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土曜日, 9月 17, 2011

ビタミン

○ビタミン

 糖質・脂質・タンパク質などが生体内で十分に機能するために必要な有機化合物の総称。生体内で合成できないか、きわめて合成されにくいため、食品などから摂取しなければならない。ビタミンという名称は、1911年にポーランドのC・フンクが米ぬかのエキスから白米病に有効な物質を遊離して、それが炭素・水素・窒素からなるアミノ化合物のアミン(amine)であると考え、生命(vita)に必要なアミン、すなわちビタミン(vitamine)と命名したことに始まる。

 1910年に農芸化学者の鈴木梅太郎が、精米時に捨てられる米糠に脚気を防ぐ成分が含まれていることを発見、その物質をオリザニンと名付けた。これがビタミンB1の発見である。ついで米国のE・マッカラムやH・スティーンボックらは牛乳やバターなど油脂分の中にも有効成分の存在を認め、前記のオリザニンを含むこれら未知の成分を脂溶性A「」「水溶性B」と名付けた。

 さらに1918年、米国のL・メンデルらはオレンジの酸性水溶性エキスに壊血病を防ぐ成分を発見、その翌年に英国のJ・ドラモンドがこれを「水溶性C」と名付けると共に、これらをビタミンと総称し、それぞれA・B・Cと符号をつけて呼ぶことを提案した。以後、順次発見されていく過程でアルファベット符号がつけられてきたが、後にそれがビタミンでないと判明したり、あるいは別の物質名で呼ばれることになったりしたことから、現在認められている13種類のビタミン類(脂溶性のビタミンA・D・E・K、水溶性のB1B2・B6・B12・C、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)のアルファベット符号は飛び飛びである。また、これらのほかにビタミン様作用物質と呼ばれる有機化合物という。

 ビタミンは必要量はわずかだが必須の栄養素である。水溶性のビタミンは摂り過ぎた分は排泄されるが、脂溶性のものは過剰症が心配される。