○枸杞茶
枸杞はナス科の落葉小低木で、わが国では本州・四国・九州の原野や水辺に自生する。高麗人参とともに古くから中国で漢方薬の上薬として珍重されており、漢方薬の聖典とされる神農本草経にもその効能が記されている。漢方で用いるのは枸杞の実(枸杞子)、根、皮の部分だが、若芽や幼葉を乾燥させて煎じたものが枸杞茶として飲まれている。
葉の主要成分は、ビタミンC・B1・B2、タンパク質、メチオニン、ルチン、硝酸カリなどであるが、特にルチンの効用が大きい。ルチンは体内の活性酸素消去作用とあいまって毛細血管を強化する作用があり、高血圧症や低血圧症に効くと言われる。これは血管が強化されることにより、血行が順調になるからで、高血圧症の症状として現れる肩こり、頭痛、手足の痺れがなくなり、動脈硬化の予防にも役立つ。逆に低血圧症では、ルチンの作用とビタミンCの貧血に対する作用で2重の効果があることも見逃せない。
さらに、葉の葉緑素に肝臓の解毒作用を助ける働きを持つため、肝臓病の予防・治療に効果があるとされる。葉緑素に共通の性質で、体内に振り込まれるとアルカリ性に働き、体内の酸毒症状を改善するので、疲労回復、ストレスの防止、肝臓の強化、あるいは利尿作用の促進などに効く。また、クコタンニンという枸杞の葉だけに含まれている種類のタンニンは、酸化還元作用を持ち、老化を防ぐとともに、ガンの予防にも効果が期待されている。
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