○硫化硫黄物
ニンニクやタマネギなどユリ科の植物が持つ独特の臭気は硫黄化合物によるものである。硫黄化合物には抗酸化作用があり、老化やガンの予防に有効であることが知られている。また血液の粘度を低める作用もある。
※アリシン
ニンニクの臭気成分で、前駆物質のアリインが酵素のアリイナーゼで加水分解されて生じる。アリインとアリイナーゼは細胞中では別の場所に存在して反応することはないが、ニンニクを切ると細胞が破壊され、両者が接触して反応が始まりアリシンが生成される。アリシンはヒトの消化管の中でビタミンB1と反応してアリチアミンという物質に変わる。アリチアミンの血中濃度は長時間維持されるため、ビタミンB1の働きが通常より長く持続するという効果がある。
※ジアリルジスルフィド
硫化アリルの一種で、ニンニクの臭気成分アリシンが変化したもの。血液の凝固を抑制して、血栓ができるのを防ぐ作用がある。
※硫化プロピル
生タマネギに含まれている辛味成分で、血糖値を下げる作用がある。また、タマネギを刻むと細胞が破壊されて酵素が働き、トリスルフィドという物質に変化する。トリスルフィドは中性脂肪や総コレステロール値を下げ、血栓を予防する働きがある。