スポンサーリンク

木曜日, 4月 10, 2008

ルイボスティー(改訂)

〇ルイボスティー

 ルイボスティーは、南アフリカ共和国のごく一部の山野にのみ自生するマメ科植物ルイボスの針葉樹様の細かな葉を採取して発酵後、乾燥させた健康茶である。ルイボスは現地語で赤い灌木の意味だが、原住民は古くから不老長寿、万病への妙功を信じて愛飲してきたという。

 1900年代初頭にロシア系紅茶商人がヨーロッパへ紹介し、ついで1930年頃、現地の開業医で市長も務めたイギリス系のP・ノーティエが品種改良の末、人工栽培による農作物化に成功した。味・香り・色ともに優れ、現在では同国の重要な輸出産品として生産・加工・品質管理が政府の肝いりで行われている。

 我が国の健康茶の中では新顔に属するルイボスティーだが、飲み始めて比較的早くわかる効用として便秘の改善、ペンの性状の変化(難便は固く、固い便は柔らかくなる)、腹部膨満感や痛みなどの改善などが挙げられる。アトピー性皮膚炎や口内炎、ニキビ、イボ、肌荒れなどの改善、高血圧、高血糖などの快方、精神的に安定するという報告例も多いが、このような顕著な諸作用に対して、前田浩(熊本大学医学部)、中野昌俊(愛知医科大学加齢医科学研究所)らが多くの研究成果を発表している。

 長崎大学医学部ではマウスの胎児から得た培養細胞による実験で、ルイボスティーの発ガン抑制作用を見出している(小松賢志ほか)。また、横越英彦(静岡県立大学食品栄養科学部)らはラットを用いた実験で、ルイボスティーの抽出液と茶葉粉末を投与することで血液中の中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上昇させることを確認した。これは心臓疾患などへのルイボスティーの寄与を示唆するものである。

 そのほかにも加齢による認知症の防止作用、肝機能亢進作用、抗菌・殺菌作用、便臭の改善作用、さらに新しいところでは愛知医科大学と山梨医科大学との共同研究で、エイズウイルスの増殖を抑制する働きなども報告された。こうした各種作用の根底には、ルイボスティーが活性酸素消去作用を持つことが指摘されており、その作用はほかの野菜類などの数倍ないし数十倍にも達することがわかってきている。