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土曜日, 1月 07, 2012

あかめがしわ

○あかめがしわ(赤目柏)

 本州以南、中国南部、台湾などに分布しているトウダイクサ科の落葉高木アカメガシワ(Mallotus japonica)の樹皮を用いる。若芽が赤いためアカメといい、柏餅の柏の葉のように食べ物を包んだりしたためアカメガシワという。ただし、葉の形はブナ科のカシワとは似ていない。

 日本の民間療法として、古くは「切らずに治す腫れ物の薬」として用いられていたが、明治以降は煎じて胃潰瘍や胆石症の治療に用いられることが多い。樹皮にはゲラニインなどのタンニンやベルゲニン、ルチンなどが含まれる。成分のベルゲニンには胃液分泌抑制作用や抗潰瘍作用がみられ、樹皮のエキスは潰瘍治療薬として製剤化されている(マロゲン)。また胆汁排出に関して葉のエキスは少量で促進、大量で抑制、樹皮のエキスには抑制作用がある。胃、十二指腸潰瘍、胃酸過多、胆石症には樹皮を煎じて服用する。

 近年、樹皮エキスには腸壁の腸平滑筋に直接作用し、腸の緊張を高め、便秘、下痢、便秘下痢交代といった便通異常に効果のあることが見出され、過敏性腸症候群の治療にも期待されている。そのほかや腫れ物には樹皮の煎液を内服したり、葉の煎液で洗ったりする。痔の痛みには生の葉の汁を患部に塗る療法もある。またあせもの治療に葉を浴湯料として用いる。