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月曜日, 11月 07, 2005

小麦胚芽について

○小麦

 日本人の主食として、米と並んで多く摂られているのが小麦である。ざっと見渡しても、パン、うどん、中華麺、そうめん、ひやむぎ、スパゲティ、マカロニなど、朝食や昼食の主役となるものは小麦を原料にしたものが多い。このほか、麩や餃子・焼売の皮なども小麦である。

 このように、もっぱらパン類や麺類として摂取される小麦だが、小麦成分を健康機能素材として利用した加工食品もある。古くから知られているのは小麦胚芽や小麦胚芽油だが、最近は小麦タンパク質も注目されている。小麦の水溶性タンパク質である小麦アルブミンは、ヒトの唾液や膵液に含まれるデンブン消化酵素(アミラーゼ)の働きを穏やかにする。そのため、食事の中に含まれる糖質の大部分を占めるデンプンの消化吸収を遅らせ、急激な食後血糖値の上昇を緩和する作用がある。この機能性に着目して、小麦アルブミンを含んだ粉末野菜スープなどが特定保険用食品として商品化されている。このほか、大腸ガンの予防効果が期待される食物繊維として小麦フスマもよく知られている。

○小麦胚芽

 パンの原料である小麦は、本来栄養のバランスがとれえた穀物であるが、パンは胚芽を取り去った小麦粉だけで作るので、かたよった栄養になってしまう。「玄米」の項で述べたように、穀類の外皮(糠)や発芽部分(胚芽)はタンパク質や脂肪、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれ、栄養価値は大きいが、消化が悪くて食用に不向きなので、あまり使われていない。こうした欠点を除き、小麦の胚芽の持つ栄養を生かしたのが、健康食品の小麦胚芽である。

 小麦胚芽は、小麦の粒にある胚芽部分を集めて食べやすくしたもので、白米(精白米)の20倍のビタミンB1、B2が含まれている。そのほかにもビタミンE・B12などが豊富なのが特徴。とくに、ビタミンEは小麦胚芽油でもよく知られているように、その効果は大である。血液の循環をよくし、脳に十分な酵素を補給したり、新陳代謝に必要な酵素の働きを促したりするほか、細胞の老化を防止する、などに役立つ栄養である。

 ビタミンB群の重要さにも注目すべきものがある。B1が不足すると、たとえば脚気になりやすくなる。これは「疲れやすい」「根気がない」といった症状を呈するもので、戦前は栄養不足のために、かなり多く見られた疾病である。ところが一時はほとんど影をひそめたこの病気が、食生活が豊富といわれえる近年、再び、見られるようになり、ビタミンB1不足の子供たちが急増しているという調査が発表され、各方面から注目された。

 こうしたビタミンB群不足を補うのに、小麦胚芽は格好の栄養食品なのである。その効用は、①ビタミンB1やB2が多く糖質の代謝が円滑に進むので、便秘も解消し、痔も治る、②カルシウムの吸収率を高め、さらにビタミンEが心筋の働きを強化し、毛細血管の新陳代謝を促進するので、心臓病、喘息に効果がある、③疲れやすく、寝つきの悪い人にはビタミンB2、B6不足の人が多いので、こうした人の栄養補給によい、④ビタミンやミネラルは関節リューマチに効果があるなどである。

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