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水曜日, 10月 17, 2012

合歓皮

合歓皮(ごうかんひ)

 日本各地、中国、東南アジアなどに広く分布するマメ科の落葉高木ネムノキ(Albizzia julibrissin)の樹皮を用いる。花や花蕾は合歓花、合歓米という。

 かつて日本ではニシキギ科のマユミの樹皮が代用されたこともある。暗くなると眠るように葉と葉を重ねて閉じることから、日本ではネムノキ、中国では合歓樹あるいは夜合樹と呼ばれている。樹皮にはサポニンやタンニンが含まれ、サポニンのアルビトシンには子宮収縮作用の報告がある。  漢方では疏肝・安神・止痛の効能があり、不安感やうつ状態、不眠、腫れ物、打撲傷などに用いる。不眠や心煩、動悸、めまいなどに夜交藤仙鶴草などと配合する(養血安神片)。打撲や骨折などによる腫張や疼痛に当帰・紅花などと配合する。また膿性痰の出る慢性気管支炎などに単独あるいは白蘞や十薬などと配合する。

 日本の民間療法では、腫れ物や打撲傷、関節痛に合歓皮の煎液で患部を洗ったり、浴湯料として使用する。また合歓皮の黒焼きと黄柏末とを酢で練り合わせて患部に冷湿布する方法もある。また江戸時代から伝わる「久保田の速康散」というトゲ抜きの内服薬は合歓皮とニシキギの枝を黒焼きにしたものである。なお合歓花にも安神作用があり、食欲不振や不眠症の治療に用いる(安神丸)。