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土曜日, 6月 16, 2007

シャペウ・デ・コウロ

○シャペウ・デ・コウロ

 ブラジルなど中南米諸国の池や沼、川べりに自生するオモダカ科の水草。長い茎の先に直径50~70cmの楕円形の葉をつくる。ブラジルではこの葉を採取して陰干しにしたものを軽く火で炙ってから揉み砕き、煎じてお茶のように飲む習慣がある。現地では、それが血液を浄化する働きを持ち、女性の肌を滑らかにするばかりか、湿疹や吹き出物などの皮膚疾患、利尿、腎臓病、関節炎、痛風、皮膚病、リウマチ、潰瘍などに効果があるとして伝統的に愛飲されており、ブラジルの植物事典には薬草として記載されている。

 シャペウ・デ・コウロの葉の乾燥粉末からの熱水抽出物による基礎研究では、血中コレステロールと中性脂肪の上昇を抑制する作用が認められている。マウスに①通常食、②高コレステロール食、③高コレステロール食にシャペウ・デ・コウロのエキス10%添加食、それぞれ与え、総コレステロール値と中性脂肪の上昇を調べたところ、③の10%添加食のグループで3~5割抑制されることが実証された。同時にHDLコレステロール(善玉コレステロール)値は約2倍強も上昇した。また、活性酸素を消去する作用、脂質の過酸化を抑制する過酸化脂質抑制作用があることも確認され、多糖画分には抗アレルギー作用があることも報告されている。

 なお、シャペウ・デ・コウロと同じオモダカ科のサジオモダカは、わが国の北部や高地、中国東北部、東シベリアなどの沼沢地に自生する多年草で、漢方ではその球茎を沢瀉と呼び、利尿、腎炎などに用いている。中国ではその葉を沢瀉葉といい、慢性気管支炎などに民間薬的に使われている。

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