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火曜日, 4月 02, 2013

沙参

沙参(しゃじん)

 中国東北部の遼寧・杏林・黒龍江省に分布するキキョウ科の多年草サイヨウシャジン(Adenophora terraphylla)、中国中部に分布するトウシャジン(A.axilliflora)およひ同属食部の根を用いる。

 日本でも古くからトウシャジンが栽培され、東北地方では野生化している。また同属植物のツリガネニンジン(A.triphylla)の根も沙参として扱われ、日本産や韓国産はおもにこれを用いている。ところで中国市場には北沙参と南沙参の2種類があり、日本でも沙参としっているのは南沙参のことである。北沙参はハマボウフウ(Glehnia littoralis)の根であるが、これは日本の浜防風に相当する。

 沙参の成分にはサポニンやイヌリンが含まれ、局所刺激作用や去痰作用が知られている。漢方では補陰・止咳・去痰の効能があり、肺熱による咳嗽や咽頭腫痛、口渇、咽乾などに用いる。北沙参と南沙参の薬効はほぼ同じであるが、補陰作用は北沙参のほうが強く、去痰作用は南沙参が強い。