○あまちゃづる(甘茶蔓)
日本では北海道から九州、朝鮮半島、中国、インドなどに分布するウリ科のつる性多年草アマチャヅル(Gynostemma pentaphyllum)の葉あるいは全草を用いる。中国では生薬名を七葉胆といい、欧米では絞股藍(jiaogulan)の発音からジアオグランと呼んでいる。ブドウ科のヤブガラシによく似たつる性植物であり、葉を噛むと甘味があるのでこの名があるが、アマチャとは関係ない。1976年に日本生薬学会でアマチャヅルのサポゲニンが発表され、朝鮮人参の成分と類似することから注目されてアマチャヅルが健康茶としてブームとなった。
アマチャヅルにはトリテルペノイドサポニンのジペノサイドが含まれ、高脂血症改善作用のほか、抗酸化作用や免疫機能の向上、抗癌作用などが認められ、欧米ではジアオグランという名でアンチエイジングサプリメントとして注目されている。中国の民間では七葉胆に解毒・止咳・去痰の効能があるとされ、粉末を老人性の慢性気管支炎などに用いている。