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火曜日, 11月 22, 2011

きんかん(金柑)

○きんかん(金柑)

 ミカン科の常緑低木の果実で中国が原産。日本へは鎌倉時代末期に渡来し、主として福岡、和歌山、静岡などの温暖な地域で栽培されている。柑橘類の中では実は一番小さい。果皮には甘味と香気があり、皮ごと生食される。12~2月ごろが出盛だが、時期が短いのと量的にも少ないためミカンのようには目に触れないのが残念である。

 風邪が流行るとキンカンが売れると昔から言われ、民間薬として親しまれてきた。それはビタミンC・B1・B2・E、ヘスペリジン(ビタミンP)、カルシウムを豊富に含み、柑橘類の中では最も栄養価が高いからで、ビタミンCは100g中49mg、カルシウムは80mである。ビタミンCやカルシウムは皮膚の抵抗力を強めるのにも役立ち、ヘスペリジンはビタミンCの吸収を高め毛細血管を強くする働きがある。従って風邪のみならず、動脈硬化や高血圧の予防、血管の老化防止、歯槽膿漏などにも有効である。キンカンの甘露煮は鎮咳・去痰薬として昔から愛用されている。