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土曜日, 6月 30, 2007

ゴボウ(牛蒡)

○ゴボウ(牛蒡)

 ゴボウは西アジアを原産とするキク科の多年草で世界各地で自生しているが、食用にしているのは日本と韓国だけで、中国やヨーロッパではもっぱら薬用として用いられている。中国では種子を解熱・利尿に、ヨーロッパでは根を利尿剤として使う。

 わが国では四季折々に精進揚げ、きんぴら、柳川、煮しめなどと食卓を彩るゴボウであるが、味覚や香り、歯ごたえはかけがえのないものがあるとはいえ、ビタミンやミネラルなどに見るべきものはない。しかし多量に含まれるセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの食物繊維が腸の蠕動運動を促して便秘を解消し、また腸内の有用細菌の繁殖を助けるとともに、有害物質を吸着して排泄するなどの働きをもち、大腸ガンの予防にも役立つ。

 リグニンは胆汁酸を吸着して対外へ排出する働きがあり、血中コレステロールの増加を抑制する作用がある。ほかに腎機能を高めるイヌリンを含むので利尿効果があり、浮腫を治すとされてきた。

 ゴボウは菊に属するが、漢方薬の商陸(利尿薬)になる山ゴボウは別種のヤマゴボウ科の植物である。また、観光地の土産でヤマゴボウの漬物として売られているのはキク科のモリアザミの根が使われている。

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月曜日, 6月 25, 2007

イノシトール

○イノシトール

 ヒトのほとんどの細胞内に存在して重要な役割を担うビタミン様作用物質(ビタミンB複合体)。脂肪肝を防ぐとともに胃腸の正常な運動を維持する作用がある。脂肪肝・肝硬変の治療薬に用いられるほか、栄養ドリンク剤や乳児の粉ミルクなどにも配合されている。体内で合成されるので、普通の食生活では欠乏症の心配はない。食品では米糠や小麦胚芽など穀類・野菜類に多く含まれている。イノシトールには6ヶ所のリン酸基結合部位があり、リン化合物に変化する。この内、フィチン酸と呼ばれるイノシトール六リン酸はガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きがある。

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土曜日, 6月 23, 2007

胡瓜(キュウリ)

○胡瓜(キュウリ)

 ウリ科のつる性一年草で、果菜類では生産量が最も多い野菜である。サラダ、漬物、酢の物、すりおろして和え物にと、いずれも涼しげな感じが漂うが、キュウリはまさしく体の熱を取り、暑気あたりの食欲不振を癒す効果がある。また昔から浄血(多く含まれるカリウムによる効能)、酒の毒を消す、体内毒素を排泄するので細胞が活性化する、肌荒れやシワを防ぐ、おろし汁をつけるとあせもが治るなどの効果が経験的に知られてきた。利尿効果は生のものより煮たほうが強い。よく熟したキュウリの皮をむいたものを20倍の水で煮詰め、半量になったところでその煎じ汁を100mlくらいずつ空腹時に飲むとよいとされる。

 キュウリはその96%が水分であり、カロリー的にも栄養素の面でも見るべきものは少ないが、カリウムは100g中200mgと多い。カリウムは体内でナトリウムと拮抗して働いており、カリウムが多ければナトリウムは反比例して減少し、血圧の上昇を防いだり筋肉を活性化するので、心臓の筋肉を強くし、また腸管の運動を促進する働きがある。

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金曜日, 6月 22, 2007

カスピ海ヨーグルト

○カスピ海ヨーグルト

 カスピ海ヨーグルトは長寿国として有名なコースカス地方で日常的に食べられているヨーグルトで、家森幸男(京都大学名誉教授)が長寿との関わりを調べるために日本に持ち帰ったものが人づてに広まり、カスピ海ヨーグルト呼ばれるようになった。

 このヨーグルトの特徴は酸味が少なくとろりとした食感にある。これはカスピ海ヨーグルトに用いられている乳酸菌のクレモリス菌と酢酸菌の働きによるもので、クレモリス菌は乳糖から乳酸を作るほかに、粘りの元となる粘性多糖類も作り出す。一方、酢酸菌は過剰にできた乳酸を食べる性質があるため、ヨーグルト酸味が適度に抑えられる。クレモリス菌の粘性多糖類には腸内環境を改善する作用や血中コレステロールを低下させる作用のあることが明らかにされつつある。

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木曜日, 6月 21, 2007

ヨーグルト

○ヨーグルト

 牛乳や山羊乳を乳酸発酵して作られる発酵乳の代表的なもの。発症はトルコである。発酵に用いられる乳酸菌は、国際規格(コーデックス規格)でサーモフィルス菌、ブルガリア菌の混合と決められているが、わが国の乳等省令では特に菌種を定めていない。

 ヨーグルトの健康効果については20世紀初頭にロシア出身の病理学者でノーベル生理医学賞を受賞したメチニコフが、ヨーグルトに含まれる乳酸桿菌が腸内の腐敗菌を減らし、あらゆる病気の発生を防ぐと提唱したことから、多くの人々に知られることとなった。

 現在、一般的なヨーグルトの生理作用としては以下が挙げられる。①乳酸発酵により乳が消化吸収されやすい状態になっているため、牛乳を飲んで下痢を起こす人(乳糖不耐症)でも摂取しやすい。②乳酸は胃酸の分泌をコントロールし、胃の機能を正常に保つ。また腐敗の防止作用もある。③乳中のカルシウムやミネラルが、発酵による酵素活性により吸収されやすくなっている。④乳酸発酵中の酵素により乳タンパク質(カゼイン)からペプチドが生成され、アンジオテンシン変換酵素を阻害して血圧を下げる働きがある。⑤乳酸発酵微生物には抗腫瘍効果を持つものがある(腹水ガンを移植したネズミにヨーグルトを与えると28%ものガンの発育が抑制されたとする米ネブスカ大学のレディの実験がよく知られている)などである。

 前述のように、ヨーグルトにはブルガリア菌とサーモフィルス菌が用いられているが、これに加え、腸管に生きて到達し、腸内フローラ(細菌叢)の改善に働くアシドフィルス菌やビフィズス菌を添加したヨーグルトもある。

 市販されているヨーグルト製品には、甘味料や香料などを一切含まないプレーンヨーグルト、果汁や果肉を加えたフルーツヨーグルト、アイスクリーム状にしたフローズヨーグルト、発酵後に攪拌したドリンクヨーグルト(飲むヨーグルト)などがある。

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水曜日, 6月 20, 2007

菜種油(ナタネ油)

○菜種油(ナタネ油)

 アブラナ科のアブラ菜の種子(ナタネ)から採取される食用油で、わが国では大豆油に次いで需要量・生産量が多い。原料のナタネはカナダで品種改良されたキャノーラ種が使われており、ほぼ全てが輸入されている。

 ナタネ油はクセのないあっさりとした風味で、加熱にも強い。サラダ油やてんぷら油に精製され、ドレッシングや炒め物、揚げ物など様々な料理に使われている。脂肪酸組成は単価不飽和脂肪酸のオレイン酸が半分以上(58.6%)を占め、植物性油脂の中ではオリーブオイルに次ぐ含有量である。オレイン酸は血中コレステロールを減らし、動脈硬化を予防する働きがある。このほか多価不飽和脂肪酸のリノレン酸やビタミンEも多く含んでいる。

菜種油(ナタネ油)

火曜日, 6月 19, 2007

胡麻油(ごま油)

○胡麻油(ごま油)

 白ゴマの種子から採られるゴマ油は、種子を炒ってから搾油するため独特の香味がつく。中国料理に使われることが多いが、わが国では天ぷら油としても用いられる。ゴマ油の特徴はその約80%が不飽和脂肪酸であること。中でもリノール酸(脂肪酸総量の44.8%)とオレイン酸(同39%)の含有量が多い。リノール酸やオレイン酸は高血圧や動脈硬化などの原因となるコレステロールを減らす働きがある。

 不飽和脂肪酸を多く含む油は空気中で酸化して過酸化脂質という有害物質に変化しやすいが、ゴマ油ではこのような変化が起きにくいということも知られている。これは、ゴマ油に含まれるリグナン類のセサミンやセサミノールなどが抗酸化物質とした働いているからだと考えられている。

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日曜日, 6月 17, 2007

ビタミンA

○ビタミンA

 物質名はレチノール。視力低下や夜盲症を予防することで知られるビタミン。網膜細胞や皮膚、粘膜上皮細胞の維持と再生に役立ち、消化器や呼吸器の感染に対する抵抗力を高め、皮膚や髪の健康を保ち、甲状腺の機能亢進を抑える、生殖機能を高めるなど、多く働きをするほか、細胞内での遺伝情報の伝達に関与して粘膜や上皮組織のガンを抑制することも指摘されている。

 欠乏症は身体の抵抗力を奪い、目や消化器、呼吸器に障害を起こし、発育不良、角膜乾燥症、結膜炎を招き、さらに感染症に罹りやすくなったり、味覚・嗅覚・聴覚の以上などをもたらす原因にもなる。

 ビタミンAには、動物性食品にのみ含まれるレチノールと、植物に多く含まれヒトの体内でレチノールに変わるカロチンがある。食事摂取基準05年版では、ビタミンAの推奨量は1日当たり男性は18~49歳で750ufRE(レチノール当量)、50~69歳で700ugRE、女性は18~69歳で600ugRE。上限量は男女とも3000ugREとしている。また保健機能食品制度では、ビタミンAを180~600ufRE含む食品にはビタミンAの機能を表示できる。

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土曜日, 6月 16, 2007

シャペウ・デ・コウロ

○シャペウ・デ・コウロ

 ブラジルなど中南米諸国の池や沼、川べりに自生するオモダカ科の水草。長い茎の先に直径50~70cmの楕円形の葉をつくる。ブラジルではこの葉を採取して陰干しにしたものを軽く火で炙ってから揉み砕き、煎じてお茶のように飲む習慣がある。現地では、それが血液を浄化する働きを持ち、女性の肌を滑らかにするばかりか、湿疹や吹き出物などの皮膚疾患、利尿、腎臓病、関節炎、痛風、皮膚病、リウマチ、潰瘍などに効果があるとして伝統的に愛飲されており、ブラジルの植物事典には薬草として記載されている。

 シャペウ・デ・コウロの葉の乾燥粉末からの熱水抽出物による基礎研究では、血中コレステロールと中性脂肪の上昇を抑制する作用が認められている。マウスに①通常食、②高コレステロール食、③高コレステロール食にシャペウ・デ・コウロのエキス10%添加食、それぞれ与え、総コレステロール値と中性脂肪の上昇を調べたところ、③の10%添加食のグループで3~5割抑制されることが実証された。同時にHDLコレステロール(善玉コレステロール)値は約2倍強も上昇した。また、活性酸素を消去する作用、脂質の過酸化を抑制する過酸化脂質抑制作用があることも確認され、多糖画分には抗アレルギー作用があることも報告されている。

 なお、シャペウ・デ・コウロと同じオモダカ科のサジオモダカは、わが国の北部や高地、中国東北部、東シベリアなどの沼沢地に自生する多年草で、漢方ではその球茎を沢瀉と呼び、利尿、腎炎などに用いている。中国ではその葉を沢瀉葉といい、慢性気管支炎などに民間薬的に使われている。

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木曜日, 6月 14, 2007

トレハロース

○トレハロース

 2個のグルコースがα-1、1結合した二糖類で、砂漠や寒冷地など極限的な環境に生息する生物に多く見出されている。これは、生物に不可欠な水分を保持する役割をトレハロースが担っているためと考えられている。食品ではキノコや酵母に多く存在し、乾燥シイタケには約20%含まれている。甘味度はショ糖の6割程度。

 トレハロースは耐熱、耐酸性に優れているため、タンパク質の変性防止、味質の保持などを目的に幅広く用いられている。従来は酵母からの抽出物がもっぱら利用されてきたが、近年、メーカーの林原がデンプンに酵素を反応させて安価に大量生産する技術を開発、市場が一気に広がった。トレハロースの生理機能としては、腸内善玉菌の増加作用、低カロリー・非う蝕性、抗酸化作用などが認められているほか、点眼によるドライアイの軽減、経口摂取による骨強化作用などがある。

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水曜日, 6月 13, 2007

食用油

○食用油

 わが国で食用油とされている植物油脂類は数多くあるが、その大半は大豆油とナタネ油である。また、アブラヤシの果肉から採られるパーム油も需要が多い。パーム油は業務用食用油としてポテトチップス、カップ麺などに使われている。大豆油、ナタネ油、パーム油は食用のベースといわれ、世界的に見ても生産量・消費量が多い。これらに対して、風味が独特で他のオイルでは代用できない食用油としてオリーブオイルやゴマ油などがある。食用油は天ぷら油、サラダ油などのように用途によっても分けられ、各種植物油脂を原料として加工されている。

 天ぷら油は天ぷらなどの揚げ物に使われる油で、大豆油、ゴマ油、ナタネ油が原料となっている。サラダ油はサラダドレッシングなど使われる精製食用油で、低温時でも透明性が高く、変敗が起きにくいよう調整した油である。ナタネ油や大豆油、綿実油、米油などが原料となる。

 食用油のほとんどは植物油脂をベースにしており、動物油脂とは異なり、リノール酸やオレイン酸、リノレン酸などの不飽和脂肪酸を多く含むことが特徴である。リノール酸は高コレステロール症による冠動脈不全や動脈硬化、脳出血などを予防するという研究報告が発表されて以来、リノール酸を多く含む植物油脂は体によいという点が強調されてきた。

 しかし、よいことばかりではなく、最近になってリノール酸の過剰摂取が様々な弊害を起こすということも指摘されるようになっている。また、マーガリンに含まれるトランス脂肪酸(リノール酸の水素添加で生じる)の多量摂取は血漿LDLコレステロール濃度を上昇させると考えられており、摂取量が多い欧米では問題視されている。

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火曜日, 6月 12, 2007

鮫(さめ)

○鮫(さめ)

 海産魚のサメ類の総称で、体調が10cmほどのコビトザメから、20mにもなるジンベイザメまで、世界各地の暖海域に約250種、日本近海だけでも約80種が分布している。関東では大きいものをフカ、山陰地方ではワニといい、神話に出てくる因幡の白兎に騙されたワニはサメのことである。

 食用とするのはアブラツノザメ(ツメザメ科、別名アイザメ)やヨシキリザメ(メジロザメ科)で、肉はハンペンなどの練り物の材料の他、酢の物などに使われる。また軟骨は薄切りにして鮫氷として食される。肉は切り身で市場に出ているが、軟骨は入手しにくい。

 栄養学的な特徴はビタミンAが豊富なことであるが(アブラツノザメ切り身生100g中、210ug)、ヨシキリザメはわずか9ugと差が大きい。中国料理で珍重されるフカヒレ(ヒレの部分)はタンパク質とカルシウムに富むので、食感の魅力だけにとどまらぬ健康食材ともいえよう。このほか、アブラツメザメの肝油に含まれる油脂成分のスクアレンは、女性化粧品の高級美顔料として使われているほか、深海鮫エキスとして健康食品にも加工され、細胞の新陳代謝を活発にするなどの健康効果が知られている。

深海鮫エキスの商品一覧

生肝油(深海鮫)の商品一覧

月曜日, 6月 11, 2007

サフラン

○サフラン

 サフランは南ヨーロッパを原産とするアヤメ科の多年草で、別名サフランクロッカスとも言う。真っ赤な花柱はパエリアやブイヤベースなど地中海料理の着色や風味づけに使われてる。花には3本の淡黄色の雄しべと、柱頭が三裂して花冠の外にまで垂れ下がる細長い紅色の雌しべがあり、この雌しべを乾燥させたものが婦人病薬(通経・鎮痛・鎮静)に用いられてきた。

 医薬品の記述としては、紀元前200年頃のローマのムーキアーヌスが、胃・肝臓・腎臓・膀胱・肺の病気、咳、結膜炎、酒の悪酔いなどに効くとし、ブリニイは博物学(紀元前100年頃)において、サフランが眠りを誘い、頭脳を明晰にし、媚薬としても用いられることを記している。中国では蔵紅花、蕃紅花の名で呼ばれ、本草綱目では呼吸障害・嘔吐・悪寒などにも有効であるとしている。わが国でも血の道症・月経不順・更年期障害などの民間薬としての使用歴は長く、日本薬局方にも収載されている。

 雌しべに含まれる色素成分クロシンの存在は早くから知られていたが、近年、この成分に中枢神経の活性化、記憶力増強を図る作用のあることが明らかにされ、一躍注目を集めるようになった。齊藤洋(東京大学薬学部)と正山征洋(九州大学薬学部)らの研究グループは、クロシンを与えたネズミはアルコールによる記憶障害が明らかに改善され、記憶を司る脳の海馬の電気信号の働きも、与えるクロシンの量が多いほど高くなることを報告している。これがその後の多様な研究の端緒となり、現在はクロシンにイチョウ葉エキスやビタミンEなどを配合した健脳食品も開発されている。

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土曜日, 6月 09, 2007

葛の葉

○葛の葉

 葛はマメ科のつる性の多年草で、山野に自生している。初秋に紫紅色の蝶型の花を咲かせ、秋の七草の一つとして古くから親しまれてきた。わが国に古くから分布する植物の一つで、日本書紀にも出てくる。主な産地は奈良、徳島、長野、群馬、鹿児島などの各県だが、中でも吉野地方(奈良県)に産する吉野葛は良質なものとされている。

 根は医薬品成分に指定されており、漢方薬の風邪薬である葛根湯の主剤である。食品としては葛デンプンとして利用されることが多いが、葉には良質の葉緑素が豊富に含まれており、葉緑素の補助食品として優れている。葉緑素(クロロフィル)は植物に存在する緑色の色素で、細胞内ではタンパク質の結合しており、水と二酸化炭素からデンプンを作り出す光合成を担っている。脊椎動物の赤血球に含まれる色素タンパク質のヘモグロビンと構造がよく似ており、俗に緑の血液とも呼ばれている。葉緑素は体内でヘモグロビンの生成を助け、造血作用を促す。また、健胃作用、殺菌作用も認められている。

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水曜日, 6月 06, 2007

β-グルカン

○β-グルカン

 グルコース(ブドウ糖)を構成糖とする単一多糖類を総称してグルカンという。植物や動物、キノコ類、酵母に多く存在している。グルカンの代表はデンプン、グリコーゲン、セルロースである。

 グルカンは多数のグルコースが結合(脱水縮合)したものだが、結合する炭素の位置や結合の仕方の違いによって性質の異なるものとなる。例えば、デンプンは食べると消化吸収されてエネルギー源になるが、セルロースは食べても消化給されない。これはグルコース同士の結合の違いからくるものである。グルコースの結合には、ヒドロキシ基(水酸基)が下にくるα型と、上にくるβ型とがある。また、結合している炭素の位置によって「1、4結合」や「1、6結合」などと示される。デンプンはα-1、4結合のαグルカン、セルロースはβ1、4結合のβ-グルカンである。

 β-グルカンはキノコ類に多く含まれ、抗腫瘍活性が認められることから、抗ガンキノコの主要成分として重要である。これまでに、シイタケ子実体から得られたレンチナン、カワラタケ培養菌糸体からのクレスチン、スエヒロタケ培養の培地生産物であるシゾフィランが抗ガン剤として医薬品になっている。レンチナンとシゾフィランは、β-1、3結合した主鎖とβ-1、6結合の側鎖からなるβ-グルカンである。クレスチンは、β-グルカンにタンパク質が結合した複合糖質である。

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 抗腫瘍効果が高いといわれているアガリクス・ブラゼイ・ムリル(ヒメマツタケ)には、中性多糖、酸性複合多糖、タンパク多糖、核酸成分などが存在している。中性多糖はβ-1、6グルカンやキシログルカン、酸性複合多糖はガラクトグルカンのウルナイド、タンパク多糖はペプチドグルカン、核酸成分はリボヌクレオチドタンパクである。このように、1つのキノコの中にもこれだけ多くの多糖が含まれており、それらの作用もまた違ってくる。

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 伊藤均(三重大学医学部)の研究によると、マウスを使って抗腫瘍効果を検討した実験では、β-1、6グルカンが最も高い抑制率を示したという。また、宿前利郎(東京薬科大学)の報告では、サルノコシカケ科やシメジ科、ハラタケ科のキノコに多く含まれるβ-1、3グルカンには、経口投与によっても顕著な抗腫瘍活性が認められたとしている。

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火曜日, 6月 05, 2007

どくだみ茶

○どくだみ茶

 ドクダミ(蕺草)は東アジア一体に分布するドクダミ科の多年草で、別名を十薬(重薬)という。この生葉を細かく切って煎じるか、乾燥葉を煎じたものがどくだみ茶である。入浴剤として利用することもできる。ドクダミの名は、毒を矯める(止める)の意で、江戸時代中期からの名称。また十薬の名は、貝原益軒がこの草には10種類の薬効があると言ったことに由来する。

 中国では蕺菜・魚醒草といい、2000年も前から民間薬的に用いられてきた。日本でもかなり古くから利用されてきたが、近年、新薬の薬害などへの反省からこれらの薬草が見直されている。

 乾燥物そのものは解熱、消炎、整腸などに、煎剤は腫瘍、寄生虫、胎毒、蓄膿などの薬として使われる。茶剤としては浮腫、便秘、悪瘡、尿道炎、高血圧症、皮膚炎の改善などに広く用いられる。ドクダミ特有の臭気は精油成分のデカノイルアセトアルデヒドとラウリンアルデヒドで、カビの発育を阻止し、白癬菌すなわちたむし、インキン、水虫のカビなどに有効である。葉にはエルチトリン、花や実にはイソクエルチトリンを含み、これらには強心作用、利尿作用があるほか、毛細血管利強化作用があるので高血圧による脳出血の予防に効果がある。

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月曜日, 6月 04, 2007

オリーブオイル

○オリーブオイル

 植物油のほとんどは種子から得られるがオリーブオイルはオリーブの果肉を搾って作る果実油である。果肉を搾っただけで熱を加えていないものをバージンオリーブオイル、精製したオリーブオイルにバージンオイルをブレンドしたものをピュアオリーブオイルと呼ぶ。バージンオリーブオイルは香りが高く消化もよいので、主にサラダなどのドレッシングや料理の香り付けなどに使われている。ピュアオリーブオイルは炒め物など加熱料理に向く。オリーブオイルの主な産地はスペイン、イタリア、ギリシャなどで、栽培地域によって色、香り、味にそれぞれ特徴がある。また近年、アルゼンチンやチリ、オーストラリアなど南半球の国々がバージンオリーブオイルの生産と輸出に注力している。

 オリーブオイルの栄養成分を見ると、脂肪酸の組成は不飽和脂肪酸が豊富で、特にオレイン酸の含有量は植物油の中でもトップクラスの75%を占めている。このほか必須脂肪酸のリノール酸が10.4%、リノレン酸が0.8%含まれている。オレイン酸には血中のコレステロールを減らす作用がある。食用油としてオリーブオイルを使う地中海沿岸地方は、他のヨーロッパ諸国に比べて心臓疾患が少ないことで知られているが、これはオリーブオイルのオレイン酸が関係していると考えられている。また、便秘の解消にオリーブオイルをスプーン1杯程度飲むと効果があるといわれているが、オレイン酸は腸の蠕動を高める働きもあるる。このほか、オリーブオイルには他の植物油には少ないビタミンA(100g中180ug)やビタミンE、Kも含まれている。

 最近の件杞憂では、オリーブオイルには抗炎症薬イブプロフェンと同じ鎮痛作用を持つ物質が含まれていることが報告されている。米ペンシルベニア大学などの研究チームによると、イブプロフェンに比べるとその作用はかなり弱いが、同薬の少量投与が血栓をできにくくするように、日常使う食用油をオリーブにすることで心臓疾患や脳卒中のリスクを低減させる可能性があるという。

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金曜日, 6月 01, 2007

Ⅱ型コラーゲン

○Ⅱ型コラーゲン

 絶えず新陳代謝を繰り返している体内ではコラーゲンの産生が不可欠だが、細胞内で合成されたコラーゲンは細胞外へ分泌されて必要な場所に定着し、繊維同士が立て横に繋がり合って立体構造を構築し、細胞の増殖を促進し、細胞の機能の活性化を促すという働きもする。

 こうした性質に着目して従来は化粧品の保湿剤として主に用いられていたコラーゲンであるが、これを経口投与するマウスの実験(日本大学薬学部による)で新陳代謝の活性化が認められたことから、近年、飲むコラーゲンの研究開発が大きく進展することとなった。多様な効果が期待されるコラーゲン飲料は、現在その多くが豚皮、軟骨などを原料として、腸管で消化吸収されやすいように酵素発酵によって低分子化が図られている。用いる酵素の種類や分解法によってさまざまな特性をもち多種類の製品が供給され、健康食品のみならず一般食品への活用も進んでいる。

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