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金曜日, 9月 14, 2007

ホウレン草

○ホウレン草

 西アジアを原産とするアカザ科の一年草。緑黄色野菜の代表といわれ、貧血対策や子どもの成長促進、ガンの予防など、期待される食効は数多くあり、日常的に摂る野菜類の中ではトップスター的に扱われている。緑黄色野菜とはビタミンAを大量に含む濃い色の野菜を指しているが、その場合のビタミンA含有量の基準は「食べる部分100g中にカロチンを600ug以上含む」とされている。ホウレン草(生100g)のカロテン量は4200uf(700ugRE)である。

 このほかビタミンB1・B2・D・E・K(病的な出血を抑える)、葉酸(貧血・下痢・舌炎を治す)などを含み、ミネラルとしてはカルシウム、鉄、ヨウ素、銅、マンガンなどをバランスよく含んでいる。タンパク質も比較的豊富で、アミノ酸はトリプトファン、バリン、フェニルアラニンなどが多く、その組成は動物性タンパク質によく似ている。

 こうした栄養素の総合的効果によって不眠症・自律神失調症・更年期障害・皮膚の過敏症・便秘・胃弱などを治し、体力強化に役立つ。ただ、豊富な鉄分によって貧血改善の切り札のように考えられてきたホウレン草であるが、含まれている蓚酸によって鉄やカルシウムの吸収が妨げられ、かえって貧血やカルシウム不足による骨粗鬆症などを助長するという研究も発表されている(1994年、広島女子短大家政学部)。最近はサラダとして蓚酸の少ない改良種も出回っており、従来のものに比してアクが少ない分食べやすいが、色も味も淡白である。