○鶏冠花(けいかんか)
熱帯アジア、インドを原産とするヒユ科の一年草ケイトウ(Celosia cristata)の花序を用いる。ただし一般に流通しているのはノゲイトウ(C.argentea)の花穂である。本来、ノゲイトウの花は青葙花、種子は青葙子というが、混同されることが多い。一方、ケイトウの種子である鶏冠子もしばしば青葙子として扱われている。
花の色が赤く雄鶏のとさかに似ていることから鶏頭とか鶏冠という名がある。ただし花の色には紅色、桃色、黄色などがあり、薬用には白鶏冠花が最もよいとされている。花の成分にはアルカロイドやトリテルペノイドが含まれるといわれるが、詳細は不明である。
漢方では収渋薬として止血・止瀉・止帯などの効能があり、痔、下血、吐血、血痰、血尿、血性帯下などさまざまな出血に対して用いる。下血には・地楡・塊花、痔には防風炭・黄芩炭、性器出血には血余炭・棕櫚炭・烏賊骨などと配合する。
赤白痢や難治性の下痢には椿根皮・石榴皮などと配合する。また帯下には烏賊骨・芡実などと配合する。凍瘡には煎液で患部を洗う方法もある。