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月曜日, 5月 14, 2007

布海苔

○布海苔

 刺身のツマや実のほか、古くから糊料の原料としても使われてきた布海苔は紅藻の一種で、日本近海では主にマフノリ、フロクフノリ、ハナフノリを産する。

 わが国では江戸時代に黄疸や食中毒、疫痢、難産などの民間薬として用いられた記録があり(救民単法など)、中国にも解熱、胆石、去痰、止瀉などへの薬効を記した医典(食性本草、本草綱目など)があるが、アーユルヴェーダ医学研究所の北村彗光によってこの布海苔が健康食品として現代に蘇ることとなった。

 布海苔の特異的な有効成分は、α型とβ型が交互に鎖状に結びついた構造のフラノンという粘性多糖類である。野田宏之(三重大学)は高血圧・高脂血症・移植ガンへの効果をマウスを用いて実験し、フラノンが血圧効果・動脈硬化指数の大幅な改善、血中ナトリウムの低減、エーリッヒ腹水ガンやザルコーマ180固形ガンなどに対し顕著な増殖抑制と延命効果のあることを見出している。また糖尿病に関しては、長村洋一(藤田保健衛生大学)が高血糖マウスを使って布海苔顆粒を投与した実験があり、ここでも良好な血糖降下が認められている。布海苔を水や温湯に数時間浸積すればフラノンが得られるが、最近では手軽で便利な顆粒製品も出ている。

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