○松塊(まつほど)
サルノコシカケ科の薬用キノコで、学名はPoria cocos
中国では玉霊、茯霊という。マツ、ヒマヤラスギ、カシ、ウルシなどの根に寄生し、伐採後3~6年を経た根の周囲に不定形塊上の菌核を形成する。この菌核を乾燥したのが漢方薬の茯苓で、外面は暗褐色から赤褐色、内部は白色から薄紅色、質は固いがもろく、無味無臭でやや粘着性がある。
多糖体のパキマラン(β-1.3-グルカン)が主成分で、そのほかエルゴステロール(ビタミンD前駆体)、アデニン(核酸関連物質)などが含まれている。利尿、抗潰瘍作用、血糖降下作用血糖降下作用、交感神経の興奮作用、強心作用などがある。
○雷丸菌(らいがんきん)
サルノコシカケ科のキノコで、学名はPolyporus mylittae。中国名は雷実、雷矢。竹の根茎やシュロなどの枯れた樹の根に寄生して育つ。表面は褐色から黒色で、直径1~3cmの塊上の菌核をつくる。この菌核を乾燥させたものは雷丸と呼ばれ、中国の四川、雲南、湖北、広西、貴州などがある。成分にタンパク分解酵素と大量のマグネシウムを含む。漢方では腸内の条中、回虫の駆除に用いられてきた。