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日曜日, 11月 06, 2005

グルコサミンについて

○グルコサミン

 グルコサミンは、構造的には糖とアミノ酸(タンパク質の構成成分)が結びついた代表的な天然のアミノ糖の一種で、人の体では細胞同士や組織同士を結びつける結合組織として、特に軟骨、腱、爪、皮膚などに広く分布している。カニやエビなど甲殻類の外殻を形成するキチン質のほか、ムコ多糖などにも含まれるが、機能性食品としてはキチンを塩酸または硫酸で加水分解して単離、精製して作られる。水には易容性を示す。

 キチン・キトサンの食効に関する基礎研究や応用を追いかける形でヨーロッパからアメリカへとグルコサミンの研究開発が広がった背景には、細胞の若返りといった美容効果、壮健効果への期待はもちろんとして、関節症に対する有効性という大きなニーズが横たわっていた。というのは、高齢化、肥満、運動不足といった現代人の抱える不都合な因子のために、全員いたるところの関節内で軟骨の磨耗、炎症が起こっており、特に腰や膝の慢性関節炎に罹患するケースが増え続けているからで、そのため軟骨の構成成分であるグルコサミンやコンドロイチンに脚光が当てられたのである。ちなみにわが国の関節症患者は約80万人、その8割は女性である。

 欧米では、製造過程で加水分解に硫酸を用いる硫酸塩グルコサミンを用いた製品や研究成果が多く、わが国では塩酸を用いた塩酸塩グルコサミンの研究も盛んであるが、関節症(変形性関節症及び類似症)に対する機能はどちらにも優れたものがあり、甲乙付けがたいことも明らかになった。現在は、その摂取法や他の機能性成分との効果的な組み合わせに関心が移行し始めている。

 もうひとつ別の面からの研究として、グルコサミンがガン細胞から出る「やせる毒素」を阻害して食欲不振を改善し、ガンによる衰弱を防ぐとする奥田拓道(愛媛大学医学部)らの報告がある。

 その毒素は米国の学者グリーンシュタインの発見した「トキソホルモン」で、ガン細胞が分泌するこの物質によって、脂肪細胞の脂肪が分解されることを、奥田らはザルコーマ180ガン細胞を移植したマウスによって確認した。さらに、ガン細胞から精製したトキソホルモンをマウスの脳側室に注入すると、急激に食餌量が低下することが確認され、それが脳の満腹中枢を刺激する結果であることも明らかになった。すなわち、ガンに罹った患者が急激に痩せるのは、トキソホルモン(ガン毒素)のために脂肪細胞内の脂肪がどんどん分解されていく一方、食欲不振に陥るためである。

 この場合、実験に用いられた種々の物質の中で、グルコサミンだけがトキソホルモンの作用を阻害して、脂肪細胞内でいたずらに脂肪が分解されることを抑え、また満腹中枢の興奮を抑える働きを持つことが確認された。すなわち、グルコサミンには、ガンによる急激な痩せと、それによる衰弱を食い止める働きが期待されるのである。

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