この特徴によって動脈硬化の予防にも大きく貢献すると考えられている。すなわち、リン酸の部分は親水性で水の分子と結びつきやすく、脂質の部分は親油性だから脂肪の分子と結びつきやすい。この本来溶け合わないはずの水と脂肪が、レシチンの介在によってよく混ざる(乳化する)ようになるため、レシチンが豊富にあると、コレステロールが血管壁に沈着するのを防ぐ。コレステロールそのものは体に必要な成分だが、多過ぎると血管の内壁にどんどん付着し、内腔が狭まって動脈硬化や高血圧を招き、同時に心臓への負担もかかるといった問題を引き起こすことになる。レシチンはこのコレステロールを乳化して肝臓へ運び込む働きをするので、動脈硬化も初期の段階なら、レシチンを摂ることによって改善される。さらに血管を強くする働きもあるので、高血圧や動脈硬化で悩んでいる人には心強い味方となる。

 レシチンを多く含む食品の代表は、大豆と卵黄である。近年、アメリカからレシチンをベースにした各種サプリメントが輸入されているが、これは日本人に非常に馴染み深い大豆が原料とされており、その意味では、いわば逆輸入された健康食品であるともいえよう。

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日曜日, 3月 05, 2006

メグスリノキ(目薬の木)茶について

○メグスリノキ(目薬の木)茶

 メグスリノキ(目薬の木)茶は、わが国特産のカエデ科の落葉高木で、イチョウのように雌雄異株。近年のブーム以後、各地に群生地のあることが明らかになったが、山形・岩手以内の本州、四国、九州の深山に分布し、特に福島県とその隣接する県に多い。和名の目薬の木他、地方によっては千里眼の木、長者の木、三つ花、花楓などの異名で呼ばれている。

 江戸時代初期にこの木の樹皮を煎じて、点眼ないし洗眼薬として、やに目、ただれ目、かすみ目、鳥目、そこひなどの眼病に用いていた記録があるが、歴史的には既に安土桃山時代に活用が始まったと考えられている。以後、文字通り、目薬の木として広く活用され、ごく一部の寺社では1950年代半ばまで自家製の目薬として販売していたといわれるが、ほとんど知られることはなかった。60年代に入って、星薬科大学の伊沢一男が薬用植物の採集過程でこの木の存在を知ったことが契機となり、同大学生薬学教室で成分研究に着手した。その後、薬草カラー図鑑にこの木が収載され認知度が高まる中で、同大学の篠田正人らが「肝障害に対するメグスリノキの薬理試験」と題する学術発表を行って、強制的に肝障害を起こさせたモルモットにメグスリノキのアルコール抽出液を用いて改善が見られたことを報告した。

 星薬科大学教室での成分分析試験では、樹皮にはα-アミリン、β・システロール、ロドデンドロン、カテキンなど、木部にはβ・システロール、クマリン誘導体のスコポレチン、エピーロトデンドリンなど、葉にはβ・アミリン、ケルセチンなどが確認されている。

 メグスリノキ(目薬の木)の成分と種々の眼病、肝障害の改善作用については、まだ十分に解明されていないが、煎じ液を用いてやに目、ただれ目、かすみ目、老眼、仮性近視、結膜炎、花粉症の涙目などが改善した例、漢方薬との併用に緑内障の眼圧低下、肝炎や蕁麻疹などの改善例など、多彩なケースが報告されるようになった。

 なお、この木を目薬として用いるには小枝や青い葉を細かく刻んで乾燥させたものを煎じ、肝炎や利尿などに飲用するときは乾燥させた小枝や樹皮をまた動脈硬化の予防などのために常用するときは、乾燥させた葉をお茶のように煮出して飲むとよいとされている。最近はティーバッグのメグスリノキ100%のお茶やエキス剤も市販され、恩恵に浴しやすくなっている。

メグスリノキ(目薬の木)茶の商品一覧

明日葉について

○明日葉

 明日葉は房総半島や三浦半島、伊豆七島など、温厚な地方の海岸に野生するセリ科の植物で、「今日その葉を摘んでも明日には新しい葉が出てくる」ということで明日葉の名がついたといわれるほど生育力、生命力が旺盛な植物である。大形の多年草で、茎は1mぐらいに伸び、葉は茎を包むように付き、5月から10月頃にかけて淡黄色の花が咲く。

 その強い生命力のためか、大和本草にも不老長寿の植物として紹介されている。わが国での食用の始まりは、江戸時代の八丈島からだという。かなり古くから食用に供されていたと考えられ、また、乳牛の牧草としても栽培され、乳の出をよくし、乳質を高めるといわれる。

 こうした明日葉の効用は、まだ、普通の植物には余りないビタミンB12を豊富に含んでいること。B12は人体の発育成長に欠かせないビタミンで赤いビタミンともいわれ、造血作用のあることで知られている。また、葉緑素が多いのも特徴の一つであろう。

 明日葉の茎や葉を切ると黄色の汁が出るが、この汁の成分には薬効として利尿・緩下作用のほか、抗ガン作用のあることで知られている。その中でルテオリンという成分は強心・利尿剤として有名である。また、キサントアンゲロールというカルコン類化合物には抗潰瘍作用や血小板凝集抑制作用が報告されている。このほか、精油、アンゲロールなどの成分を含み、特殊芳香、苦味等が食欲の増進、疲労回復、強精の効果があると考えられている。

 最近では、抗ガン物質として注目されているゲルマニウムを含んでいることでも注目されているほか、カルシウムやカリウムも多く、健康の維持・増進に役立つ薬草として、大いに期待されている。

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土曜日, 3月 04, 2006

舞茸(マイタケ)について

○舞茸(マイタケ)

 その昔、山中で発見した人が喜んで舞い踊ったことから舞茸の名を与えられたといわれるマイタケは、人工栽培技術も確立して食材としての認知度はつとに高いが、近年は薬用キノコとして日本のサプリメント市場に歓迎されている。

 同じサルノコシカケ科に属する霊芝やカラワタケと同時に行われた子実体由来のβ(1-3)-D-グルカンによるマウスの抗腫瘍活性試験で、非常に高い腫瘍完全退縮率を得た報告もなされていたが、その後、難波宏彰(神戸薬科大学)らはMD-フラクションと名づけた精製ペプチドグルカン(タンパク多糖複合体)を用い、ザルコーマ180担ガンマウスに対して腫瘍増殖抑制率86.6%という好結果を得、それがT細胞など免疫細胞の活性化によることを突き止めた。乳ガン、肝ガンなどの快癒や改善に関する、医療現場からの報告も続いている。

 同じく難波らの研究による後天性免疫不全症候群(エイズ)への活用研究は米国で注目され、多くの医師や研究者による臨床研究も報告され、マイタケの評価を高めることとなった。また、作用気序の全体は明らかではないが、血圧降下作用、血糖抑制作用、高コレステロール血症の改善、抗アレルギー作用、便秘の改善、ダイエット効果などの実例報告も多い。

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木曜日, 3月 02, 2006

杜仲葉について

○杜仲葉

 高血圧・老化・記憶力減退に有効古代中国の薬物書『神農本草経』に「上薬」として収められた杜仲は、中国西南部原産の樹高20mにも達するトチュウ科の落葉高木トチュウの樹皮である。漢方では「肝や腎の機能を高め、陰気を去り、精をつける」としており、わが国へは10世紀前後(平安時代中葉)に不老長寿の高貴薬として招来したと考えられている。現在中国の医学処方(中薬)にも用いられ、早くから中国江蘇医学院、アメリカ・ウイスコンシン洲立大学で行われた血圧投下作用を認める研究などを通じて注目を集めてきた。日本でも樹皮は医薬品成分に指定されているが、葉を干して焙じたものが杜仲茶としてよく知られている。また、杜仲葉を熱水やアルコールで抽出して精製した濃縮エキスから作られた飲料が、高血圧症を予防する特定保健用食品として販売されている。


 杜仲葉エキスは、ゲニポシド酸やピノレジノールジグリコシドといった配糖体が血圧を調整する機能成分として働いていることが、最近の研究で明らかになっている。その作用機序は、杜仲葉配糖体(主にゲニポシド酸)が体の中に吸収されると副交感神経が刺激され、それにつながる抹消動脈の平滑筋を刺激して血管が拡張されるため、血流の抵抗が減少し、血圧の上昇を抑制するというものだ。また、ピノレジノールジグリコシドには抹消血管の拡張、血行障害の改善、リウマチや神経痛の症状改善、利尿のほか、発ガンの原因となるDNAの損傷を修復する作用も認められている。このような杜仲葉エキスの血圧調節作用は高血圧ラットを使った動物実験で証明されており、ヒト試験でも同様な効果が確認されている。

 また、杜仲葉に含まれるタンパク質はコラーゲンの新陳代謝を促進する機能とメカニズムを有し、これが血管・内臓・骨・皮膚・毛髪などを若返らせる作用を持つことが、各種の実験を通じて明らかにされている。ミネラル類ではカルシウム、亜鉛、マンガン、リン、カリウムなど、多様な種類をバランスよく含んでいることも、きわめて大きな特徴かつ特性である。

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水曜日, 3月 01, 2006

免疫ミルクについて

○免疫ミルク

 アメリカのスターリ研究所が開発した免疫作用を持つ粉ミルク。免疫機能を高めるラクトフェリンは母乳に多く含まれているが、免疫ミルクは、ラクトフェリンを母乳以上に多く含み、さらに他の免疫活性物質も加えてある。ガンの予防やC型肝炎の治療を目的に医療現場で活用され始めている。また、ラクトフェリンを多く含んだ飲料や顆粒タイプの食品も乳業メーカーを中心に各社から出されており、一般消費者にも身近な機能性食品となりつつある。

 ラクトフェリンは哺乳動物の乳の中に含まれているタンパク質で、抵抗力の弱い乳児を細菌やウイルスから防御する役割をしている。ラクトフェリンは人間の唾液、涙、血液中にも含まれているが、最も多いのが初乳(出産後3日以内の母乳)で、哺乳動物の中では人間の母乳に一番多く含まれており、牛の約10倍といわれる。

 乳児の免疫力を高めるラクトフェリンだが、その生理作用は成人にも有効だ。これまでの研究では①抗炎症作用、②免疫調節作用、③抗菌作用、④抗ガン作用のあることが実験でわかっている。

 抗菌作用では、水虫治療や胃ガン発症に関連するといわれるピロリ菌減少のほか、C型肝炎ウイルス、ネコヘルペウイルス、単純ヘルペスウイルス、ロタウイルス、ポリオウイルスに対して有効であることが報告されている。

 また抗ガン作用では、経口投与したウシラクトフェリンがラットのアゾキシメタン誘発大腸ガンの発生を抑制した、家族性大腸線腫症も出るマウスにおいてラクトフェリンが遺伝性のガン予防に有効である可能性を示した。多臓器発ガンモデル(ラット)や肺への転移モデル(マウス)でも発ガンを抑制したなどといった報告がある。ラクトフェリンの抗ガン作用については、胸腺由来T細胞欠損ヌードマウスではガン抑制効果がないことから、細胞性免疫が関与している可能性が指摘されている。

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火曜日, 2月 28, 2006

松葉エキスについて

○松葉エキス

 血圧を下げ、ニコチンを排出する松の葉は、不老長寿のために仙人が常用したといわれ、また強精薬としても利用されてきた。松葉を細かく刻んで擂鉢でよくすり、それを弱火で煮て搾った油液を「松葉精」と呼ぶ。今日、松葉エキスといわれるものであるが、これにハチミツを適当に加えると飲みやすくなる。民間の伝承療法としては、生の松葉をそのまま毎朝3~4本ずつ食べるという方法も知られている。

 松葉エキスは古くから伝えられてきた民間療法の一つで、伝承的効用の一つとして「血をきれいにする」というのがあるが、最近はその効用が見直されてきた。というのも、高血圧などにとくに効果を発揮することが確認されたからである。

 松葉エキスには、葉緑素やビタミンA・C・K・カルシウム、鉄、その他多くの酵素を含んでいる。なかでも、松葉の表面に折出するロウ質(松ヤニ)にはケルセチン、ビタミンA・Cが豊富に含まれている。このビタミンCとケルセチンには血管壁を強化する働きがあり、脳卒中や高血圧症の予防と治療に効果があると考えられている。とくに動物性食品を多く摂り、血中コレステロール値の高い人には好適である。このほか、タバコの有害物質であるニコチンを体外へ排出する作用がある。

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月曜日, 2月 27, 2006

発芽玄米&米糠について

○発芽玄米

 白米や玄米を水に浸して数日おくと、白米は腐ってしまうが、玄米は腐らずに発芽してくる。これは玄米が生きており、発芽にい必要な栄養成分がそのまま残されているからである。玄米のこうした性質を利用して作られたのが発芽玄米である。発芽玄米は、籾殻を除いただけの玄米を一定時間、一定温度の水に浸漬して発芽を促し、胚芽部の芽が動き出したところで再度乾燥させて、いわば、”休眠状態”にした玄米である。

 玄米をわずかにい発芽させることによって、①アミノ酸が増えて甘くなる、②酵素が作用してやわらかくなる、③胚乳や外皮がやわらかくなるので消化によい、④炊飯が簡=といった味覚や調理上の改善のほか、発芽によって酵素の動きが活発化し、玄米に含まれる天然ギャバ(GABA)が増加するという点が注目されている。ギャバはγーアミノ酪酸というアミノ酸で、脳内にい多く存在する抑制性神経伝達物質。生体内ではグルタミン酸から生合成され、脳の酵素供給量を増やし、血圧を正常にし、神経の鎮静、中性脂肪の抑制などに作用している。発芽玄米には白米の約10倍のギャバが含まれるという報告もある。

○米糠

 ”完全食”の玄米に対して、切れ味の鋭い健康機能性素材として注目されているのが米糠である。玄米を精白する過程で得られる米糠には、体内で抗酸化物質として働くさまざまな機能性成分が含まれていることが近年の研究で次々と明らかになってきている。なかでも最近とくに注目されているのが、イノシトールやフィチン酸と呼ばれる化合物である。これらの化合物はさまざまな穀物や豆類などに見出されているが、とくに米糠と小麦の外皮に多く含まれている。

 イノシトールはビタミンB複合体の一種だが、ヒトのあらゆる細胞内に存在し重要な役割を担っている。とくに脂肪肝や動脈硬化の予防に深く関わっており、脂肪肝・肝硬変の治療薬に使われている。このほか栄養ドリンク剤や乳児の粉ミルクなどにも配合されている。

 イノシトールには6ヶ所のリン酸基結合部位があり、リン化合物に変化する。結合する個数によってイノシトール1リン酸(IP1)からイノシトール6リン酸(IP6)まで、6種類のリン酸化イノシトールが生まれる。IP6はフィチン酸とも呼ばれる。これらのリン酸化イノシトールは生体内でそれぞれ個別の役割を担っているが、なかでもガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きのあるIP6 が最も注目されており、その抗ガン物質としての有効性が世界中の研究者によって立証されつつある。

 米糠にはこのほか、レシチンと同等の抗酸化力を持つといわれるフェルラ酸が含まれている。フェルラ酸は天然の酸化防止剤として知られ、ラジカル消去と活性酵素消去の二つの作用を持ち、活性酸素生成の原因となる紫外線を吸収する働きもある。

 米糠はこれまで、おもに米糠油の原料やヌカ漬けに利用されてきたが、最近では米糠エキスを配合したドリンクや錠剤タイプの製品も登場しており、今後さらにい機能性素材として用途が広がっていくものと見られている。

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金曜日, 2月 24, 2006

豆乳について

○豆乳

 大豆を一晩水につけておき、すり潰して加熱し、ろ過すると乳状の液体が得られるが、これが豆乳の原型である。これは豆腐の製造過程で生まれるが、そのままでは青くさい大豆臭があり飲用には向かない。市販されている豆乳は、脱皮した大豆を熱処理し、においの原因となるリポキシゲナーゼ(酵素)を失活させて飲みやすくしたものである。

 良質のタンパク質を豊富に含むことから”畑の肉”といわれる大豆だが、豆乳は”畑の牛乳”ともいわれ、牛乳に匹敵する栄養食品として愛用者を増やしている。見た目にも両方とも乳白色でよく似ており、栄養成分を見るとどちらも甲乙つけ難いが、動物性食品と植物性食品の異なる特徴を待っている。

 タンパク質の含有量では、牛乳の方がいくぶん勝るが、アミノ酸の組成では豆乳が勝るとも劣らないほどで、豆乳は良質なタンパク源として価値が高い。

 豆乳が優れているのは含まれる脂肪酸の違いである。脂肪酸は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に大きく分かれるが、飽和脂肪酸を摂りすぎると血中コレステロールや中性脂肪が増え、動脈硬化の原因となることがよく知られている。日本食品標準成分表を使って単純に比較してみても、牛乳には100g当たり2.33gの飽和脂肪酸が含まれているが、豆乳は0.35gで6分の1以下である。逆に不飽和脂肪酸は牛乳が0.99gであるのに対し、豆乳は1.4gと1.5倍も含まれている。

 牛乳はカルシウムを多く含み、骨を丈夫にするということから成長期の子どもには大切な食品であるが、成人以上では牛乳の脂肪分にも配慮する必要がある。高齢社会に入ったわが国では、加齢によって引き起こされる疾患が急増しており、大きな関心事となっているが、骨粗鬆症もその一つだ。現在、日本には900万人の骨粗鬆症患者がいるといわれるが、そのうち8割(700万人)は女性である。骨粗鬆症は女性ホルモンと深く関わっており、閉経とともにエストロゲン(女性ホルモン)が減少することによってカルシウムの吸収力が低下し、閉経後の5~7年では毎年2~5%の骨が失われていくといわれている。豆乳にはエストロゲンと同じ働きをするイソフラボンが豊富に含まれている。骨の健康を増進させるには、単にカルシウムの摂取量を多くするのではなく、それを効率的に吸収するために必要な各種ビタミン類の補給も必要だ。牛乳だけでなく、豆乳も上手に利用するば、脂肪の摂りすぎを心配せずに効果が上げられるだろう。

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木曜日, 2月 23, 2006

よもぎについて

○よもぎ

 本州をはじめ四国、九州などの山野で普通に見かける多年草。春先の若葉は草餅に搗き込むことでよく知られ、非常に身近な薬草として古くから親しまれてきた。分献での初出は『万葉集』で、すでに奈良朝の末期には5月の節句に、菖蒲とともに軒先に飾る風習があった。これは「毒気を払う」という中国の風習に由来するといわれている。

 ヨモギの葉は「艾葉」といい、漢方では消炎、収斂、止血、止瀉薬とする。また、他の生薬との合法で腹痛や下痢止め、利尿、解熱、鎮咳、便秘、動脈硬化、慢性肝炎などと応用範囲が広い。

 ヨモギには、老化防止にもつながる生体内過酸化脂質抑制作用があるとする研究も発表されている。その作用機構はラジカル基の消去作用でSOD活性と同様の作用を有し、その作用成分の本体は、コーヒー豆などに含まれるカフィータンニン類であることが明らかにされている。また、ガンに効果的だという研究報告(東大伝染病研究所・小島保彦)もある。それによればヨモギの中にインターフェロン・インディーサー(インターフェロンを増やす物質)を発見しマウスで実験したところ、ガンが減少していくのが認められたという。

 また、ヨモギ中のカフィータンニン類にはヒト白血球でのアレルギー物質ロイコトリエン類の生成を抑制することも明らかにされている。健康食品として評価が高いプロポリスにもヨモギと同様の成分が単離されているが、これはヨモギ類がアレルギー性疾患に有効である可能性を示すもので、最近はヨモギエキス含有の石鹸やシャンプーなども市販されていることも興味深い。

 ヨモギの葉にはシネオールなどの精油のほか、酵素、多糖類、ビタミン・ミネラル類の含有量も多く、とくにカロチンが100g中に3600ug(ビタミンA効力2000IU)もあってホウレン草の3100ug(1700IU)を凌ぐ。春先のシーズンにはぜひ積極的に摂取したいものであるが、最近は健康食品として青汁タイプやお茶タイプのものも出ている。通常食品ではヨモギ麩、ヨモギパンなどの形で用いられている。

 葉の裏の白い綿毛は「モグサ(艾)」としてお灸に使われるが、その煙には強い殺菌作用が認められている。モグサの原料は日本では「オオヨモギ」、中国では「チョウセンヨモギ」を使うのが通例である。

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水曜日, 2月 22, 2006

リングフィッシュ自己発酵エキス(リカメン)

○リングフィッシュ自己発酵エキス(リカメン)

 高圧・暗闇の深海で生息する魚には、高ストレスの極限環境から身を守るため、体内で特異な自己発酵物を産生するものが多い。北大西洋の深海2000mに済むリングフィッシュもそのような魚の一種だ。リングフィッシュは体調が2m以上にもなるタラ科の食用魚だが、摂取したプランクトンを利用して、体内で不飽和脂肪酸を合成できる特別な代謝システムを持っている。そのため、すでにリポプロテインの状態になって体内に同化吸収されやすい多価不飽和脂肪酸(ω3)を多く含むほか、天然のアミノ酸でキレートされた抗酸化錯体(セレンやビタミンE複合体)や、各種ペプチド(酵素系のペプチド群、下垂体刺激性視床下部ホルモンの前駆体と類似したペプチド、脳内のニューロンペプチド、アンジオテンシン転換酵素の阻害ペプチド)も含んでいる。

 このリングフィッシュの内臓や骨、頭部を、魚自身の持つ酵素を使って加水分解することで調整したのがリングフィッシュ自己発酵エキスである。フランスで開発され、リカメン(製品素材名)として広く知られている。世界最大の自転車レース・ツールドフランスの選手も使っていることで話題を読んだリカメンだが、早くからフランスの国立研究機関などで健康性機能についての研究が行われており、それを裏付けるように、①運動化における筋肉疲労の軽減・遅延、②持久力・運動能力の向上、③循環器血栓症の予防効果、④脳機能改善効果(記憶力・集中力)、⑤抗不安・抗ストレス作用、⑥鎮静効果などが確認されている。フランスで行われた臨床試験では、頚動脈厚を改善することが認められて、第5回国際循環器予防学会(2001年、大阪)で報告された。また、パリ大学やフランスの病院で行われて臨床研究では、肥満患者の栄養学的なバランスを維持しながら、筋肉量を保持して脂肪の量を減らすという減量効果のデータも得られている。

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火曜日, 2月 21, 2006

紫蘇(しそ)油について

○紫蘇(しそ)油

 紫蘇という文字は「紫色で生命を蘇らせるもの」の意味だとされ、古来、発汗・鎮嘔・鎮咳・利尿の生薬として漢方の処方にも用いられ、薬理研究の対象とされてきたが、紫蘇油にも大きな効用が次々と明らかにされてきた。

 紫蘇油は、シソ科の紫蘇や同じ仲間のエゴマ(中国名・荏、韓国名・白蘇)の実から得られる。この油脂が近年脚光を浴びる理由は、他の植物油では亜麻仁(あまに)油以外にはほとんど含まれないα-リノレン酸という不飽和脂肪酸が主体(含有量約70%)だからである。

 この脂肪酸の効用が明らかにされたことから、紫蘇油はリノール酸に次ぐ第2の健康油として健康食品業界の寵児となった。

 α-リノレン酸の注目度が高まる中で、その独自の効果も次第に明らかにされてきた。例えば、乳ガンの抑制効果に関してはアメリカのE・キャメロン(カリフォルニア州ガン予防研究所)、米倉郁美・佐藤彰夫(山梨大学)、長澤弘(明治大学)らが、大腸ガンについては成澤富雄(秋田大学)、広瀬雅雄(名古屋私立大学)らが有効性を解明している。

 また、体液性免疫を司るロイコトリエンがリノール酸から代謝された場合よりも、α-リノレン酸からの場合の方が数十分の一も作用が穏やかで、アレルギーによる炎症反応に対し抑制的に働くことが奥山治美(名古屋私立大学)らが報告している。

 このほか、血圧の上昇を抑え、血小板凝集を抑制して脳梗塞や心筋梗塞を予防すること、また、前述のように、α-リノレン酸は体内でEPAを経てDHAに代謝されるため、その健脳効果も期待されている。

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月曜日, 2月 20, 2006

小豆について

○小豆

 小豆は東アジア原産のマメ科の一年草で、ショウズともいい、大豆とともに古くからわが国では栽培され、餡や汁粉、赤飯、小豆粥などと季節を問わず親しまれてきた食材の一つである。

 主成分は糖質とタンパク質であるが、特徴はビタミンB1を多量に含むことで、昔から脚気の妙薬として民間薬的に利用されている。また、カリウムや食物繊維も多いので、便秘の改善や利尿促進作用も期待できる。

 外皮に含まれているサポニンの作用も大で、腎臓病・心臓病・脚気などによるむくみに著効がある。したがって煮汁は捨てずに全部利用したい。赤飯を炊く煮汁を使うのは、単なる色付けだけでない先人の知恵である。

 ビタミンB1は脚気に効くばかりでなく、疲労回復、夏バテ防止にもよい。食欲増進に玄米の小豆粥などはぜひ薦めたい料理である。また、小豆には催乳の働きがあるので、産後の女性に煮汁とともにたっぷり与えて母子の健康をはかりたい。

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日曜日, 2月 19, 2006

マグネシウムについて

○マグネシウム

 元素記号はMg。人の必須主要ミネラルの一つで、人体での存在量はミネラル中7番目である。成人(体重60kg前後)で20~25g程度を体内に保有しており、その約半分以上は骨に、残りの大部分は細胞内液に(特に筋肉と肝臓の細胞に多い)、その他は血漿内に存在している。子供よりも成人の方が、また女性は妊娠中の方が、体内での濃度は増大する。

 マグネシウムの名称は、古代ギリシャにマグネシアという地方があって、その地で取れる白い鉱物には種々の病気を治療する効果があり、その有効成分がこの金属であることがわかって名づけられたといわれている。

 近年、マグネシウムが非常に重要な生体機能に深く関与していることが明らかにされ、その一方で食生活が近代化するに応じて摂取量が減少する栄養素であることがわかってきた。とはいえ、なお一般にはマグネシウムを単に鉱物資源としてのみ認識していることが多いのであるが、その語源にすでに病気の問題が関わっていたことは興味深い。

 マグネシウムは血漿中に存在する量が非常に少ない(体内のマグネシウム全体の1%程度)ために、血液検査ではその不足がわかりにくいのであるが、欠乏症になると発育不全、筋肉の震え、筋力の低下や痙攣による運動障害、めまい、ひきつけ、嚥下障害などを経て全身性の痙攣へと進み、合わせて神経症状も現れて、感情の鈍麻、あるいは極度の過敏症、抑欝、不安神経症、精神錯乱にまで進む。なかには、皮膚の黒ずみ、食欲不振、睡眠障害のような症状もあるが、腎不全、腎臓結石、狭心症、不整脈、心筋梗塞、高血圧、糖尿病などの報告もある。

 マグネシウムは経口摂取の不足などで血液中の濃度が低くなったときは、腎臓の糸状体や尿細管で再吸収されるなどして微妙な体内調節がはかられているが、腸の疾患による吸収減少、下痢や授乳や持続的発汗による体液の損失、利尿剤などによる尿量の増大、慢性アルコール中毒など、様々な原因で欠乏状態になったときに、前記のような疾患に結びついていく。

 特に最近は、糖尿病とマグネシウムの相関関係について強い関心が寄せられている。マグネシウムが糖代謝に関与する多くの酵素の活性因子として必要なミネラルであることはすでに明らかにされているが、ラットの脂肪細胞において、マグネシウムがインスリンによる糖の酸化作用を増強することも最近確認されている。また、109名の糖尿病患者を検査してその血漿マグネシウム濃度が低く、さらに1日の尿中マグネシウム排泄量が多いことも報告されている。これは、糖尿病にとってマグネシウムが一つの重要な因子であることを示唆するものである。

 現在、わが国の栄養所要量では、マグネシウムは1日成人男性で300~320mg、女性で250~260mgが示されているが、通常の食生活では目標値を摂れていないとの調査報告もある。また、その1.5~2.5倍は必要だとする意見も多い。許容上限摂取量は650~700m(成人)。

 マグネシウムを多く含む食品には、青ノリ、ヒジキなどの海藻類のほか、胚芽類、アーモンド、ピーナッツ、大豆などの豆類がある。また、栄養補助食品としては調整された天然にがりは塩化マグネシウムが主成分であり、マグネシウムの供給源として注目されている。

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土曜日, 2月 18, 2006

黒茶について

○黒茶

 黒茶は堆積させた生葉を加湿し、微生物を利用して発酵させるもので、製法による分類では後発酵茶に属する。微生物による長期間の発酵熟成は温度・湿度・環境(好気性発酵)など技術的に難しい管理を必要とするため産地は限られて、主に広西省・雲南省産が大部分を占めている。代表的な黒茶としてはプーアル茶がわが国でもよく知られている。

 産地によって微生物の種類も発酵方法も異なるため、味や香りも微妙に違っている。黒麹菌で長期間発酵熟成させた黒茶は、茶葉(鮮葉)中のカテキン類が低分子で3つの水酸基を持つ没食子酸エステルに変わるとともに、お茶特有のアミノ酸の一種テアニンが大量に生産されるので、タンニンの苦味は消え去り、まろやかな味わいを生じている。

 設備と管理のよいところで熟成期間3年以上経たものは成分構成の変化によりまろやかな風味を呈するとともに、カフェイン様作用が消滅しているので、夜の睡眠の妨げになるようなことはない。また、タンニンの渋みや収斂性も消失しているので、便秘傾向の人にも適しているといわれる。これらの事実は本草綱目拾遣や中薬大辞典にも収載され、3年を経たものを薬用とし、新しいものは火気があると記載されている。黒茶の特徴をまとめると、以下のとおりである。

 ①長期間の発酵塾生によりカテキンの渋みやカフェイン様作用が消失し、より有効な作用を持つ成分に変わっている。②テアニン等のアミノ酸が多くなり、口中をさっぱりさせ、飽きの来ない味と香りを持っている。③やかんや土瓶で煮出してポットに入れておくと、3日くらいはホットでもアイスでもおいしくいつでも飲めるので非常に便利である(保存性に優れている)。④黒茶はダイエット茶として、体質に応じて適度のコレステロールや中性脂肪の吸収抑制作用が得られるといわれている。⑤発酵により利尿作用のあるテオフィリン系の成分が多くなっており、水分代謝が促進される。

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金曜日, 2月 17, 2006

活性炭(ヘルスカーボン)について

○活性炭(ヘルスカーボン)

 農薬や睡眠薬による急性中毒の際、その強力な吸着材としての作用で治療に使われるのが薬用活性炭である。毒物を吸着させて体外に排出する力が強力であるが、副作用(便秘)が強く、常時摂取することはできない。

 そこで、薬用の活性炭を天然のオリゴマンナンと昆布やヒジキなどの細胞膜成分(アルギン酸カルシウム)でコーティングし、便秘などの副作用が起きないように改良を加えたのが、食べる活性炭として注目されているのがヘルスカーボンである。近年、このヘルスカーボンを活用して、体内に蓄積したダイオキシンを排出させる効果に関心が集まっている。

 国のダイオキシン類対策特別措置法では、ダイオキシンの耐用1日摂取量(人が一生涯にわたって摂取しても健康に有害な影響が現れないと判断される、体重1kgに対する1日当たりの摂取量)は4ピコグラム(ピコは1兆分の1g)とされている。しかし、体内に蓄積されたダイオキシン濃度が半減するには5年から10年かかるといわれている。そのため、ダイオキシンの耐用1日摂取量を現時点でいくら低く設定しても、すでに体内に蓄積されたダイオキシン量が減るわけではない。このジレンマを解決するのがヘルスカーボンである。

 活性炭の粒子には目に見えない穴が多数あり、この穴に有害毒物が吸着されるわけだが、ヘルスカーボンの吸着領域は分子量が100~90000の物質で、この範囲にはダイオキシンなどの環境ホルモンも入る。ヘルスカーボンを使ったダイオキシン除去方法は大きく2つ有る。1つは食材を洗う水や料理を煮るときに一緒に使うことで、食材に含まれているダイオキシンを吸着してしまう方法。もう1つは、ヘルスカーボンを食事中か食事前後に食べることで、腸管内のダイオキシンを吸着し、体外に排出して行く方法だ。肝臓にダイオキシンが蓄積しているラットに1週間ヘルスカーボンを食べさせると、肝臓の残留ダイオキシンがなくなったという報告がある。これは十二指腸に排出されたダイオキシンを吸着・排出し、ダイオキシンの腸肝循環を阻止したと見られる。

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木曜日, 2月 16, 2006

紅花油(サフラワー油)について

○紅花油

 紅花油は、紅花の種子から搾り取った油で、リノール酸が全体の75%以上を占め、植物油の中で最も多い含有量である。動物脂肪の摂り過ぎがコレステロールの増加を招き、動脈硬化や高血圧などの生活習慣病を引き起こすことになるが、リノール酸は体内コレステロールを排出し、動脈硬化や高血圧の予防・改善に有効だとして、近年、紅花油に注目が集まった。

 その効果を最初に実証した動物実験は、高血圧自然発症ラット(遺伝的に高血圧を起こすネズミ)をA、B、Cの3グループに分け、Aグループは粉末飼料、Bには粉末試料にラードを添加したもの、Cには粉末飼料に紅花油を加えたものをそれぞれ与えた。

 実験開始時には3グループとも平均血圧が197mmと、高血圧の症状を呈していたが、粉末飼料だけを与えていたAグループは、実験開始から終了までの5週間ほとんど変化なく、高血圧症のままであった。Bグループには初めの3週間だけラード(飽和脂肪酸)を加え、その後2週間は粉末飼料だけにしたが、グループと同じように高血圧は改善されなかった。

 最後のCグループは、初めの3週間に紅花油を加えた飼料を与え、その後2週間は粉末飼料だけにした結果、1週間目で血圧が平均177mmまで降下し、2週間目も低い血圧を保ち続けていた。しかし、紅花油の添加をやめて3週目以降は再び血圧が上昇してしまった。

 この実験データから、紅花油の血圧効果作用が明らかとなり、以後、リノール酸について血液中のコレステロールを減らす働きのほか、リノール酸の一部が体内でプロスタグランジン(ホルモンに似た働きを持つ物質)に変わり、その一部が血管を拡張させ、血圧を下げる働きを持つことなどが明らかにされた。

 このように高血圧予防に有効な紅花油であるが、リノール酸の含有量が跳び抜けて多いため、逆に紅花油の使用を減らすべきだとする指摘もあり、現在は概ねその方向に進んでいる。それは、近年の脂質栄養学の成果から、リノール酸の過剰摂取によって様々な弊害の起こることが明らかになってきたからである。

 リノール酸は酸化されやすく、体内で過酸化脂質を作りガンの原因となったり、リノール酸から合成されるアラキドン酸によって、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患や免疫力低下を引き起こすことが指摘されている。つまり、過剰摂取による弊害である。

 紅花油も最近は品種改良され、変敗しにくい製品も出ているが、かつてのブームになったようにリノール酸至上主義が通用しなくなっていることは知っておく必要があるだろう。

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水曜日, 2月 15, 2006

紅花について

○紅花

 紅花はキク科の一年草で、サフラワー(英名)とも呼ばれる。夏に咲く紅黄色の花を摘み取って薬用や染料、口紅などに用いたことから、古名を末摘花という。開花後、花冠が赤くなった花を集めて乾燥したものが生薬の紅花(こうか)で、漢方薬の古典・菌匱要略には「婦人の62種の風、および腹中血気利痛は、紅藍花(紅花)これを主どる」とあり、これは婦人の冷え性、産前産後や更年期など腹が痛むときに効果があるといった意味である。

 血流循環に異常が生じて滞った状態を漢方では瘀血というが、女性によく見られる月経異常や冷え性、のぼせ、皮膚のしみ、時に不妊や流・早産などを始め、中風や高血圧も?血が原因する場合が多いと考えられており、腫瘍、口内炎なども含めて紅花の適応症としているのである。現代的に言い換えれば、紅花の薬効成分が全身の代謝機能を更新するということになろう。

 紅花の薬効成分としては数種のフラボン配糖体、アセチレン化合物などの他に、カルコン配糖体である黄色色素のサフロールイエロー、紅色色素のカーサミンなどがよく知られている。黄色色素は水に溶けるが、赤色色素は水に不要でアルコールに溶けるため、紅花を処方した漢方薬は、水なく酒で煎じて服用する場合がある。また、焼酎に浸けておけば、両方の色素が浸出した薬用酒(紅花酒)ができる。また、藤ノ森古墳(6世紀後半)の被葬者の腹部を中心にその花粉が大量に検出され、これは紅花が防腐剤として用いられた可能性が高いとして話題になった。

 紅花の若芽を乾燥させた健康食品(焙煎加工したお茶タイプ、粉末化した顆粒タイプなど)も登場している。分析検査(財・日本食品分析センターによる)では特にカルシウム、β-カロチン、葉酸、食物繊維の含有が多く、抗酸化作用を持つビタミンEはホウレン草の100倍、SOD活性は2400単位/1gで緑茶の6.5倍に達する。

 また、紅花の種子から搾り取った紅花油(サフラワー油)もよく知られている。不飽和脂肪酸のリノール酸を大量に含むことから、一時、健康によい食用油として人気を集めた。

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火曜日, 2月 14, 2006

乳タンパク質(ラクトフェリン)

○乳タンパク質(ラクトフェリン)

 動物の子は全てある時期までは母乳だけで成長するのであるが、その意味で母乳は、子にとっては単にカロリー源なのではなく、あるゆる栄養素と必要な生理活性物質を含んだ完全食品であるということができる。

 こうした認識はすぐに早くからあったが、成人病の多発や難治の疾病が増大する状況の中で根源的な栄養の問題まで掘り下げて研究する必要が叫ばれ、そこで健康の維持と健全な成長に欠かせない生理活性物質の宝庫として母乳(人乳や牛乳)が見直されるようになったのは、近年の新しい潮流である。その結果、これまでにも非常に多くの物質が発見されてきた。

 直接生理作用を持つ物質(顕在因子)としては、例えば副腎皮質ホルモン、甲状腺刺激ホルモンなどのホルモンや、ガングリオシド、ラクトフェリン、オリゴ糖、免疫グロブリン、酵素類などがあり、また母乳中のカゼイン(乳タンパク質の主要成分)が分解してできた二次的物質(潜在因子)としては、カルシウムの吸収に深く関与しているカゼインホスホペプチドや降圧効果ペプチド、線維芽細胞成長因子などが数えられる。

※カゼイン

 完全栄養食品といわれる牛乳には、タンパク質が2.9g(牛乳100g中)含まれているが、その75~85%を占めているのがカゼインで、生乳中に巨大分子として存在し、酸を加えると沈殿物として得られる。カゼインは体内で各種のペプチドに分解される。

 ペプチドには、カルシウムやナトリウムの吸収促進、鎮痛効果、腸の蠕動運動の抑制などの作用がある。腸の働きが抑制されることで食べ物の腸の滞在時間が長くなり、栄養素がより吸収できるようになる。

※ラクトフェリン

 鉄結合性を持つ糖タンパク質で、母乳以外に唾液なども含まれ、また、腸管内でも合成されている。抗菌作用(乳児の感染症を防ぐ)のほかに、腸内でビフィズス金の増殖を促して大腸菌など有害菌の繁殖を抑える効果、炎症を抑制する作用、免疫系のバランスを整えるなどの作用が明らかになっている。

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月曜日, 2月 13, 2006

ナトリウムについて

○ナトリウム

 地球上で最も多い元素は、と訊かれて、ナトリウムであるとすぐに答えられる人は少ない。実は天然に存在する形で、海水に約3%含まれる塩がナトリウムを主成分としている。さらに、他にも各種のナトリウム塩として存在する。

 ナトリウムは生命維持のために不可欠の物質で、人体には体液中にナトリウム塩として約0.15%含まれている。その働きは、①神経の刺激を感じてスムーズに伝達する、②筋肉の弾性を維持する、③消化液や分泌液にアルカリ性を与えてphを調整する、④浸透圧や生体機能を調整する、といった大事な役目を担っている。

 ナトリウムは、自然界の食べ物にはあまり含まれてはいない、そこで人間は海水から得た塩(食塩)や岩塩を利用してきたのだが、そのように何千年も前から食塩だけを取り出して使っている生き物は人間だけであり、必要以上にナトリウムを摂った場合、それが体内にたまってしまうという事態が生じることになった。その結果として、高血圧という障害が生じたとされている。つまり、ナトリウムが血液中に増えてくると、それを薄めるために水分を引き入れるので血液量が増加して血圧が上がる。またナトリウムは、抹消血管を収縮する作用を持っているため、血流を悪くしてやはり血圧を上げ、心臓に負担をかけることになる。逆に不足した場合は、体液の浸透圧が下がるので、体液の水分が細胞に移り浮腫の原因になる。

 動物の体は、余分なものを摂り過ぎると、排泄していつも適度な濃度を保つよう調節する機能を備えているのだが、前述したように自然界の食べ物にはナトリウムはあまり多くはないので、不足した時に比べて、摂り過ぎの場合の調整機能はもともと劣っているのである。こういった調節は腎臓で行われ、常に体液の食塩含有量を0.9%に保つように働いている。腎臓や他の障害でナトリウム代謝に異常が生じると、機能障害など様々な症状が現れることになる。

 他の栄養素との関係ではカリウムとのバランスが知られている。体内では、ナトリウムとカリウムの割合が常に一定であるように調節されている。したがってナトリウムの摂り過ぎが原因で高血圧症に悩んでいる人は、カリウムが多く含まれている野菜や果物、海藻などをたくさん食べるようにすれば、よい結果が得られる。

 東北地方の疫学調査で、リンゴ(カリウムの含有量が多い)を産する村とそうでない村の高血圧症の人を調べたところ、リンゴ村でははるかに少ない数字になった。東北地方は、一般に高血圧疾患が多いところだが、リンゴの栽培地帯に限って脳卒中の死亡率が低かったとの報告がある。

 こうしたことから日本では、ナトリウムは摂取を制限するように指導されており、1日当たり10g未満(0.15g/体重kg未満)にすることが望ましいとされている。

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日曜日, 2月 12, 2006

紅茶について

○紅茶

 紅茶の始まりはイギリスと思っている人が多い。しかし、この紅茶も中国から始まった。イギリスに紅茶が渡ったのは清時代(1644~1911年)初めの1650年代のことだが、たちまち紅茶は人気を博して需要が急伸、イギリスは紅茶の税金で海軍力を増強、7つの海を股にかける大英帝国の大海軍を作り上げていった。

 当時、イギリスは広東や福建省の廈門を中継港にして中国の物産を扱っていた。その中で、お茶は特に貴重品で、毎年、紅茶を運ぶティークリッパー(帆船)が一番茶を輸送するスピードを競っていたほどである。そのために、帆船のスピードアップが図られ、蒸気船が出現するまで、ティークリッパーの競争は華々しく続けられた。それほど、イギリスを始め欧州では紅茶の人気も高まり、需要も多かったのである。しかし、その利権をイギリスが一手に握っていたため、他の国では値段が高くなり、貴族などの上流階級にしか普及しなかったようだ。

 その紅茶を、全て中国から輸入していたイギリスは、その決済に困り、中国へアヘンを密輸するようになった。そしてアヘン戦争へとつながっていったのである。その結果、イギリスは中国から茶を輸入できなくなったため、セイロン(現在のスリランカ)で茶の栽培を大々的に行い、世界の紅茶需要に応えるようにした。これがイギリス紅茶、セイロン紅茶の始まりである。

 セイロン紅茶はアッサム種という大葉種から作られ、アッサム紅茶と呼ばれる。一方、小葉種を原料として作られるのが中国の祁門紅茶と北インド地方で作られるダージリン紅茶である。世界の紅茶市場では、これらを合わせて三大銘茶と呼んでいる。

 中国の紅茶生産はイギリスの世界進出の中で衰退していったが、それでも各種の紅茶作りの伝統は引き継がれ、今も盛んに作られている。主な分類では工夫紅茶、紅砕茶(分級紅茶)、小種紅茶の3種である。

 紅茶は他の茶類と同じくカテキン類を多く含むが、発酵の過程で酵素によって酸化され、紅茶独特の橙赤色を生み出すテアフラビンに変化する。この成分は緑茶のカテキン類と同じく強い抗酸化作用のあることが知られている。テアフラビンはアッサム紅茶に多いが、小葉主の紅茶ではテアフラビンがさらに重合してできる高分子のテアルビジンが含まれる。これは褐色の色素性分である。

 茶のカテキン類が悪性腫瘍組織の増殖を抑制する効果があることは、すでに多くの研究で明らかにされているが、緑茶にしても紅茶にしても少量ずつ毎日摂取することが健康につながるといわれている。紅茶はこのほか、カフェインも多く含まれており、利尿や眠気ざましに役立つほか、心身の疲労回復の一助ともなり、その香りとともに欧米風食生活に欠かせない役割を果たしているといえよう。

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土曜日, 2月 11, 2006

ジャスミン茶について

○ジャスミン茶

 加湿した中国緑茶やウーロン茶に様々な花を加えて香りづけをし、そのあとに花を除いて乾燥させたお茶を花茶と呼ぶが、ジャスミン茶(中国名・茉莉花茶)はその一つで、花茶の中では最もよく知られている。

 中国のジャスミン茶の産地は、福建の他に、蘇州、江西、金華、雲南、安徽などと多くを数え、産地によって使われる茶の発酵度が異なるが、緑茶とウーロン茶の中間に当たる1/3発酵程度の場合が多いようである。ベースとなる茶には最上級のものが用いられ、その加工工程で花の香りを茶に吸着させるが、この加工のポイントは茶の吸香性と、花の吐香性のバランスを微妙にコントロールするところにある。ジャスミン茶に使われるジャスミンはモクレン科の花であるが、非常に種類が多い。日本で栽培されるマツリカやソケイもその一種だが、中国でジャスミン茶に用いられるのは別種の半蔓性で白い八重咲きの種類である。

 ジャスミン茶は茶の中に花を混ぜ込むのではなく、その芳香だけを移す。そのため、もっとも香気の強い半開の花蕾を軽く干したものを用いる。精選した茶を15cmほど敷きつけた上にこの華を透き間なく撒き、その上に茶、さらに花と、三重、四重に積み重ねる。一夜置いて花と茶をふるい分け、新しい花に替えてまた積み重ねるという作業を繰り返していく。この香つけの回数が多いほど芳しくなるわけだが、工程の途中で花から出た水分を除くために温度を加えたり、逆に放熱のために広げたりと非常な手間をかけるのである。福建省の茉莉大白毫という最上級品では、それを7回も繰り返すといわれている。

 愛媛大学医学部の奥田拓道らの研究によると、高脂肪食の長期間摂取によるマウスの体重増加がジャスミン茶投与によって抑制されることが認められ、その作用として脂肪分解促進作用と脂質吸収抑制作用(膵臓リパーゼ抑制)が明らかにされている。

 福建省にはまた、ジャスミン茶だけでなく、包種茶と呼ばれる花茶もある。これは緑茶に近い茶をベースに、ミカン(桔花)、ハナマス、モクセイ(木犀)、クチナシ(梔子花)などが香づけに用いられている。

 このほか、中国独特の茶として白茶がある。大白、小白、水仙白といった特別な茶樹の銀白色の産毛に覆われた若芽を摘んで作られる茶で、これも福建省の名産茶の一つ。銀針白毫や白牡丹などはよく知られ、点てた茶は色が淡く、香や刺激性も強くない。古くから不老長寿の妙薬として愛飲されたが、ストレス、夏バテ、二日酔い、頭のもやもやなどに良く効く。

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金曜日, 2月 10, 2006

羅布麻茶について

○羅布麻茶

 羅布麻は中国の吉林省以南の江蘇、安徽、さらに西方の内モンゴル、陜西、甘粛、新疆など、広域に自生するキョウチクトウ科の宿根草で、繊維質に富んで麻のように用いられてきたところから、紅麻、野朝、沢漆麻など各地で多くの異名がある。また、古くからその葉が代用の茶として愛飲されたために、茶葉花、野茶などとも呼ばれ、文献的には救荒本草(1406年)に沢漆の名で記載され、若葉を摘んで蒸してから乾燥させると、茶としておいしく飲めることが紹介されている。

 このように線維と代用茶として伝統的に用いられてきた植物資源の有効利用を図る過程で、1952年に主生育地の羅布高原に因んで羅布麻と命名されて以来、中国では紡績技術の発達で細くて柔軟で強度に富む線維が得られるようになり、平行して中国科学院西北植物研究所などによる葉の成分の医学的、薬学的な検討も進められて、何種もの薬剤も作られてきた。

 わが国へもこの2つの用途がそっくり伝えられることとなったが、最初はまず、薬草の効果を持つ布として、羅布麻と綿の混紡布で作った枕カバーやパジャマが評判をとった。上海虹口中心病院では、高脂血症の15名(平均年齢58.7歳のうち14名が、この寝具の常用1ヶ月で収縮期血圧が225~146から155~94へ、拡張期血圧が、127~94から120~82へ下がり、めまいを含む自覚症状が軽減したことなどを報告している。

 これはちょうど藍染めの着物と同じように、素材(成分)から発する波動がもたらす効果であるとも考えられるが、富山医科薬科大学和漢薬研究所の難波恒雄は遠赤外線が放射されていることを確認しており、その働きで体内の生体水が活性化し、血液循環や水分代謝が改善されるのではと推察している。こうした羅布麻服飾保健製品は、時に応じて必要な降圧剤との併用が自由であるのも優れた特長であり、慢性気管支炎や喘息の改善にも有効であったという報告もあり、ある種の抗菌性も確認されている。

 一方、羅布麻の葉を用いた茶はウーロン茶に煮た薄甘い味わいで口当たりがよく、わが国では羅布麻茶もヤンロン茶(燕龍茶)とも呼ばれ、ごく最近になってエキスの顆粒も登場した。

 中国薬典(1985年)には「解熱利尿、肝臓を鎮め、精神を安らかにさせ、高血圧、めまい、動機、失眠に用いる」と記載され、近年の中国における研究ではルチン、カテキン、アントラキノン、グルタミン酸、アラニン、バリン、塩化カリウムなどのほか、多様なフラボノイド、フェノール物質、多糖体が確認されている。

 そして、それらの薬理効果として、①血圧効果作用(血管拡張とともに血液の粘度も下がる)、②血清総コレステロールの効果作用、③咳止め、去痰、喘息の軽快、感冒の予防、④精神安定(鎮静、快眠)、⑤血小板の凝集を防ぐ(脳梗塞などの原因となる血栓形成の抑制)、⑥免疫機能の活性化作用、⑦老化予防(活性酸素による脂質の過酸化を防ぐ)などの報告が相次いで報告されており、これらはわが国の研究や治験(中川栄一らによる)でも追認されている。

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セレンについて

○セレン

 元素記号はSe。人の必須微量ミネラルの一つで、近年、特に注目されている元素である。

 まず、老化をはじめ、多くの疾病の原因となる活性酸素の発生を抑え、過酸化脂質を取り除く抗酸化剤としての役割は見逃せない。さらに、ガンの発生を抑え、転移も防ぐほかに、狭心症や心筋梗塞の予防に役立ち、高血圧や動脈硬化、白内障、関節炎、筋ジストロフィー、精力減退などに有効な栄養素であり、若返り効果が抜群だということがわかってきたためである。

 セレンはいろいろな野菜に含まれているが、その量は微々たるもの。比較的多いとされているのは高麗人参、ニンニク、タマネギなど。他にバター、ニシンの燻製、ワカサギ、小麦胚芽、ブラジルナッツに割合多く含まれている。

 高血圧や動脈硬化に関するセレニウムの作用については、血圧をコントロールするホルモンの一種プロスタグランジンを体内で産生するのに欠かせないミネラルであり、血管を拡張させたり、血液が固まるのを防いで、動脈硬化や血栓症(心筋梗塞、脳血栓など)を防ぐ効果があると考えられている。

 1日所要量は成人男性で45~60ug、女性は40~45ugであるが、日本では欠乏の心配はほとんどない。許容上限摂取量は250ugである。

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水曜日, 2月 08, 2006

烏骨鶏エキスについて

○烏骨鶏エキス

 烏骨鶏は鶏の一種で東アジアの原産。皮・肉・骨が黒紫色をしているところから、烏の文字が当てられたが、中国産のものは全身が柔らかな白い羽毛で覆われているので、絹糸鶏ともいう。韓国産のものには羽毛が黒いものもある。

 漢方の古典・本草綱目に虚弱を補うと記され、精をつけて疲労を癒し、婦人病にも効果があるとして薬膳料理用に古くから珍重されてきた。漢方では黒い色をした食物に固有の薬効を認めることが多く、この烏骨鶏も黒いところがまず好まれたのであろうが、肉を分析して見るとカルシウムと鉄、ビタミンではA、B2、Eの含有量が非常に高い。

 もう一つ特徴的なことは、背の青い魚の特許のようにさえいわれる不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれていることである。EPAは血液が粘質化するのために生ずる心筋梗塞や、脳梗塞、動脈硬化症に対して有効であるし、DHAは血液が固まるのを防ぐ上に、血中の悪玉コレステロールを抑制し、さらに脳細胞を活性化することで注目される成分である。

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火曜日, 2月 07, 2006

香酢について

○香酢

 香酢は、中国江蘇省南部の都市・鎮江で造られる黒酢の一般的な呼称だが、黒酢といっても、日本の米酢とは製法も原料も異なる。鎮江香酢の原料はもち米と麦ふすまで、もち米を蒸して酒に仕込む。次にこの酒に籾殻を加え、甕で自然発酵させる。この発酵の仕方を酢酸分層発酵法といい、甕の中を攪拌したり、中身を別の甕に入れ替えて熟成させる。

 熟成の時間によって呼称が変わるのも香酢の特徴で、3年以上熟成されたものが高級醋とされ老陳醋と呼ばれる。これに対して1年未満のものは陳醋と呼ばれ、一般醋(大衆醋)とされる。新年やお祝いの日、特別の行事や珍客をもてなすなどの場合は、老陳酢が振舞われるという。

 香酢の良し悪しは、主原料のもち米、水、麹に左右されるが、発酵・熟成の工程及び細心で念入りな作業と時間(年月)のほか、容器などによっても思いもよらない違いが生じる。特に陶製の甕は不思議な力を持っており、長年にわたって使われた甕の内部の小さな穴には菌や発酵微生物など、いわば自然の力がすみつき、穴から出て一時も休むことなく呼吸し活動している。これが発酵や熟成に欠かせない神秘的ともいえる力を発揮すると考えられている。

 香酢の特徴はアミノ酸の含有量が多いことだが、香酢の健康機能性で鍵を握っているのは、アミノ酸が数種連なっているペプチドではないかとされ、研究の成果が期待されている。また最近、メラノジンという新しい成分が発見された。これは香酢を3年間熟成させると生まれる新規成分で、ポリフェノールの一種。胃や十二指腸の粘膜に作用して整腸効果を発揮する。

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月曜日, 2月 06, 2006

鯉エキスについて

○鯉エキス

 鯉は淡水魚の中でも寿命の長い魚としてよく知られ、現在北半球では寒冷地を除くアジア、ヨーロッパ、北米、東南アジアに、南半球ではオーストラリア、ニュージーランドでも繁殖している。中国では「鯉は川を上り龍になる」という言い伝えから、糖酷鯉魚(鯉の丸揚げ甘酢かけ)は縁起のよいものとされる。

 わが国では貴重なタンパク源として、広く一般的に鯉の洗いのほか、味噌汁仕立ての鯉濃が食膳に上がってきた。精力がつき、疲労回復の効果が期待され、授乳期の女性が飲むと乳の出がよくなるといわれている。妊娠中毒症(浮腫)、つわり、慢性腎炎などへの効果も認められており、また、鯉の胆嚢が眼精疲労によいことも古くから伝承されてきた。利尿作用が顕著で浮腫を除くともされ、中国医学では「肥満、咳嗽気逆(しゃっくり、咳、げっぷなど)、乳汁不通を治す」といわれている。

 このような経験的事実を確認する中で、近年は研究が本格化し、鯉の丸ごとのエキスに「抗ガン剤の作用を高める」「肝機能障害を予防する」「アトピー性皮膚炎や血行不良を改善する。」といった機能性が見出されている。愛媛大学医学部の奥田卓道らの研究グループは、抗ガン剤の5-FU(5-フルオロウラシル)投与によって起こる副作用(腸壁細胞の破壊、白血球の減少による感染症発症、下痢、口内炎、脱毛など)に対し、鯉エキスが有効であることを明らかにしている。すなわち、ザルコーマ180固形ガンを移植したマウスに5-FUと鯉エキスを併用投与すると、5-FU単独投与よりも、2倍も抗ガン作用が向上した。その分5-FUの投与を減らせるので、副作用の被害を軽減できるのである。さらに、5-FUを投与した動物実験のマウスは、脾臓重量の低下や白血球の減少という免疫機能低下を起こすが、このとき鯉エキスを投与(0.5mg/2回/1日)すると、脾臓重量の低下も白血球の減少も、5-FU非投与群のレベルまで回復した。同研究グループは、鯉エキスが過酸化脂質による肝障害を予防することも確認している。ラットに酸化したコーンオイルを1日につき2mlずつ10日間飲ませた場合、鯉エキス非投与群は血清中のGOT・GPT値ともに上昇するが、鯉エキス群は低下した。さらに、不定愁訴を招くアドレナリンの分泌を抑制する働きがあることも突き止められた。

 大阪市立大学医学部のグループ(清原祥恵ら)は、鯉の脂にカワラヨモギと米糠を加えた軟膏をアトピー性皮膚炎患者89名に5週間使用して痒みの軽減効果を調べた結果、全体の7割の痒みに対して有効であったという結果を報告している。

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日曜日, 2月 05, 2006

ゴマリグナンについて

○ゴマリグナン

 ゴマに含まれるリグナン類を総称してゴマリグナンという。リグナンとは水溶性食物繊維の一種で、顕花植物の茎や根、種子などに配糖体や遊離の状態で存在する。ゴマの種子には、セサミン、セサミノール、セサモール、セサモリノール、セサモリンなどのリグナン類が含まれ、いずれも抗酸化作用を持つ。

 ※セサミン

 ゴマに含まれるリグナン類の一つで、ゴマにわずか0.5%程度しか含まれていないが、強力な抗酸化作用のあることで知られている。肝臓の機能を強化し、アルコールの分解にも寄与している。また、中性脂肪を減らす作用のあることがラットを使った実験でわかっている。

 ※セサミノール

 ゴマの脂質(ゴマ油)に含まれるセサミノールは、変敗しにくいゴマ油などの経験から、強い抗酸化作用のあることがわかっている。セサミノールが過酸化脂質の生成を抑制することで、抗老化、抗ガン効果が得られるとする実験結果が報告されている。

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土曜日, 2月 04, 2006

トナカイ角エキスについて

○トナカイ角エキス

 強靭な生命力を示すオットセイや蛇の体内に神秘的な力の根源が宿されていることを信じた古代の人々の知恵と洞察力は、鹿の角に潜む力をも見抜いて、それを生薬に変えた。すなわちマンシュウジカ、またはハナシカの雄の、まだ骨質化していない幼角を切り取って乾燥させた鹿茸(漢方では参茸ともいう)であり、強壮・強精・補血薬として今でも根強い愛用者が絶えない。薄く切ったものを酒に浸したり飲んだり、粉末にして食べるのである。中国の古書・神農本草経には「悪血、気を益し、志を強くし、老いず」と記されており、従って漢方では、例えば鹿茸大補湯に加えて煎じて飲用する。同様のものとしてサイカク(犀角)というものがあり、これはサイの角を削って乾燥させたもので、同じく漢方では解熱、解毒、血圧降下を目標にして、防風通聖散とか升麻葛根湯などに加味する。

 こうして中国や日本で鹿やサイの角が用いられていたのと同じように、北欧ではトナカイの角が同様の目的で使われてきた長い歴史がある。そこで愛媛大学医学部医化学第2教室の奥田拓道らは、あまりにも高価な鹿茸に代わるべきものとしてトナカイ角に白羽の矢を立て、その主要成分を鹿茸と比べてみたところ、両者のペプチドアミノ酸組成は非常に類似しているが、含有量はトナカイ角の方が20%ほど多いこと、また鹿茸には遊離アミノ酸が含まれているが、トナカイ角には皆無であることがわかった。

 同教室では、故意に停留睾丸にしたマウス(こうすると男性ホルモンが低下し、インポテンツと同様の状態になる)を使った動物実験で、トナカイの角エキス(粉末の水溶液から抽出)を使用すると男性ホルモンの低下が起きないことを実証した。インポテンツにはさまざまな原因・現象・程度があるが、実験はこうしたことも配慮の上で行われた。

 1ヵ月後の結果は、1日25mg服用したグループでは3名が性交可能となり、1日50mgのグループでは同じく3名が性交可能、3名が客観的にも主観的にも勃起の明らかな改善が見られたという。そして、このグループでは有効だった6名全員に、血中の男性ホルモンの上昇が確認された。主要臓器、中枢神経や自律神経、消化器などへの異常な作用のないこと、血漿トランスアミナーゼ(GOT、GPT)活性や運動障害性などへの影響が皆無であることが綿密にチェックされた上で、こうしたインポテンツの効果が客観的に確認されたことは、非常に稀なケースと評価されるべきであろう。

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金曜日, 2月 03, 2006

カロチン(カロテン)について

○カロチン(カロテン)

 生物界に広く分布する黄・橙・赤色の脂溶性色素を総称してカロチノイド(カロテノイド)というが、そのうち炭化水素のものはカロテン類に分類され、α-カロチン、β-カロチン、γ-カロチン、リコピンがある。α、β、ガンマのカロチンをことをまとめにして単にカロチンと呼ぶこともある。カロチンは緑黄色野菜に多く含まれており、人の体内でレチノールに変わるビタミンA前駆物質(プロビタミンA)である。

 β-カロチンは、カロチンの中で最も多く存在し、早くからその効力が注目されていたもので、緑黄色野菜の中心性分である。β-カロチンの多くは小腸の粘膜でレチノールに転換されて吸収されるが、一部は直接β-カロチンのまま吸収されて(吸収力はレチノールの約1/3)、脂肪組織にそのままの形で貯蔵され、必要に応じてビタミンAに転換される。従ってβ-カロチンは、医薬品などの形でビタミンAを摂り過ぎたときに起こる過剰障害(肝障害など)を心配せずに摂取できる利点がある。

 初めは体内脂質の過酸化を抑制する抗酸化剤として注目されたが、ハーバード大学医学部では心臓病患者が積極的にβ-カロチンを摂取すると心筋梗塞、脳卒中の脂肪が半減し、LDLコレステロールによる血管の閉塞を防ぐ作用があると発表。また、アリゾナのガンセンター大学では、β-カロチンの連続投与によって口腔ガンの前ガン症状が激減したことを発表した。

 これらの効果がビタミンAとは異なるメカニズムによることが明らかにされるに及び、β-カロチンが単にビタミンAの前駆物質としてだけでなく、それ自体が固有の作用を持つ機能性成分として重視されるようになり、米国農務省や米国科学アカデミーではビタミンAと区別して、β-カロチンの1日摂取量を6mgと定めている。

 β-カロチンは高品質の健康食品として供されているが、一般食品で多く含むものとしては、人参(100g中9100ug)を筆頭に、ニラ、明日葉、小松菜、紫蘇、サツマイモなど多くを数える。いずれも吸収をよくするには、天ぷら炒め物にして油と一緒に摂るとよい。

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木曜日, 2月 02, 2006

海藻(ケルプ)エキスについて

○海藻(ケルプ)エキス

 昆布やワカメ、ひじきなどに代表される海藻類はミネラルの宝庫といわれ、カルシウム、リン、亜鉛、ヨードなどが特に多く含まれている。ヨードは甲状腺ホルモンを作る原料となる成分で、新陳代謝を高める作用があり、老化防止や若返り作用が期待できる。そのほか、ビタミンやタンパク質もバランスよく含まれており、海藻自体が優れた完全食品であるといっても過言ではないだろう。

 この海藻に含まれる有用性分を抽出したものは海藻エキスと呼ばれ、様々なタイプに加工され、海藻エキス食品として市場に出ている。海藻エキスには血管を若返らせ、血圧を下げる効果があることから、海藻エキスを含んだ健康食品は特に中高年に定着しつつある。

 海藻エキスが血圧を下げる作用には2つの面がある。一つは、海藻エキスに含まれるラミニンという特殊なアミノ酸の作用で、血圧に直接作用する。もう一つは、海藻エキスの硫酸多糖による作用である。これは血中コレステロール値を下げ、動脈硬化を予防し、血管を強化し、血圧をじわじわと下げていく、いわば血圧効果に対する間接的作用である。硫酸多糖は海藻の表面のぬめりを作り出す物質で、これが血管強化物質の正体であり、血中コレステロール値を下げる有効成分でもある。その働きは、コレステロールが腸から吸収されるときに、その吸収も妨げる。ある実験では、腸内のコレステロールの20~30%を吸着したという結果も出ているほどである。さらに、血液中のコレステロールで排出する作用があり、血管の老化防止に効果を発揮する。

 海藻エキスにはまた、血管を若返させる働きもある。血中コレステロールとリポタンパクが結合すると、コレステロールが血管壁に吸着して、血管の老化(動脈硬化など)を早めるが、硫酸多糖はリポタンパクを分解してコレステロールが沈着しないように作用する。この状態になると、血液中にコレステロールが多くても、動脈硬化を起こす心配は少なくなる。

 このほか、海藻には魚油に多いEPA(エイコサペンタエン酸)も含まれていることが判明し、注目されている。EPAはサバやイワシなどの魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸だが、高血圧や動脈硬化に有効性があるといわれている。それは、EPAが血液を固まりにくくし、血管に付着するコレステロールを取り除き、血管を拡張して、血圧を下げる働きをするプロスタグランジンというホルモン群を作る働きがあると考えられるからである。

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水曜日, 2月 01, 2006

オリーブ油について

○オリーブ油

 オリーブの果実は、品種を問わず強い苦味があり生食できないが、塩漬け(ピックル)にした果実は脂肪分を含んで独特の風味を持ち、栄養価も高い。この熟した果実の実からはオリーブ油(果実重量の15~20%に達する)が作られる。また、核からはオリーブ核油が得られる。

 オリーブ油は植物の中でも最も消化・吸収がよく、豊富な脂溶性ビタミン類、さらに細胞に酸素を送る働きをしているカリウム、マグネシウムなどのミネラル類など栄養的価値の高い成分が含まれている。しかも、酵素は自然のタンニンとうまく調和しているので、栄養性分が吸収されやすく、健康素材として効果的である。

 なかでも、果肉だけ収集したものを弱く冷圧して採取したものは、バージンオイルと呼ばれ、新鮮味、栄養ともに最高である。

 その成分分析をみると、酸化度が0.17と低く、鹸化価190、ヨウ素価83.5といずも高い。脂肪分の組成は不飽和脂肪酸を豊富に含み、オレイン酸79.4%、パルミチン酸9.2%、リノール酸8.1%、ステアリン酸2.6%、リノレン酸0.6%などとなっている。そのほか微量成分ではプロビタミンA、ビタミンD・E、また珍しい成分として細胞の若返りに有効なスクアレンなどがある。

 バージンオイルは、オリーブの生きた栄養が全く破壊されていないのが特徴である。そのため、栄養が豊富に含まれているほか、消化・吸収がよく、さっぱりした食後感で、食べても胸焼けや胃のもたれなどの心配がない。

 オリーブは欧米で古くから薬用として使われており、また健康食品としても高く評価されている。欧米でのデータを紹介すると、①コレステロールを減らす、②オリーブ油を常食している民族では中年層に心臓及び動脈系統の病気が非常に少ない、③X線や放射線から守る(ネズミにX線、放射線をかけ続けた実験で、オリーブを与えたネズミには障害が起こらなかった)、④便秘の予防(慢性便秘などの人は大さじ1~3杯のオリーブ油を飲むとよい。副作用がなく、オリーブ油が腸壁を滑らかにして腸の運動を高める)、⑤胃酸過多や胃潰瘍にも有効(胃を守り、胃の運動や胃液の分泌を規則正しくする)、などが報告されている。

 このほか、髪の毛や皮膚の美容と健康、日焼けの予防、歯ぐきの健康、爪やまつ毛の健康などにも効果がある。

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火曜日, 1月 31, 2006

山芋(ヤマイモ)について

○山芋(ヤマイモ)

 山芋はヤマノイモ科の蔓性植物で、通常は自然薯(ジネンジョ)、大薯(ダイショ)、ヤマノイモの3種類を含む総称である。

 自然薯は日本原産で、食用とする担根体(茎と根の付け根が肥大したもの)を地中深く直下させる。大薯は熱帯、亜熱帯に自生する種類でバラエティーに富むが、日本では沖縄や南九州に多い。担根体は扇形、棒状、塊状、紡錘形など様々である。

 ヤマノイモは中国原産で、日本でも古くから栽培され、寒さにも強く東北、北海道でも栽培されている。品種により長芋(ナガイモ)、銀杏芋(イチョウイモ)、大和芋(ヤマトイモ)に分けられる。市場に出回るのはこの3種がほとんどである。

 粘性やデンプンの量は銀杏芋、大和芋が勝り、細長い棒状の長芋は水っぽく、内容物がやや薄い。含有されているデンプンは、加熱しなくても消化しやすいアルファ・デンプンである。また、いずれの品種も糖質、タンパク質に富み、デンプン分解酵素のジアスターゼは大根の3倍、他に尿素分解酵素やサポニン、粘液質のムチン(タンパク質の吸収に有効)も含まれ、滋養強壮、強精、老化防止などの効果があるとされる。

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月曜日, 1月 30, 2006

ハトムギ茶について

○ハトムギ茶

 ハトムギ茶はアマチャヅル茶と並んで普及がめざましく、健康茶として東西の横綱級にまでのし上がったが、その出世の早さでも両者はよく似て入る。1980年代の半ばにハトムギのブームがあったが、それがそのままハトムギ茶の人気に結びついた。

 ハトムギにはゲルマニウム(有機ゲルマニウム)を多く含有しており、そのため体内で有害重金属類を排除する作用があるとされている。また、肝硬変や悪性腫瘍にも効果があることが明らかになってきている。日本癌学会総会(1984年)で、沼田光弘(国立予防衛生研究所)らが、ハトムギの中にガン細胞の増殖を抑える物質があると発表し、この物質が直ちにゲルマニウムであることはできないにしても、ハトムギの抗ガン作用は愛飲家には福音であろう。

 現在、市販されているハトムギ茶は、ティーパック、缶入りなどがあるが、いずれも健康茶として健胃・食欲増進、腎機能増進、利尿、腎結石や膀胱結石などの予防、筋肉痛・リューマチ・神経痛などの鎮痛、あるいは美肌、美容、痩身などへの効果が期待される。

 ハトムギ茶のもう一つの特徴は、その香りのよさである。この香ばしい香りは、大人はもちろん子供の口にも抵抗なく、家族揃って飲めるというメリットがある。こういうところにハトムギ茶の大衆性があり、単に健康茶というだけでない支持が得られた理由があるといえよう。

 この香りのよさを活かして、他の薬草をブレンドする健康茶もいろいろと考えられている。特にアマチャヅルとのブレンドはヒット商品となった。アマチャヅルのほのかな甘みに加えて、ハトムギの香りのよさがよくミックスし、アマチャヅルの生理効果が相乗されるところに人気の鍵があったものといわれる。アマチャヅルに限らず、いろいろな薬草や飲み物と取り合わせて、香りや味の変化を楽しみことができる。それぞれの家庭でわが家のハトムギ茶を作ってみたらどうであろう。

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日曜日, 1月 29, 2006

ハトムギについて

○ハトムギ

 ハトムギ(鳩麦)はイネ科の一年生植物で、中国南部から東南アジアの地域が原産地といわれる。薬用としての歴史は古く、神農本草経にも、「久しく服すれば、補虚、益気、軽身などの効果がある」と効能が記されている。

 ハトムギの漢方名は?苡仁といい、その成分は米や麦よりもカロリーが高く、タンパク質、ビタミンB1、カルシウム、鉄分などを豊富に含み、なかでもタンパク質は良質のアミノ酸で形成され、他の穀類に比べて新陳代謝作用が大きいといわれている。そのほか、抗腫瘍作用を持つ物質の存在も明らかになっており、特殊な微量成分が含まれていることもあって再認識されるようになった。ハトムギの薬効は多く研究者によって明らかにされているが、漢方医の大塚敬節、塩谷伸らの経験などを織り交ぜてその薬効を示すと、次のようになる。

 ①食欲不振や胃のもたれに効果がある。なんとなく食欲がない、食べたあと胃が重いという人で、医薬品ではあまり効果を示さなかった人がよくなったという例が多い。②利尿作用があるので、むくみ、脚気、腎臓、膀胱結石などにめざましい効果を見せる。③筋肉痛、リウマチ、神経痛に効く。?苡仁を煎じて飲むか、粥にして食べてもよい。④荒れ肌やサメ肌、また吹き出物の出やすい体質、あかぎれなどの改善・治療に有効である。⑤イボ取り効果。特に青年性イボによく効き、老人性の固いイボにも有効。⑥制ガン作用。抗腫瘍物質としてコイクセノリドが発見され、これを利用し、?苡仁にフジノコブ、ヒシの実を配合した生薬が注目されている。

 ハムムギは一般にハトムギ茶として利用されることが多いが、殻つきの全粒ハトムギを遠赤外線焙煎して粉末にした製品や、ハトムギを粉砕し液化工程を経て糖化したハトムギ糖などの健康食品がある。また、ハトムギの胚芽から採取したハトムギ胚芽油も健康食品として知られている。

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土曜日, 1月 28, 2006

ショウガ(生姜)について

○ショウガ(生姜)

 ショウガ科の多年生草木で、インド原産とされているが、野生種は発見されていない。高温多湿を好み、日本では7月9月頃にかけてよく生育する。食用とする塊茎部分は多肉で黄色、繊維質で芳香と辛味がある。ヨーロッパではすでに1世紀頃から薬用として知られており、中国でもショウガの塊茎を生姜と名づけて古くから生薬として用いてきた。

 ショウガは精油を含み、独特の芳香がある。主成分はジンギベロールで、油性のショウガオールなどを含む。デンマークのオーデンセ大学地域保健研究所のスリバスターバは、試験管及びラットの大動脈で、ショウガが強力な抗凝血作用を示したことを発表している。これは血餅を防ぐことで知られているニンニクやタマネギよりも強い作用を示したという。血餅形成の最初の段階で、血小板の凝集を促進させるホルモン用の物質トロンボクセインが血液細胞で合成されるのを、ショウガは効率よく抑制するというのである。これについてコーネル大学の研究者たちは、ショウガに含まれる抗凝血物質はジンギベロールだと考えているが、これは強力な抗血餅化合物であるアスピリンと、驚くほどよく似た化学構造をしているともいう。

 ショウガを乾燥したものを漢方では、乾姜と呼び、主な効能としては、嘔吐を止め、痰を去り、気を下し、水腫を取るほか、発汗、解熱、解毒、健胃作用など多様である。他の生薬と配合して芳香性健胃剤、食欲増進、新陳代謝機能促進、鎮吐のほか、鼻づまり、悪寒、発熱に用いられる。消炎鎮痛作用もあり、ショウガ汁と里芋を潰したものと小麦粉を混ぜ、関節炎、肋間神経痛などに外用する。また、肉や魚の解毒作用があるといわれている。ほかに、乗り物酔いを予防する(小さじ約1/2の粉末ショウガを飲む)、血液の粘度を下げる、などの薬効があるとされる。

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金曜日, 1月 27, 2006

根昆布について

○根昆布

 根昆布とは、昆布の根元寄りの固い部分を指す呼び方で、昆布の種類ではない。従来は商品価値が低いために廃棄されていたのであるが、カルシウム、ヨードなどのほか、ぬめりの成分である食物繊維のアルギン酸など特筆すべき機能成分の宝庫であることがわかり、積極的な活用が求められるようになった。

 根昆布は、昆布の葉の分部に比べて栄養素が寄り豊富に含まれており、現代人の食生活を補うのに有益だが、硬い上に付着物もあって食用しにくい面がある。そのため、根昆布そのものの乾燥品の他に、健康食品として加工・成形し、エキスを粒状化にしたり、さらには梅を含有したもの、醤油などの調味料を配合した製品などもある。

 効用としては、昔から高血圧を予防するとされていたが、それはアルギン酸とラミニンが腸内からのナトリウム摂取を抑えるからだという。島根医科大学の発表によると、脳卒中を起こしやすいネズミに昆布粉を餌として与えたところ、全く脳卒中を起こさなかったという報告がある。アルギン酸には、腸内のコレステロールを包み込んで吸収を阻害する作用と、消化液の胆汁酸が再吸収されるのを防ぐ作用(胆汁酸はコレステロールが原料なので、再吸収されなければ血中コレステロールが消費される)によって、結果的にコレステロールの低下を実現する。また、昆布のヨードは体内で沃素酸に変わり、血管を収縮させるアドレナリンというホルモンの働きを抑えるので血管が拡張し、その結果、血圧を下げるのに役立つともいわれている。便秘に関しては、昆布特有のぬるぬる物質(アルギン酸)が食物繊維として作用し、腸の働きを活発化させ、改善することが確認されている。

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水曜日, 1月 25, 2006

りんご酢(バーモントリンゴ酢)について

○りんご酢(バーモントリンゴ酢)

 リンゴ酢が健康食品として、広く知られるようになったのは、アメリカからバーモント療法が紹介されてからである。カナダとの国境に近いバーモント州には古くから伝えられた民間療法があり、そのせいか、アメリカで最も長寿者の多い地方になっている。この事実に着目した医師のジャービスが、リンゴ、はちみつ、海草の3つの食品を柱にした自然食療法(バーモント療法)を提唱した。

 このバーモント療法の中で、特にジャービスが注目したのがリンゴ酢である。リンゴ酢には豊富なカリウムが含まれており、カリウムの不足は発育不良、慢性疲労、高血圧、心臓障害などを引き起こすことがわかっているので、リンゴ酢を常用すればこれらの疾患を防ぎ、健康を増進できると考えたのである。

 原料のリンゴの含有成分をみると、水分86%、糖分が13%、それに脂肪、タンパク質、ミネラルなどだが、ミネラルでもカリウムが特に豊富で、110ml(100g中)も含有されている。これらの成分は、リンゴ酢になっても糖分が酢に変わるだけで、カリウムの量はほとんど変わらない。つまり、リンゴの有効成分を損なわず、さらに酢酸の働きが加わるのである。

 現在、日本で市販されているリンゴ酢には、100%リンゴ果汁を自然に発酵させて造ったものと、アルコールを加えて発酵させたリンゴなどがあるが、100%リンゴ酢にはカリウムなどが多く含まれており、それだけ有効性も高い。カリウムは、カルシウムやマグネシウムと一緒に働いて血液をアルカリ性に保ち、血液の新陳代謝を盛んにする。また、ナトリウムと一緒になることで余分な塩分を排泄するので、疲労防止や高血圧予防に役立つ。

 ちなみにバーモント地方で行われているリンゴ酢療法の効果には、以下の6点が認められている。

 ①つわりには、グラス1杯の水に、リンゴ酢を茶さじ1杯加えて飲むと治まる。②慢性頭痛には、リンゴ酢と水を同量、容器に入れ、ストーブなどの上に置き、ゆっくり温める。湯気が昇り始めたら、顔を湯気に当てる。③咳止めには、グラスにリンゴ酢を茶さじ1杯、グリセリン酸カルシウム(薬局にある)を大さじ2杯、それにはちみつをグラス8分目くらいまで加え、よく混ぜる。これを咳のたびに舐めるといい。④めまいには、リンゴ酢とはちみつを茶さじ2杯ずつ混ぜ、水で割って飲むとよい。⑤リンゴ酢とはちみつを各大さじ1杯ずつをコップに入れ、水で薄めて、風邪をひいて喉が痛いときにうがいをするか、飲むとよい。⑥石けんで洗顔したあと、洗面器に半分の水を入れ、これらリンゴ酢とはちみつを各大さじ1杯ずつ入れて、よくかき混ぜる。これでもう一度洗顔すると、肌がすべすべして、化粧のりがよくなる。

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火曜日, 1月 24, 2006

杜仲茶について

○杜仲茶

 神農本草経に上薬として収載されている杜仲は、中国西南部原産トチュウ科の落葉高木トチュウの樹皮である。古くから不老長寿の高貴薬として珍重され、現代中国の医薬処方(中薬)にも用いられているが、樹皮とは別にの葉の部分にも薬効が期待され、健康素材として利用されてきた。

 中国や韓国では古くから杜仲の若葉を干して煎じたものが、保健用のお茶として民間で飲まれてきた。わが国では20数年前に長野で栽培がはじめられた経緯があるが、やや間を置いて、杜仲の葉の成分が痩身効果のほか、皮膚細胞の結合組織であるコラーゲンの新陳代謝を促進する(若返り・美容にも効果)とする高橋周七(日大薬学部)の研究発表を気に、葉を用いたお茶タイプの製品が評判を得た。入手しやすさ、手軽で味もなじみやすく、副作用の心配がないことが強調された点も、杜仲茶が広く歓迎された要素であろう。

 減肥効果を調べた高橋のラットを用いた実験では、高脂肪・高コレステロール食餌育のラットを2群に分け、片方のグループにだけには杜仲茶抽出エキスを与えて35日間飼育した結果、杜仲茶を与えなかった組に比べて杜仲茶グループは、腹腔脂肪がやく35%、血清の総コレステロール値が20%、中性脂肪が約70%(肝臓組織内の中性脂肪は約50%)それぞれ少ないという結果が得られた。これは、数回繰り返し実験しても同様の結果であったと報告されている。

 有効成分としては、リグナリン化合物のピノレジノールジグリコシド、イリノイド化合物のゲニポシド酸などの配糖体が顕著な作用を持つと考えられており、これらには血圧調整作用が記憶力の減退を予防し、性行動を旺盛にする働きがあることなども、東京大学薬学部の研究グループらによる動物実験などで解明されている。

 また、1994年には佐々木有(国立八戸工業高専)らによって、7人の女性被験者に杜仲茶を飲ませた結果、発ガンのイニシエーション抑制作用(細胞の突然変異抑制作用)が確認された。これは、杜仲茶飲用、非飲用の2グループに対し、同じ加熱蛋白食を与える前後の尿から得た試料を細菌に作用させて変異原性を調べたもので、杜仲茶飲用がガンの1次予防に有効性を示す実験として注目された。

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月曜日, 1月 23, 2006

柿の葉茶について

○柿の葉茶

 柿は奈良時代に中国から渡来したもので、古くは柿の葉、柿シブ、ヘタ、花などがそれぞれ民間薬として珍重されたため、一部には「柿の実が赤くなれば、医者は青くなる」という言い伝えもあったほど。この柿の葉が健康食品の一つとして注目されるようになったのは、生葉100g中1000mgものビタミンCの含有量がわかってからである。この量は、パセリの5倍、レモンの20倍、ホウレン草の10倍というように、他の野菜とは比べ物にならない量である。

 ビタミンCは、壊血病の予防、治療に効くほか、体細胞をつなぎ合わせる大事な働きを持つコラーゲン(細胞間物質)の体内合成に不可欠である。コラーゲンが不足すると、血管をはじめ体中の細胞や組織がもろくなり、脳内出血の一因にもなる。歯茎の出血や皮下出血(内出血)はコラーゲン不足の初期症状である。

 ビタミンCは熱に弱く、生のままでないと摂取しにくい栄養素であるが、柿の葉にはビタミンCになる一歩手前のプロビタミンCの形で含まれており、そのために熱に強く、柿の葉茶として加熱して飲んでもほとんど壊れないので効果的である。土本重(広島土本病院)は、薬剤のビタミンCを使用しても歯ぐきの出血が止まらなかった入院患者に、1日当たり80gの柿の葉茶を1.8Lの熱湯で浸出させ、これを3日間連続投与したところ、ぴたりと止血したと報告している。

 柿の葉にはビタミンC以外にフラボノイドのケルセチン誘導体が存在し、これらの成分に血圧上昇物質アンジオテンシンⅡの生成を抑える作用(アンジオテンシンⅡ変換酵素阻害作用)が認められている。これは、古くから柿の葉茶が高血圧に良いとされてきた伝承が実験的に裏付けられたものであり、今後の臨床的効果に期待がもたれるところである。

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日曜日, 1月 22, 2006

メロン・グリアディン複合エキス(オキシカイン)

○メロン・グリアディン複合エキス(オキシカイン)

 メロンは、抗酸化酵素のSODを豊富に含む果実の一つだが、中でも南フランス・アヴィニョン地方で、栽培されているヴォークルシアン種は、普通のメロンと比べて抗酸化力が格段に強いことが知られている。収穫したメロンは、普通は4日目で形が崩れてくるが、同種のメロンは1週間以上放置しても形が崩れず、みずみずしさを保っている。この抗酸化力に着目して特別に品種改良したメロンから抽出したSOD成分を、小麦抽出物のグリディアン(小麦タンパク)でコーティングしたものがメロン・グリアディン複合エキスである。グリディアンでコーティングすることによってカタラーゼ、グルタチオンペルオキシターゼを誘導・産生する働きがある。

 この複合エキスはフランスで開発され、オキシカイン(素材品名)として各国へ輸出されている。臨床試験や作用気序については仏ルイ・パスツール研究所、フランス原子力庁、英ロンドン大学、米UCLAが協力して実施しており、①老化、②肝機能障害(肝硬変、C型肝炎)、③脳機能障害、④血液・循環器障害、⑤免疫不全、⑥、皮膚炎症、などの予防・改善に効果のあることが認められている。フランスの放射線治療の専門家フランソワ・バイエは、この複合エキスを使った動物実験で、放射線の副作用による皮膚の繊維化、唾液の分泌困難などが緩和されたことを報告している。

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土曜日, 1月 21, 2006

八つ目うなぎについて

○八つ目うなぎ

 八つ目うなぎは海峡で、目は2つしかないが、目の後ろにエラ穴が7個並んでいて一見すると8つもあるように見えるのでこの名がついたようだが、うなぎ(うなぎ科)とは違ってヤツメウナギ科に属する。夏バテを防ぐスタミナ食として良く知られているうなぎ以上に、八つ目うなぎは強力なスタミナ食、また夜盲症などに効く食品として古来珍重されており、食用というより薬用としての評価が高い。

 その栄養的特徴は、生のものでも100g中のビタミンAが8200ugと、まさにうなぎの3.5倍も含まれている。さらにタンパク質も15.8g、脂肪21.8gと良質のものが豊富である。そのほか、鉄2mg、ナイアシン3mg、皮の部分にはビタミンB1が多く含有されている。

 こうした栄養素の中で、特に有効性が認められているのがビタミンAである。Aの効用として、最初に知られているのが夜盲症の治療効果であるが、Aは夜盲症に限らず、目の網膜や粘膜が乾燥するのを防ぐ働きがあり、うるおいのある生き生きとした目を保つ効果がある。

 近年の研究では、ビタミンAがガンの治療予防に非常に効果を発揮するものとして報告され、注目を集めている。その効用として、動物実験では発ガンまでのガン細胞の成長期間(プロモーション期)を長引かせる抑制効果が認められている。また、国立がんセンターが行った疫学的な研究報告によると、ビタミンAを多く摂っている地方の人には子宮ガンが少ないという調査報告が出ている。たとえば、Aを1日1800~2000IUも摂っている東北・北陸・関東では子宮ガン患者は少なく、1日1200IUの九州・四国地方には患者が多かった。

 ビタミンAは、ガン予防の他にも、上皮細胞(体の表面や内腔にある皮膚や粘膜など)を形成する栄養成分であるとともに、体の各機能を調整して抵抗力をつけるという重要な作用もある。つまり、ガン予防を含めて、皮膚や粘膜の健康のためにビタミンAは皮膚や粘膜の健康のためにビタミンAは必要な栄養である。

 ビタミンAの所要量は、成人1日当たり男性が600ug、女性が540ugなので、干した八つ目うなぎであれば1日に10gを食べれば、十分に満たせることになる。最近の野菜はビタミン類の含有量が減少しているので、八つ目うなぎは実に貴重な栄養源である。スタミナ増強だけでなく、日常の健康増進に役立つ健康食品として、ぜひ常用したいものの一つである。

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金曜日, 1月 20, 2006

カバノアナタケ(チャーガ)について

○カバノアナタケ(チャーガ)

 チャーガはタバコウロタケ科のキノコで、カバノアナタケとも呼ばれる。カバナタケ、白樺茸という異名もある。白樺や岳樺などカバノキ科の木肌の割れ目に寄生して菌糸を伸ばし、木質を腐食しながら菌核を形成する。菌核は石炭のようになり、大きなものは10kgにも達する。国内では北海道とごく一部の高山にしか育たない。人工栽培はできないが、菌糸培養は成功している。チャーガと同じ菌核には、漢方薬の茯苓、雷丸、猪苓などがある。ロシアの作家ソルジェニツィンのガン病棟には、このチャーガが登場し、ガンの抑制効果に触れられている。

 チャーガについての薬理研究はまだ少ないが、チャーガの抗腫瘍活性の多くが免疫賦活作用と関連していることから、エイズウイルス(HIV)に応用する研究が進められている。チャーガの抗HIV作用は、感染細胞とウイルスの両方へ作用してもたらされると考えられている。日本農芸化学会1998年度大会で、工技院生命研/北海道食加研らのグループが「カバノアナタケ由来の水溶性リグニン様物質によるHIV-1プロテアーゼの阻害」を発表している。

木曜日, 1月 19, 2006

アラビノキシランについて

○アラビノキシラン

 いわゆる健康食品、機能性食品の中には、医薬品に肉薄する内容を持つものも多いが、このアラビノキシランも良く管理された操作を経て米糠から分離抽出されたヘミセルロースを、さらに酵素反応によって変性させて得られた機能性多糖の一種である。

 食物繊維は難消化性でカロリー源にはならないが、生理活性物質として嘱望される成分で、種類も多岐にわたるが、いずれも腸管におけるコレステロールの再吸収を阻害することにより血中総コレステロールの低下、また、胆汁液の排泄促進作用により悪玉コレステロール(LDL)の低下に寄与することが認められているとともに、食事による血糖値の急激な上昇を抑えて糖尿病の治療を容易にしたり、食餌性の有害物質を吸着除去して発ガンなどの疾病を予防するなどの効果が広く認識されるようになってきている。そしてそのような直接的な効果に止まらず、体内に取り込まれたある種の食物繊維が免疫増強作用(BRM)を発揮することも明らかで、一例としてマンネンタケやシイタケなどのキノコやビール酵母の細胞壁成分(β-1-3グルカンなど)の働きは良く知られている。

 アラビノキシランはアメリカの免疫学者マンドー・ゴーナムらの協力を得て、消化管から吸収されやすい比較的低分子の食物繊維である米糠のヘミセルロースB(米糠1kgに3~5g含有)を素材に、シイタケ菌の培養濾液中に含まれる酵素複合体を反応させるという修飾方法がとられ、これによって本来のヘミセルロースの複雑な基本構造を損なうことなく反応性を高め、免疫賦活性を与えることに成功したものである。

 この生理活性物質の抽出技術の確立は、1995年3月のことで、以後本格的な基礎試験が開始され、多くの動物実験や実際にガン患者への経口投与することなどを通じて、顕著なNK細胞活性の向上が認められ、さらに免疫作用をつかさどるリンパ球のT細胞やB細胞の活性も高まるため、細胞性免疫機構が活性されて間接的に抗原の活動を抑制すると同時に、アラビノキシラン自体がガン細胞の増殖を直接的な抑制することもわかってきている。しかも、水溶性で摂取しやすく、副作用がないという特長を備えていることも見逃せない。

水曜日, 1月 18, 2006

玄米酵素について

○玄米酵素

 玄米は生きた米といわれる。これは、精製した白米には発芽する能力がないことに対する違いを、端的に表現した言葉である。例えば、玄米に水を与えれば発芽するが、白米は腐敗してしまう。これは胚芽部がついているか、いないかによる。そしてこれが玄米と白米の栄養価の違いともなるわけで、玄米は特にビタミン、ミネラルが豊富に含まれていることで良く知られている。

 酵素の働きについては良く知られているが、例えば消化酵素は、人間が食べ物を食べ、消化・吸収・分解・合成されて、体の細胞に必要な物質となる。その間の過程で、何十、何百という酵素に媒介されている。どの酵素がなくても、人間の代謝機能に大きな穴をあけることになり、その結果、不調や病気を招く要因ともなる。

 そこで、その代謝機能の促進と玄米の栄養を吸収しやすくしたのが玄米酵素である。玄米酵素とは、玄米の栄養素である胚芽に、純粋な蜂蜜を加え、それに麹菌を使って発酵させ、人体に必要な酵素を積極的に培養強化したものである。酵素は熱に弱いので、製造の乾燥段階で低温乾燥を用いなければ、せっかくの酵素も分解してしまい、何の役にも立たなくなってしまう。

 こうした作られた玄米酵素には、玄米胚芽の豊富な栄養素とともに、数十種にも及ぶ活性酵素群が含まれている。特に、有用性の高い酵素生産菌といわれるアスペルギールス、オリーゼ菌(麹菌)が、胃腸内に置いて糸状菌となり、さらに数多くの酵素を生産し、その酵素が血液中に入ると体の組織や細胞の働きを高めたり、各種ホルモンの生成なども促進し、健康の増進に役立つといわれている。

 酵素科学は現代の際先端技術の一つであるが、これは逆にいえば、未解明の分野ともいえる。今ようやく酵素の重要性も広く再認識されるようになり、玄米胚芽の豊富な栄養を酵素を用いてより有効に利用できるようになったことは、健康づくりにとって有益なことといえる。

 玄米酵素の含有成分をみると、粗タンパク質が15.41%で、各種アミノ酸や酵素が豊富である。粗脂肪も植物性脂肪が26.6%と多く、バランスのよい食品といえる。そのほか、ビタミン類は100g中に、B1・2mg、B2・0.6mg、E65.8mg、ナイアシン(ニコチン酸)46.7mgなどが含まれている。

 玄米酵素は、こうした栄養成分とともに、各種の酵素の効用を利用できるところが大きい。これらの働きは幅広く、体の新陳代謝を活発にするため、体質の改善、健康の増進に優れた効果を発揮する。

火曜日, 1月 17, 2006

サンザシ(山査子)について

○サンザシ(山査子)

 山査子(山楂子とも)は漢方薬の平胃散や緒苓湯に加味される生薬としてよく知られているが、18世紀前半に朝鮮半島から薬用植物として渡来以来、日本ではもっぱら観賞用の庭木として定着した。バラ科の落葉性低木で、複雑に枝分かれして棘が多い。春先に短い小枝の先に白い梅の花に似た小花をつけたあとに、直径2cmほどの球形の実がなり、秋に赤または黄色に色づくが、この果実は桃のように子房が肥大したもの(真果)ではなく、子房以外の萼や花托が発達したもので、偽果と呼ばれるものである(リンゴやイチゴも同様である)。

 漢方薬では山査子の成熟した果実を乾燥させたものを、健胃・整腸・消化・駆瘀血(古血を除くの意味)、鎮静薬として用い、胃や腸の出血には黒焼きにした山査子炭を用いている。

 薬用成分としては、ケルセチン、アントシアニジン、オレアノール酸、クエン酸、クラテゴール酸、フラボノイド、タンニン、サポニンなど多彩であるが、薬理テストでは①血圧をゆっくりと持続的に下げる作用(血管拡張作用)、②赤痢菌や緑濃菌に対する抗菌作用、③血中コレステロールを低くする作用、④降圧作用及び強心作用、⑤胃液の分泌を促進する作用、⑥月経痛や産後痛を癒すなどが認められている。

 調理では、肉類を煮るときに山査子の実を数個入れると肉が柔らかくなるといい、また、煮魚に加えれば毒消しになるといわれている。民間的な使われ方としては、完熟寸前の果実を採って、日干ししたものを煎じて飲むと(果汁そのままでも良い)二日酔いに効く。また、成熟した山査子の実500g(種子を除く)に対して、氷砂糖200g、1.8Lのホワイトリカーを加えた山査子酒は健胃・整腸によい。

月曜日, 1月 16, 2006

メシマコブ子実体について

○メシマコブ子実体

 池川らによるキノコの抗腫瘍活性比較研究でメシマコブ(子実体)は非常に高い数値を示した。しかし、野生のメシマコブは極めて入手困難であったために、その成果を広く世に問うことができず、メシマコブ子実体は幻のキノコとして長く埋もれてしまうことになるわけである。その間、韓国ではメシマコブ菌糸体の培養技術が確立したが、成分的にみて、培養菌糸体と子実体とは異なっている。天然メシマコブと同系の、すなわち子実体の人工栽培はどうしても必要であり、それを得ることが急務であることは周知の事実であった。しかし、子実体人工栽培の難しさに多くの研究者、企業の挑戦は跳ね返され、メシマコブ子実体の人工栽培は実現不可能の様相すら見せていた。

 「栽培ができないのなら天然物を探せばいい」という逆転の発想で、天然メシマコブ探しを始めたのはツムラグループの日本生薬だった。絶滅かといわれている日本と違って、漢方の故郷である中国なら天然メシマコブがあると、中国全土に探索の手を伸ばした。そしてメシマコブとして流通している10数種に及ぶキノコ(いわゆる桑黄)を集め、ツムラの漢方生薬研究所で同定を行った結果、真正メシマコブの同定に成功し、業界で大きな話題となったのはまだ記憶に新しい。

 人工栽培の成功は20001年の春、長野県松本市からもたらされた。当地で長年、各種の薬効キノコの人工栽培に取り組んできた企業サイシンが、約10年間の試行錯誤の末、メシマコブ子実体の人工栽培に成功、S-ME菌と命名され、周年栽培が可能となったのである。同年の秋からは生産体制も整い、メシマコブ子実体のきざみが出荷されるようになった。この人工栽培の成功によって、メシマコブの新時代が到来するものと期待されている。

日曜日, 1月 15, 2006

メシマコブ菌糸体について

○メシマコブ菌糸体

 メシマコブ菌糸体培養技術を完成させた韓国では、その薬理研究が産学協同で進められ、開発された製剤は1993年に韓国政府から抗ガン剤の認可を受けた。そしてこの開発研究は韓国内で高く評価され、兪益東(韓国生命工学研究所)は98年度の茶山技術賞を受賞している。

 開発に当たり韓国では既に90年ごろから多数の薬効研究が発表されているが、兪益東も携わった著名な研究として、抗ガン剤(抗ガン性抗生物質)のアドリアマイシン(ADR)を併用した比較実験がある。これはまず無菌マウスに黒色腫(メラノーマB16F10)を移植後、①メシマコブ菌糸体の熱水抽出物(以下、エキスと表記)を100mg/kg、②ADR(0.1mg/kg)、③エキス+ADRを投与すると、対照群(無投与)は20日後に、①と②は40日後に生存率0となったが、③の併用グループは60日後の生存率が40%であった。

 そこでADRを3倍濃度の0.3mg/kgに増量すると、②のADR単独投与では60日後の生存率が20%に向上、③のエキス併用では、60日後の生存率が90%にも達したのである。

 抗ガン剤と相補的に作用することを実証したこの実験成果は、現実的なガン治療にとって極めて有益であり、順次こうした研究成果が報告されていったことから、安全性のチェックを経て医薬品に認可されたのである。さらに細菌の兪らによる研究では、自家免疫疾患が一因となるインスリン依存症(Ⅰ型)糖尿病を持つマウスに対しても、メシマコブ菌糸体エキスは血糖値を正常にし、発病を抑制する効果を示したことも発表している。この培養菌糸体エキスはわが国への導入され、多くの基礎研究や臨床報告が行われている。

土曜日, 1月 14, 2006

メシマコブについて

○メシマコブ

 メシマコブは担子菌類タバコウロコタケ科キコブタケ属のキノコで、メシマコブという和名は男女群島(長崎県)の女島に多くの野生株が見られたことに由来する。桑の古木に寄生して、コブ状から次第に扇状に育ち、通常は傘の直径が8~12cm、大きなものは30cmを超えるほどにもなる。傘の裏側(地面側)が黄色いところから、漢方の古典・本草綱目に桑黄の名で収載されているものが、このメシマコブだとされている。

 わが国のキノコ薬効研究の黎明期に当たる1968年、めぼしい薬用キノコを集めて行われた池川哲郎(国立がんセンター研究所)らの抗腫瘍活性比較研究で、メシマコブは非常に高い数値を示した。この研究に触発された医師の山名征三(広島・西条病院)は、患者の協力も得てその優れた抗腫瘍活性を確認したが、野生のメシマコブは極めて入手困難であったために、その成果を広く世に問うことができなかった。その後も野生の桑の古木は減少、人工栽培も困難で、メシマコブの入手難は改善することがなかったが、ここにきて事情が一変した。韓国でメシマコブ菌糸体の培養技術が、日本でメシマコブ子実体の人工栽培がそれぞれ完成したのである。

金曜日, 1月 13, 2006

アマチャヅル茶について

○アマチャヅル茶

 アマチャヅル(甘茶蔓)はウリ科の多年草蔓草で、日本のどこにでも、特に産地やヤブ際などに生えている。有名になるまでは雑草としてみられて、ほとんどかえりみられなかったのであるが、1977年、徳島文理大学薬学部の竹本常松が日本生薬学会で発表したのがきっかりとなり、にわかに脚光を浴びた。

 竹本の研究によれば、アマチャヅルには薬用人参と同じ有効成分があるとされる。抽出された成分は50種以上のサポニンで、そのうちの4種類が薬用人参と同じ構造をもつジンセノサイドで、中枢神経に対して鎮静作用と興奮作用の双方に作用する効果を持っている。そのほかのサポニンは、全く新しく発見されたものばかりで、これら新種サポニンの薬理効果については研究が続行されているが、その成果の一つとして、ラットへの高ショ糖食の長期摂取によって引き起こされる高脂血症がアマチャヅルサポニンの投与によって、予防できることが報告され、さらに血小板からの血栓誘発物質であるトロンボキサンA-2生成を抑制することも報告されている。

 アマチャヅルサポニンは鎮静作用として働くものの方が多く、興奮作用に働くものは、ほとんど見出されていないことから、アマチャヅルは、ストレスの多い現代時にとってまことにタイムリーな出現といえよう。ストレスが引き起こす障害は枚挙にいとまないが、それらの障害はこのアマチャズルの鎮静作用によって、ほどよく解消されそうだ。

 ちなみに、これまでの体験例などからその有効と思われる病気をあげてみると、胃痛、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、便秘、下痢、偏頭痛、神経痛、肩こり、腰痛、気管支炎、喘息、高血圧、低血圧、糖尿病といった病気があげられる。リウマチや白髪に効くという例もある。

 要するに、ストレスによって惹き起こされる全ての症状に対して、プラスに働く可能性が高い。他の例と同じく臨床的にはっきりした裏づけが取れないものもあるが、服用者が自覚症状の消失・軽減を証言していることを無視するわけにはいかないだろう。

 アマチャヅルという名のとおり、糖質が多いため甘みがあり、子供でも抵抗なく飲めるところがいい。一家揃って飲む健康茶として推賞できる。ティースタイルで服用する商品が多数売り出されているが、自宅のプランターなどで手軽に栽培したアマチャヅルの葉や茎を切り分け、天日に生乾きに乾燥させて、細かく裁断し、さらに日陰でカラカラに干しあげれば、自分で作ることができる。それに熱湯を注いで、お茶のようにして飲む。

木曜日, 1月 12, 2006

玄米酢について

○玄米酢

 酢の歴史は古く、酒が保存中いつの間にか強い酢に変わったことに始まる。そのため、平安時代には酢のことを「からさけ」「苦酒」」などと呼んでいた。酢づくりの製法は、応神天皇の時代に、酒の醸造法と相前後して、和泉の国(現在の堺あたり)に伝えられたといわれる。その後、江戸時代になって、相模(神奈川県)の中原、駿河(静岡県)の善徳寺、尾張(愛知県)の半田などにも伝えられ、これは日本伝統の米酢であったようだ。また、中国の米酢醸造法が九州南部に伝えられたという歴史もある。

 天然玄米酢は、原料となる玄米の優れたタンパク質のおかげで、醸造酢の中でもアミノ酸含有量が特に多い。ある純粋米酢の分析表によると、必須アミノ酸8種をはじめアミノ酸18種が含有され、他の食品に勝っている。玄米の栄養が、しっかりと酢に生きているわけで、そのため純粋米酢の中でも天然玄米酢は、貴重な健康食品として広く認知されている。

 とくに100%純粋の天然玄米酢の効用は、血液浄化作用にある。また別のデータでは、最大血圧はもちろんのこと、最小血圧をも下げる神秘的な血圧調整作用があると報告されている。また、外科手術時の出血とともに血糖値上昇を引き起こすことは臨床医が経験するところであるが、愛媛大学医学部の奥田拓道らによって、これらの減少がラットの実験において証明され、その際、細胞間質液のphが低下し、インスリンが作動できないことによって高血糖が引き起こされることが明らかにされた。そして、このような細胞間質液のph低下に対し、天然玄米酢は改善効果を示すことが解明された。

 現代人に多い生活習慣病の原因としては、動物性脂肪や塩分、砂糖などの摂り過ぎが指摘されているが、それによって血液中のコレステロールや中性脂肪、乳糖、焦性ブドウ糖(ピルビン酸)などが増え、血液に粘りが生じて毛細血管への通りが悪くなる。こうした状態の血液を漢方医学では?血といい、それが基本原因となると考えられる。

 天然玄米酢には、赤血球の細胞膜を安定させるとともに、血管壁の細胞を軟化させる働きがある。さらに、豊富なアミノ酸が血液の粘りを解消する作用もあり、体の各細胞や機構を活性化することにより、血圧を下げると考えられている。?血がとれれば、高血圧や動脈硬化はもちろん、多くの生活習慣病の予防などにも有効性を発揮することが期待される。

 なお、この天然玄米酢、または天然米酢を見分けるには、これらの原材料表示は「米、麹、水」であるが、合成酢は「米、アルコール、酒粕」となっている点に注意することである。

水曜日, 1月 11, 2006

蜂蜜(ハチミツ)について

○蜂蜜(ハチミツ)

 蜂蜜は、蜜蜂(働き蜂)が花蜜を採集し、大顎腺から分泌する酵素(α-グルコシターゼ)の作用によってそれを変化させ、熟成させたものである。花蜜にはショ糖が5~40%含まれ、このショ糖が花蜜の甘さを形成しているが、蜜蜂の酵素はショ糖を分解してブドウ糖と果糖の混合液に変える。この混合液が蜂蜜である。

 蜂蜜の成分をみると、水分20%、ブドウ糖40%、果糖40%である。甘さは花蜜に比べて格段に強い。その理由の一つには、果糖はショ糖に比べ約5倍の甘みを持っていること、もう一つは水分が少なく、糖分が濃くなっていることだ。花蜜は普通の水よりも比重が重いくらいで、蜜蜂が巣に持ってきたときには約1.1に濃縮された状態にある。これをさらに働き蜂は蜜房に自らの羽で風を送ることによって1.33~1.5という非常に高い濃度に濃縮してしまう。同時に、もう一つの酵素グルコースオキシターゼの作用で、ブドウ糖が低phのグルコン酸に変わり、そのとき過酸化水素が発生するが、それらがこの濃度の高さとともに殺菌作用ともなって、理想的保存状態が保たれるわけである。

 果糖は甘さの原因であるとともに、蜂蜜の有効性を示すものである。ショ糖(砂糖も同じもの)は体内で一度分解しなければ吸収されないが、果糖はそのまま吸収され、エネルギー源となる。デンプンやショ糖など炭水化物は順々に消化され、やがて果糖類とブドウ糖に分解されエネルギーとなるのであるが、この消化・分解の過程を経ずエネルギー化できる果糖は、疲労回復等に有効で貴重な即効的栄養源である。

 そのほか栄養成分も、たんぱく質、ミネラル、ビタミン類をバランスよく含み、かつ酵素や花粉体、アセチルコリン、抗生物質なども含有し、全体として栄養価の高いものとなっている。

 蜂蜜は果糖を中心とした総合的な栄養食品で、下記に列挙するような多くの効果を発揮する。

 ①疲労回復効果。ブドウ糖、果糖には栄養増進、強心、利心、利尿、解毒などの作用があり、糖類の中で最も早く吸収されるため、尿酸の分解作用とともに、疲労回復に役立つ。②乳幼児の栄養。砂糖のように体内のカルシウムを損なわず、胃腸に負担をかけずに吸収されるので、骨や歯の発育に良い。また、腸内の細菌を防ぐ、ビフィズス菌を繁殖させる力が強く、乳幼児の栄養として最適。③生活習慣病に有効。蜂蜜中のミネラルは、コレステロールを除き、血液をアルカリ性に保ち、内臓の働きを活発にし、心臓病などに有効性を発揮する。さらに肥満防止、脳卒中、貧血、前立腺肥大の予防効果もあり、不眠症、頭痛、神経痛などによく効く、ガンや潰瘍の進行を防ぐ効果も期待されている。豊富なビタミンB群、パントテン酸の作用で老化防止、美容効果も高い。

火曜日, 1月 10, 2006

ヤーコンについて

○ヤーコン

 ヤーコンは、キクイモによく似たキク科の多年草で、南米アンデス地方が原産。草丈は1.5~2mで黄色い花をつける。地下に1つ200gくらいの、サツマイモによく似た塊根ができるが、現地ではこの部分を食用イモの一つとして利用している。別名アンデスポテトと呼ばれる。

 食用にされる塊根は多汁で甘みがあり、皮をむいて生で食べると梨のような歯ざわりがある。きんぴらごぼうのように炒め物にしたり煮物にしても良い。日本にはニュージーランド経由で昭和の末期に導入されたが、日常的な食材としては普及しなかった。

 ヤーコンが最近になって注目され出したのは、腸内細菌のバランスを整え、コレステロールを低下させるフラクトオリゴ糖の含有量が驚異的に多い(乾燥物で67%)ということである。また、キクイモと同じように難消化性多糖のイヌリンが含まれている。サツマイモやジャガイモに多いデンプンは含まれていないため、低カロリー食品でもある。

 フラクトオリゴ等は、ショ糖に1~3個の果糖(フルクトース)が結びついたオリゴ糖の一種で、天然にはヤーコンのほか、ゴボウ、アスパラガス、ニンニクなどの野菜類に含まれているが、現在ほとんどは、ショ糖に果糖転移酵素を作用させて工業的に生産されている。フラクトオリゴ糖には大腸内のビフィズス菌の増殖を促し、便秘、高脂血症の改善の他、血糖値の抑制、老化防止、ミネラル吸収促進などの効果が認められている。このため肥満や動脈硬化の予防につながる低カロリー甘味料、虫歯の心配のないネオシュガーの素材として広く利用されている。

 天然フラクトオリゴ糖のかたまりともいえるヤーコンを使った健康食品としては、ヤーコンジュースやヤーコン茶がある。

月曜日, 1月 09, 2006

小麦胚芽油について

○小麦胚芽油

 小麦胚芽油は天然ビタミンEが豊富に含まれていることから、老化防止や美容に役立つ健康食品として広く利用されている。

 ビタミンEが医学的に注目されたのは1936年のこと。ネズミに牛乳だけを与えていると生殖能力が衰退してしまうが、これに小麦胚芽油を加えて与えると繁殖力が回復した、という実験結果にヒントを得て、アメリカのエバンスが小麦胚芽油に含まれている有効成分を研究、発見した物質にトコフェロール(子供を得られるアルコール)と名づけた。この成分がビタミンEで、そのためセックスビタミンともいう。

 その効果は生殖機能の回復だけでなく、抗酸化作用があるため体細胞の老化や生命それ自体に深く関わりを持ち、例えば細胞膜に含まれる酸化されやすい不飽和脂肪酸などが酸化されて、生理活性の減退、細胞の老化を早めることになる。また血球膜が弱まってくると、赤血球が破壊されるようになる。また、細胞膜や血球の膜の劣化が原因となって、筋肉の萎縮とか皮膚炎、肉体の老化などを招くことになる。Eは、これらを予防するのに欠かせない栄養である。生活習慣病に組み入れられる疾病の多くは肉体の老化を主要因にして起こるが、Eはその予防に有効性を発揮するわけである。

 小麦胚芽油は特にビタミンEの含有量が多く、8種のトコフェロール異性体(α型、β型など同じ種類だが少しずつタイプが違うもの)もバランスよく含まれ、天然ビタミンEの複合体とも呼ばれている。近年は重金属などの毒性物質の害を防御する働きも指摘されている。

 小麦胚芽油には、大きく分けて次のように働きがあることになる。

 ①若さを保ち、成人病を予防する効果。すなわち、ホメオスタシス(恒常性維持)の増強。天然ビタミンE複合体には、性ホルモン、黄体ホルモン、さらには副腎皮質ホルモン等のホルモン分泌を活発にさせる働きがある。②細胞分裂を倍増し、体を細胞から若返らせ、それが細胞の寿命を延ばす結果、ガン予防にもつながっている。③体内脂質の酸化を防ぐ。体細胞の細胞膜の脂肪酸が酸化して細胞が傷つくことを防ぐため、老化予防に大きな効果がある。またDNAが酸化されて傷つき、細胞がガン化するのを防ぐ。④体内の酸素を十分に保ち、体力が向上する。⑤血行を良くし、貧血を治し、健康美を作る。⑥微小血管にバイパスを作り、動脈硬化を予防する。脳卒中は脳の微小動脈の硬化によって動脈から静脈に血液が返りにくくなることでも起こるが、この微小血管に故障が起きたとき、それに代わるバイパスを作る機能を促進するのも天然ビタミンE複合体である。⑦いくら摂取しても副作用の心配がない。

 また、小麦胚芽油の中から発見されたオクタコサノールは、長い炭素の直鎖を持ったアルコール鎖(ほかにトリアコンタノール、ヘキサコサノールなどがある)の一つであるが、オクタコサノールは運動時におけるスタミナや耐久力の向上、酸素利用を高めることに著しい効果がある。これはすでに小麦胚芽油の効果として知られていたことであったが、1960年代に人を対象にその実験を行った米イリノイ大学のトーマス・クレトンによって、それがオクタコサノールによるものであることがつきとめられた。

 その効果を要約すると、運動耐久性の向上、血中コレステロールの減少、酸素利用の改善、運動後の筋肉痛を防止するなどである。それは同時に筋肉神経性の障害にも有効であることを物語っており、筋肉萎縮などの治療にも実際に使われている。仕事や運動で疲れやすく、耐久力のない人、筋肉痛を起こしやすい人には、きわめて効果の高い栄養補助剤である。

日曜日, 1月 08, 2006

カルシウムについて

○カルシウム

 日本人の平均的栄養摂取量の増大にもかかわらず、カルシウムと鉄分だけは決定的に不足しているとの警告が発せられて久しく、とくに近年はカルシウム不足による骨粗鬆症に強い関心が寄せられている。現状は厚生労働省が1日所要量を600~700mg(成人)としているのに対し、統計によれば530mg近くを摂るようになってきているのであるが、アメリカでは1日所要量900mgを推奨しており、それを1000mgにするべきだという意見さえあるといわれている。それに従えば、日本人の平均的現状はやっと必要量の半分弱をカバーしているに過ぎない。なお、許容上限摂取量は2500mg。

 成人の体には体重の約2%のカルシウムがあり、その99%は骨格や歯など硬組織の成分として、リン酸塩や炭酸塩、フッ化物という形で存在し、残り1%は体液(ほとんどは血液で、わずかな量が細胞液など)の中にカルシウムイオンとして溶け込んで、生理機能を調節したり、あるいはタンパク質と結合した有機カルシウムとして一定濃度のバランスを保っている。そこで、カルシウムの摂取が少なく血中カルシウムが不足すれば、第一に成長期では骨格や歯の発達が阻害され、また高齢者では(ときに若年層でも)骨が周密さを失って軽石のようにもろくなる骨粗鬆症になる場合がある。骨に蓄えられたカルシウムが血液中に溶け出してしまうからである。そしてこの場合、骨から溶かし出すには副甲状腺ホルモン(パラソールモン)が働き、反対に女性ホルモン(エストロゲン)がそれを防ぐ働きをする。閉経後の女性が骨粗鬆症になりやすいのは、このエストロゲン不足になるからである。

 カルシウムの関与する生理・生命現象は、それ以外にも非常に多岐にわたっている。第一に、神経や筋肉の働きを活性化すると共に、無用な興奮状態を和らげるようにも働く。つまり、体の活動性のバランスを整えるのであるが、この調整機能は、さらに大きなスケールで体のホメオスタシス(恒常性の保持)を実現する上でも重要な役割を演じていることが明らかになっている。

 第二に、中枢神経を鎮め、イライラや過敏症を抑えてストレスを緩和させる。ストレスの蓄積から胃潰瘍になったりするケースは非常に多いが、カルシウムはストレスの緊張を解くように働くことで、この種の疾病を予防するのである。

 そのほか、血小板を活性化して、出血時の血液凝固をしやすくするとか、白血球やリンパ球の活性化、血中コレステロールを下げて動脈硬化や脳卒中を防ぐ、神経伝達物質の産生、ホルモン分泌の調整、多くの酵素の働きを助けることなどにも関与していることが明らかにされている。

 日本の多くの地域が火山灰土に覆われているため、土中にも自然水中にも(従って農作物中にも)カルシウムが少なく、そのために摂取量が不足しがちなのであるが、意識的にカルシウムの多い食物を摂る場合でも、カルシウムの吸収を促進する働きを持つビタミンDを一緒に摂るようにするとか、吸収されやすい形のカルシウムが含まれた食品を摂る、吸収を妨げるリンの同時摂取を控えるなどの注意も肝心である。

土曜日, 1月 07, 2006

紫イペ(タヒボ)について

○紫イペ(タヒボ)

 紫イペは南米アマゾンの熱帯雨林に植生するノウゼンカヅラ科の樹木で、タヒボともいわれる。学名は、タブベイヤ・アベラネダエ。紫色の花を咲かせる食虫植物である。現地では古くから、この内部樹皮を煎じたものがお茶として常用されてきた。また、消炎薬として傷の癒しにも使われたと伝えられている。

 近年、紫イペに関する薬理研究は抗ガン性という観点から世界各国で行われているが、1965年、イタリアのカルロ・エルバ研究所の実験で、紫イペの樹皮に含まれるラパコールという物質(色素成分)に抗腫瘍作用があることが解明された。ブラジルでも1960年代から、抗生物質研究者や植物学者らによる研究によって実験が行われ、抗ガン剤や白血病に対する効果が明らかにされている。また、分裂が盛んな細胞へ強い障害性を持つことがインビトロで確認されているほか、マウスを使った実験で、紫イペの長期摂取による肝障害は見られなかったという報告もある。

 最近は日本でも研究が活発になり、坂井俊之助(金沢大学がん研究所免疫生物部)の紫イペの疾病予防効果の研究や、、医師による臨床試験も精力的に行われている。ここでは、大森隆史(大森内科アレルギークリニック)の臨床報告を例にあげる。

 「C型肝炎から肝硬変、肝臓ガンにまで進んだ患者に対し、1回に0.5gの紫イペエキスを1日3回、毎食後に服用してもらった。これ以外の治療としては、肝炎のために肝臓庇護剤、ビタミン剤の投与だが、これらには抗ガン効果の期待できる薬効はない。紫イペを服用して1~2週間は特に自覚症状はなかったが、3週間後の血液検査で驚くような結果が出た。肝臓のガン細胞が作り出すアルファフェトプロテイン(AFP)という腫瘍マーカーが激減していたのである。さらに免疫力を示すNK細胞活性も増加していた。

 確認のために行った腹部エコー検査、腹部CT検査においても肝臓内のガン組織の縮小、大動脈リンパ節の縮小がはっきりとわかった。3ヵ月後には腫瘍マーカーはほぼ正常化し、肝臓内のガン組織を注射針で採取して顕微鏡で確認したが、ガン細胞は認められなかった。わずか3ヶ月という、非常に短い期間で肝臓ガンが縮小し、リンパ節への転移も改善したわけである。」

 大森はこの経験をきっかけに紫イペのガンの免疫療法をスタートさせ、以後も紫イペを利用してのガン治療は続いているが、この症例のように紫イペ単独の効果がはっきりとわかるデータは貴重なものである、と大森は述べている。

 また、「免疫療法でガンを治療する場合、数種類の物質を用いて行うため、もし治療効果があってもどの物質が一番効果的かどうかを判断することは不可能になる。その意味では、体験談で繰り返し報告されてきた紫イペの効果が、臨床場面でそれも単独の効果として客観的なデータで確認できたことに大きな意義があったと思う」としている。」

金曜日, 1月 06, 2006

トマト(リコピン)について

○トマト(リコピン)

 ナス科の一年草果菜で、南米ペルー、メキシコが原産。日本へは江戸時代初期、オランダ人によってもたらされたが、もっぱら観賞用にされ、明治時代に西洋の野菜として再登場してからも特有も匂いが好まれず、市場で扱われ始めたのは60年位前のことである。

 その後、品種改良が進み、近年では青臭さと酸味の少ないものが多くなった。生食、炒め物、煮物、、サラダ、ジュースなど、利用形態はバラエティーに富んでいる。

 ビタミンCが豊富で、ほかにもA・B1・B2・B6、ニコチン酸、K・P・葉酸、ルチンなどをはじめ、鉄やカリウムなどミネラル類も多い。ヨーロッパではトマトのある家に胃病なしといって肉食偏重の食生活にトマトが有益であるとしているのは、ビタミンB6の脂肪代謝作用を指している。微量成分のビタミンPやルチンは毛細血管を強化し、葉酸は造血機能を活性化し貧血を改善する。トマトの酸味のクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸などの有機酸によるが、これらは食物の体内での燃焼を促すので、気分爽快、疲労回復に役立つ。

 最近、トマトの赤い色素成分であるリコピンに注目が集まっている。リコピンはカロテノイドの一種で、トマト、スイカ、柿などに多く含まれ、強い抗酸化作用を持ち、ガン、脳卒中、糖尿病といった生活習慣病の予防に役立つことが明らかになっている。リコピンの抗酸化作用は、同じカロテノイドの中まであるβ-カロチンを凌ぐとさえいわれている。この色素成分がネズミの大腸ガンの発生を抑えることを秋田大学医療技術短大部や京都府立医大などのグループが確かめ、日本がん予防研究会(1997年)で発表している。

 また、環境汚染物質によって引き起こされる肺疾患に効果があるとの研究も報告されている。これは、米国で開かれた国際シンポジウム「トマト食品の役割と疾病予防」で発表されたもので、ビタミンC、Eに加え1日12オンス(約340ml)のトマトジュースを摂取した場合、2週間で肺におけるリコピンレベルが12%増加すると共に、活性酸素による肺細胞DNAへのダメージが20%減少したという。

 このほか、メリーランド大学のコーチックらの研究によると、リコピンは活性酸素が原因となる目へのダメージにも有効で、視覚機能の維持に重大な役割を果たしているという。高齢化による視覚障害に有効なカロテノイドとしてはルテインがあるが、リコピンもルテインとの相互作用になって目の疾病に大きな効果をもたらすとされている。

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木曜日, 1月 05, 2006

ウーロン茶について

○ウーロン茶

 ウーロン茶は痩せるお茶としてブームを作り、いまや一般飲料として完全に地歩を築いた。典型的な半発酵茶の茶で、いわば緑茶と紅茶の仲間のお茶である。烏龍の名は、発酵によって茶の葉は烏のように黒くなり、形の萎縮して曲がりくねり、龍に似ているためである。

 ウーロン茶の効用として、最もよく知られているのは脂肪分解作用である。中国料理は一般に高カロリー、高脂肪で知られ、特に宴会用のフルコースになると、その量の多さもさることながら、油っこい料理が相次いで出されるので、胃の負担も重くなる。そのためウーロン茶を料理の間に飲んで、消化を促進し、次の料理が食べやすくなるようにということで、利用したといわれる。

 現在わが国の食生活は、高カロリー、高脂肪の傾向が高まり、そのため肥満を招くケースが増えている。そこで、ウーロン茶を食中・食後に飲めば、脂肪代謝を促進して、肥満の予防に役立つ。このウーロン茶の作用は、食欲増進、消化促進に加えて、脂肪分をスムーズに分解し、過剰な脂肪分が体内に残らないように働きかけるもので、肥満の予防作用はその結果の一つに過ぎない。ウーロン茶の効用で大事なのは、食欲を増進する中で、体の栄養バランスを正常に保つよう働くことである。

 ウーロン茶には花粉症などアレルギーに効果のあることも最近の研究でわかっている。藤田保健衛生大学医学部とメナード化粧品との共同研究で報告されたもので、ウーロン茶に含まれているカテキン類がアレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑制するとみられている。緑茶や紅茶よりウーロン茶の方が改善効果が強く、特にウーロン茶の茎に含まれているカテキン類からは高い効果が得られたという。

 現在、わが国で販売されているウーロン茶は多種類あり、さまざまである。その中でも良質とされているのが福建省・武夷山に産する武夷岩茶(鉄羅漢など)と、同じく安溪に産する鉄観音である。茶は地質によってその品質も異なり、福建省の岩茶はミネラルを含んだ岩山で栽培されるため、かなり豊富にミネラル分を含んだアルカリ性食品でもある。

 また、ウーロン茶の発酵度は半発酵で、その製法には微妙な感覚が要求され、長年の経験が活かされている。発酵は生葉を粉砕せずに日光に当て、さらにその後、室内で葉を萎ませながら葉内の酵素活性を高める。この過程で、生葉中にはない香気成分(ネロリドール、インドール、ジャスミンラクトンなど)が発現するといわれている。

 半発酵のウーロン茶は、緑茶と異なる点も多く、これがウーロン茶の特徴で、例えばカフェインが少ない。また、緑茶の場合は「宵越しの茶を飲むな」といい、これはタンニンの解毒・殺菌作用が弱まるためであるが、ウーロン茶は解毒・殺菌作用が変質しないため、宵越しの茶としても飲める。さらに長期保存しても緑茶のように変質する心配は少ない、などの特徴がある。

ウーロン茶の商品一覧

水曜日, 1月 04, 2006

ザクロについて

○ザクロ

 ザクロ(石榴)はイラン、アフガニスタン近辺を原産地とするザクロ科の果樹で、球状の果皮が熟して不規則に割れると中の赤い種子が現れ、甘酸っぱいその実が食用となるが、漢方ではその果皮を石榴皮、または石榴殻と呼び、収斂、整腸、止血、駆虫薬とし、また口内炎や扁桃腺炎などにも用いてきた。花(石榴花)も止血の目的で、外傷や鼻血、月経不順などに使われる。ヨーロッパでは新鮮な樹皮や根の皮を煎じて条虫の駆虫薬とする民間療法があり、有効成分としてイソペレチエリンなどのアルカロイドやタンニンが見出されている。果実を絞った汁は、民間では口臭の除去や酔い醒ましなどにも用いられてきた。

 最近、このザクロが女性のための健康食品としてブームになっている。人気の秘密は、この果実に含まれる女性ホルモン様物質エストロゲンにある。エストロゲンは、女性の更年期障害と深く関わるホルモンで、若い内は体内で合成できるが、歳をとるに従って分泌量が次第に減少していく。その結果、のぼせ、ほてり、動悸、イライラ、頭痛、不眠といった更年期障害を引き起こすが、これらの症状はエストロゲンを補充することで改善される。また、女性に多い骨粗鬆症もエストロゲンの減少と関連があることがわかっている。

 天然の物質で女性ホルモン様作用を示すものには大豆イソフラボンがあるが、ザクロのエストロゲンは人のエストロゲンと化学構造が同じということで注目を集めた。含有量も高く、ザクロの種子には100g中17mgと、同じエストロゲンを含むナツメヤシの0.4mgに比べても格段に多い。エストロゲンは女性特有の症状だけ出なく、悪玉コレステロールを抑えたり、血管拡張作用によって動脈硬化を防ぐ働きもあり、男性にとっても効果が期待できる。

 最近では生のザクロも入手しやすくなっているが、健康食品として売られているのはジュースやゼリーなどである。ザクロ入りヨーグルト、ザクロ酒、食品以外ではザクロを使った育毛剤やシャンプーと、新たなザクロ商品も登場している。

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火曜日, 1月 03, 2006

はぶ茶(エビスグサ)について

○はぶ茶(エビスグサ)

 はぶ茶はエビスグサ(夷草)を原料とする健康茶である。エビスグサは北米原産のマメ科の一年草で、別名決明、ロッカクソウともいう。長さ15~20cmの豆果一つから30粒あまりの小豆大の種子が採れるが、これを漢方では決明子と呼び、種々の眼病、習慣性便秘、高血圧、肝炎、脚気、浮腫などに用いる。わが国ではこれを麦茶のように焙じてはぶ茶(波布茶)といい、健康増進と強壮、肝臓と腎臓を強くするとして愛飲するが、マムシ毒にも効くといわれ、これがはぶ茶の名の由来である。

 わが国へは17世紀に中国から渡来したといわれ、葉を決明葉と呼んで瀉下剤であるセンナの代用にしてこともあるが、それほどの作用がない。もうひとつ紛らわしいことに、同じマメ科の一年草にハブソウ(波布草)という類縁種があり、中国ではこれを地上部全草を望江南、種子を望江南子と呼んで、煎じて健胃・整腸、解毒などに用いる。

 さて、はぶ茶の効用について中国の古い漢方書では「エビスグサの種子(決明子)を煎じて飲めば、腎臓を強化する」と記し、「その葉を菜にして食べれば、五臓を律し目を明らかにする」など、さまざまな効能があるとしている。

 近年のその薬効成分も徐々に科学的に解明されるようになってきたが、その一つに、アントラキノン誘導体という有効成分がある。これは緩下、強壮、利尿などの薬効のほか、高血圧、胃弱などにも有効であることが知られている。

 一方、臨床的な研究も行われ、はぶ茶の具体的な効能も次のように判明してきている。

 ①便秘を治す。アントラキノン誘導体の緩下作用によると見られ、はぶ茶にハチミツを加えると、一層効果的である。また、決明子に大黄を混ぜて煎じた汁も便秘に効く。②胃腸病が治る。胃腸が弱くて煎じて痩せている人は、はぶ茶を飲むとよい。また、決明子20gにキハダ(黄柏)1gを混ぜた煎じ汁は胃弱に効果的で、キハダの変わりにゲンノショウコ(玄草)を混ぜて飲むと、胃潰瘍に効果がある。③目の疲れや充血を取り除く。はぶ茶に常飲し、またその汁で目を洗うと、目の疲れや充血がとれ、視力の衰えを防ぐのに効果がある。④腎臓病に効く。はぶ茶を飲むと水分が大便と共に排出され、腎臓の負担を軽くする。⑤口内炎に効果がある。口の中が荒れたり、舌が赤くただれたり、また乳児の舌が白くなったとき、3度ほど煮だしたはぶ茶を口に含むか、うがいするとよい。⑥そのほか、酒を多く飲んだ後に濃いはぶ茶を飲むと、二日酔いしない、はぶ茶とドクダミを同量ずつ混ぜて煎じると、高血圧に効く。はぶ茶は黄疸に有効性があり、ゲンノショウコを混ぜて飲むと、肝臓病、胆石症にも効果がある。などといわれている。

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月曜日, 1月 02, 2006

にがりについて

○にがり

 古くから日本の食塩は、苦味や湿気の原因となるにがり成分を少なくし、粗塩をサラサラした白い塩にする努力が払われてきた。それが大成功を収めたのは1971年、当時の日本専売公社(現・JT)によって全国的に実施されたイオン交換樹脂膜法による製塩である。これによって、海浜地帯での従来の塩田製塩法は影を潜め、工場で電気を使って、成分としては塩化ナトリウムの含有率が99.8%にも達する、文字通り純粋な塩が大量生産できるようになったのである。

 ところが、ここに問題が潜んでいたことが、今になって明らかになってきた。それは調味料としては邪魔だと除外されてしまったにがり成分の中に、人体にとって非常に重要な微量ミネラルが多く含まれており、その欠落が様々な病気を誘発しているのではないか、という指摘である。調べてみると、純度の高い化学精製塩が本格的に市場を占拠した1970年代以降、わが国では生活習慣病がどんどん増え、男女を問わず、若い人から熟年層にまで、直接的な原因はよくわからない、医者がてこずる病気で悩む人たちが増加しているのである。医学界では飽食、栄養の偏り、運動不足、ストレス、環境汚染など、いろいろな要因が取り沙汰されてはいるが、その背後に「欠陥のある精製塩が潜んでいた」と考えると、その因果関係も浮かび上がってくる。

 かつての塩には海水中の全成分でないにせよ、塩化ナトリウム以外の海の成分がたくさん含まれていた。海水の塩分は、その78%が食塩(塩化ナトリウム)で、残る22%には塩化マグネシウム(9.5%)、硫酸マグネシウム(6%)、硫酸カリウム(4%)、塩化カリウム(2%)のほか、数多くの微量ミネラルが含まれており、この微量ミネラル成分の集まりを、一般ににがり(苦汁)と呼んでいる。つまり、精製塩の登場で、塩からにがりが除かれたということは、海水中に含まれていたナトリウムと塩素以外の、貴重な60種類以上ともいわれる微量ミネラル成分を全て失ってしまったということである。

 最近、このにがり成分に着目して、インドネシア産の天然にがりを使った海洋ミネラルサプリメントが登場し、大きな関心が寄せられている。すでに数多くの使用報告が公開されており、その鋭い切れ味と想像を超える治癒力によって、改めてにがりの持つ潜在的パワーの大きさが実証された格好である。また、基礎研究も始まっており、にがり成分に化学的な光も当たり始めしている。

 これまでの使用報告をまとめると、にがりには以下のような効果があることがわかった。

 ①ガンによる全身の痛みが止まった、②生まれつきのアトピー性皮膚炎に即効性、③喘息の発作に高い効果、④高かった血糖値が2週間で下がった、⑤高血圧が改善、⑥自律神経失調症(頭痛・めまい・耳鳴り・肩こり・便秘)に著効、⑦便秘薬を上回る抜群の便秘改善効果、⑧歯周病・歯槽膿漏に即効性、⑨総コレステロール値が急激に下がった、などであるが、いずれも即効性のあることがにがりの大きな特徴のようだ。

 一方、基礎研究は、にがりの塩素の吸収度や抗ガン性などについて、動物実験により行われている(愛媛大学医学部・奥田拓道ら)。海水から分離した天然にがりの塩素濃度は15%程度であるが、ラットに食塩水と、にがり(10%)を加えた食塩水をそれぞれ与え、塩素の血中濃度を比較したところ、にがりの入ったラット群は塩素濃度の上昇がはるかに下回り、食塩だけ塩素よりも吸収されにくいことがわかった。したがって、にがりを使うことによって塩素の害(血圧上昇など)が抑えられることが示唆されるという。

 また、ガンを植え付けたネズミににがりを投与して、ガン細胞の容積の変化を調べたところ、統計的に有意にガン細胞の縮小が認められた。また、抗ガン剤シスプラチンとの経口投与の比較実験では、副作用によって起こる脾臓重量の減少がにがり投与群では見られず、白血球の現象も起こらなかったという結果が出ている。

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日曜日, 1月 01, 2006

羅漢果について

○羅漢果

 羅漢果は中国広西省チワン族自治区の山岳地に産するウリ科の果実で、香りが高く甘みが非常に強いため、中国では古くからこれを乾燥させて料理の調味料、甘味飲料の原料として使うほか、生薬として珍重して神果とも呼び、国王は他国への持ち出しを禁じていたともいわれる。羅漢果の文字は、仏教修行者の到達できる最高の境地である阿羅漢果に由来するであろう。

 もともと野生であった羅漢果であるが、いつのコロからか農家の園芸作物として栽培されるようになりながら、新中国の誕生の頃には荒廃の限りを尽くした。しかしその後、再び中国政府の奨励のもとに復興して農業の表舞台に登場し、今では主要な中国の輸出産物のひとつとなった。

 生薬としての羅漢果は、清熱・止咳・去痰・肺の湿潤・造血・胃腸の機能促進、利尿・便秘などに効くとされ、近年の研究ではストレス解消や高血圧症、糖尿病にも効果があり、長く服用していると細菌感染による呼吸器系の疾患に対する抵抗力がつくことが指摘されてきた。そのため、中国では羅漢果を原料とした咳止め、喘息の発作を抑えるシロップ剤や錠剤あるいは熱湯を注いで飲む固形剤などが作られて、製品は海外へも輸出されている。

 わが国では、以前この羅漢果の甘み成分(糖度は砂糖の300~400倍)に着目して、徳島文理大学の竹本常松らが詳細な分析研究を行い、驚くほど低カロリーの新しい配糖体(テルペングリコシド配糖体)を発見し、「S-5」と名づけて学会発表をしたことがある。一部には初頭の過剰摂取による虫歯、肥満、糖尿病などの多発が心配される日本において、この新しい甘味料がそうした弊害の緩和に役立つと期待がもたれたが、当時はまだ輸入量が少なかったこともあって広く知られない時期が続き、従って商品開発もなかなか進まなかった。しかし、生産量の増大と輸出振興の恩恵を受けて、現在ではわが国の消費量も拡大している。

 最近になって、岡山大学医学部の森昭胤らのグループが、羅漢果の熱水抽出エキスに、活性酸素とフリーラジカルを消去・抑制し、さらに脳組織の脂質の過酸化を予防する作用があるという研究発表を行った注目された。活性酸素とフリーラジカルは通常の体内での酸化の過程でも、また、紫外線や放射線の照射によって発生する。あるいは油や油脂が空気と熱に長時間さらされたときにも発生し、食事によって体内に取り込まれる。それが体内で脂質を酸化させて有害物質に変えたり、正常な細胞を破損したり、遺伝子を傷つけることになどによって、癌・動脈硬化・炎症・虚血・アレルギー・パーキンソン病などのほか、老人性ボケを含むさまざまな老化現象をもたらすのであるが、羅漢果にはそれを消去・抑制する作用があることが判明したのである。

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