○海竜
中国の南海の沿岸に生息するヨウジウオ科の魚トゲヨウジ(Syngnathoides biaculeatus)などを用いる。ヨウジウオは日本でも北海道以南に分布し、内湾の海藻の繁茂したところに生息している。ヨウジウオはタツノオトシゴ(海馬)と同じ科に属するが、タツノオトシゴより細長く、直線的な魚である。日本名のヨウジウオとは楊枝魚と書く。ヨウジウオ類には体調が40~50cmくらいもある種類から、20cm以下の種類もある。雄の尾部腹面に育児嚢があり、雌の産み落とした多数の卵を中に入れ、孵化するまで保護している。
性味や効能はほぼ海馬と同様で、補腎・壮陽の効能がある。強壮薬として慢性病やインポテンツ、分娩促進などに用いる。効力は海馬よりやや劣るとされているが、倍ぐらいはあるという本草書もある。また焼いた海竜は夜尿症に効果がある。