少糖類は、単糖が2~10個程度グリコシド結合(縮合)してできた糖で、オリゴ糖とも呼ばれる。結合する単糖の数によって二糖類、三糖類、四糖類などに分けられるが、ヒトでは二糖類(スクロース、マルトース、ラクトース)が重要である。また、これらの糖を材料に酵素の働きなどを利用して工業的に作られる各種オリゴ糖があり、健康機能面から関心を集めている。
○スクロース(sucrose)
ショ糖ともいう。グルコースとフルクトースがα-1.2結合した二糖類で、砂糖の主成分である。果物や花蜜など多くの植物に存在するが、特にサトウキビやサトウダイコンなどに多く含まれている。食事で体内に取り組まれたスクロースは、サッカラーゼという酵素によってグルコースとフルクトースに切断され、小腸で吸収されてエネルギー源となる。
○マルトース(maltose)
麦芽糖ともいう。2個のグルコースがα-1.4結合した二糖類で、発芽種子、特に麦芽に多く含まれている。甘さはスクロースの3分の1程度。水飴の柔らかな甘味の主成分になっている。デンプンやグリコーゲンを加水分解すると得られる。マルトースは、小腸でマルターゼという酵素によって2個のグルコースに切断され吸収される。
○ラクトース(lactose)
乳糖ともいう。ガラクトースとグルコースがβ-1.4結合した二糖類で、動物の乳汁中にのみ存在する。人乳に約7%、牛乳に約4%含まれている。甘さはショ糖の5分の1程度だが、消化・吸収に優れているため、乳児の栄養源として欠かせない糖である。また、カルシウムやマグネシウムの吸収を高める働きもある。
ラクトースは、小腸でラクターゼという酵素によってガラクトースとグルコースに分解され吸収される。ラクターゼが欠損する人では、ラクトースの分解が阻害され吸収不全となり下痢などの胃腸障害を起こす。これを乳糖不耐症という。