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火曜日, 12月 20, 2011

色々な魚介類(3)

※しらうお(白魚)

 シラウオ科の小型魚で日本全国の内湾に棲み、1年で全長約10cmの成魚となり、3~5月頃、川を遡って産卵する。肉質のあぶらぴれがあり、頭に”葵の紋様があるとして江戸時代には特別に管理されたという。脂肪が少ないので(生100g中2g)、吸い物、寿司ネタ寿司ネタ、酢の物、茶碗蒸し、卵とじ、唐揚げ、天ぷら、素干しなどに調理される。クセがなく美味で、いずれにしても丸ごと食べるのでカルシウム(同150mg)の補給によい。

 名前の似ているシロウオ(素魚)はハゼ科の魚で、シラウオとは別種。シロウオは全長約5cm、体は半透明で鱗・側線はなく、本州から九州の海岸近くに棲み、春先に川に遡って産卵する。生きている時は半透明で美味だが、死ぬと真っ白に変色して味が落ちる。生きたまま食べる”踊り食い”は福岡市室見川の名物料理になっている。

※あゆ(鮎)

 日本全国の清流に生息する淡水魚。稚魚は川を下って海で冬を越し、春に再び川に遡って成魚(全長20~30cm)となり、秋に産卵する。川底の石についている藍藻類を食べて成長するため、6月頃のものはアユ特有の香気が強くなり美味である。そのため香魚とも呼ばれる。天然のものは年々少なくなり、近年は養殖アユが多く出回っている。

 アユはビタミンAを多く含んでおり、特に養殖アユの内臓に多い。焼いた養殖アユ100g中、身には480ug(天然は120ug)、内臓には6000ug(同2000ug)含まれている。また、魚には珍しく少量ながらビタミンCを含んでおり、こちらは天然アユに多い(焼き100g中、身に2mg、内臓に5mg)。このほか天然・養殖共にカルシウム、鉄、ビタミンE・B12・Dが比較的多く含まれている。

 アユは内臓も一緒に食べられるので、季節感あふれる香りを楽しみながらビタミン・ミネラルの補給ができる初夏の魚である。なお、内蔵や卵巣を塩辛にしたものは「うるか」と呼ばれ、酒の肴として珍重されている。

※たこ(蛸)

 食用とされるマダコ、テナガタコ、イイダコ、ミズダコなどが代表種である。いずれも水分が80%を超えるが、タンパク質は意外に多く、マダコで16.4g、イイダコで14.6g(いずれも生100g中)を含む。脂質、糖質はほとんどない。かつてタコやイカはコレステロールが多い食品として敬遠される嫌いがあったが、タウリンという含有流アミノ酸に脚光が当たったことで、タコもまた健康食材として出番を迎えることとなった。この、”準必須アミノ酸”ともいわれるタウリンには血中コレステロールを減少させる作用があるため、動脈硬化や心筋梗塞の予防につながる。

※おきあみ(沖醤蝦)

 オキアミ科の甲殻類の総称で、大型プランクトンの一種。海生で主として南氷洋に生息し、ヒゲクジラ類の餌となるほか、養殖魚の餌(年間1万数千トンが充てられる)にされてきたオキアミであるが、近年は健康素材として見直されてきている。食用にされるのは全長3mのナンキョクオキアミで、カルシウム360mg、銅が2.3mg、鉄が0.8mg(いずれも生100g中)と多く、リンやカリウムなどにも富む。加えてエビ類には見られないビタミンA(レチノール)が180ugと優れており、ビタミンB1・B2・C、ナイアシンを含むことでも見逃せないものがある。このほか血圧を下げるのに有効なペプチド類も含むので、動脈硬化や心筋梗塞などの予防にもつながる。オキアミは佃煮や塩辛にされるが、乾燥させた干しアミは大根おろしと和え物にしたり、野菜と共にかき揚げにするとかなりの量を摂ることができる。