○タアサイ
中国・華中地方を原産とするアブラナ科の一年草。中国名は塌菜。”押しつぶされた”、”ひしゃげた”という意味で、葉数が多く放射線状につぶれたように生長することから名付けられたといわれる。葉は丸みを帯びた濃い緑色で、葉孟に大きな皺がある。わが国へは中国野菜のひとつとしてチンゲンサイとともに導入された。チンゲンサイ同様、若採りして周年供給される。
チンゲンサイに比べると余り一般化していないが、栄養成分的にはチンゲンサイを凌ぐものがある。全体的にバランスよく多様な栄養素を含み、特に濃い緑が象徴するカロチンは100g中2200ug(370ugRE)とチンゲンサイを上回り、ビタミンCも31mgと多い。亜鉛、カリウム、リンなどのミネラルも多く、カルシウムは120mgでカラシナと同程度である。効用としては皮膚粘膜を強くし、塩分過多による血圧上昇を抑え、不眠・ストレス・自律神経失調症・風邪などの予防に役立つ。
タアサイは油と相性がよいのでさっと炒めてもよいし、クリーム煮などにも適している。ただし美しい緑を損なわぬ様煮過ぎないことが肝要。チンゲンサイ同様クセがないので、子どもから高齢者まで幅広く食べられる。もっとふんだんに取り入れるべき野菜であろう。