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月曜日, 9月 12, 2011

多糖類(2)

○セルロース

 エネルギー源にはならないが食物繊維として重要。繊維素ともいう。植物の細胞壁の主成分として自然界に最も多く存在する単一多糖類である。構造はグルコースが直鎖状にβ-1.4結合している。

 人ではセルロースを分解する酵素を持たないため、消化吸収してエネルギー源として直接利用することはできないが、腸内では食物繊維として機能性を発揮する。牛や馬などの草食動物には胃の中にセルロースを分解する微生物を持っているため、エネルギー源として利用できる。

ヘミセルロース

 半繊維素ともいう(ヘミはギリシャ語で”半分”を意味する)。セルロースやリグニンと共に植物の細胞壁を構成している多糖類である。構成糖の違いからキシラン、アラビナン、ガラクタン、マンナンなどがある。キシラン(構成糖はキシロース)は、木材、藁、トウモロコシの芯などの主成分。アラビナン(構成糖はガラクトース)はアラビアゴムや大豆に含まれている。ガラクタン(構成糖はガラクトース)は果実の表皮に多く含まれ、マンノースを構成とするマンナンは硬い表皮を持つ種子や果実に多い。多くの植物では、これらの単一多糖がさらに別の単糖類と結合した複合多糖類として存在している。ヘミセルロースは穀類、豆類、小麦フスマなどに多く含まれ、不溶性食物繊維としてセルロースと似た作用がある。また免疫賦活などに有効な機能性物質としても注目度が高い。