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金曜日, 10月 28, 2011

○塩

 調味料の中で最も基本的なものであり、ヒトの体内では浸透圧調節などの生理作用を担う重要な物質である。世界の塩生産の2/3は岩塩であるが、日本ではもっぱら海水から製塩されている。

 現在、わが国で一般的に使われている塩は食塩、精製塩、並塩である。食塩は海水中の塩化ナトリウム(NaCl)をイオン交換樹脂膜電気透析法という工業的な方法で集めて濃い塩水を作り、これを真空釜で煮詰めて結晶にしたものである。精製塩は食塩よりさらに精製度を高めた塩で、さらさらして固まりにくい。並塩は業務用に使われる塩の標準品で、粗塩とも呼ばれている。塩の主成分は塩化ナトリウムで、食塩、精製塩共に99.1%を占める(並塩は96.5%)。食塩には微量であるがカリウム100mg(精製塩では2mg)、カルシウム22mg(同0mg)が含まれている(いずれも100g中)。

 わが国では明治以降、塩専売法に基づき塩の製造は国の管理下に置かれ、近年では日本専売公社(現・日本たばこ産業)が独占的に行ってきたが、1997年(平成9年)4月に同法が廃止され、新たに塩事業法が施行されて塩の製造や輸入の規制緩和が行われた。これにより、民間企業が昔ながらの塩田方式による製塩事業なども行えるようになり、工業的につくられる専売塩とは別に、自然塩と呼ばれる塩も数多く登場するようになっている。