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月曜日, 4月 16, 2012

海蜇

○海蜇(かいてつ)

 クラゲのひとつ。ビゼンクラゲ科のビゼンクラゲ(Rhopilema escukenta)を用いる。ビゼンクラゲ(備前水母)は、かつて瀬戸内海の児嶋湾に多く産したため、備前の名があるが、現在ではほとんど姿が見られない。

 ビゼンクラゲは古くから食用にされたクラゲであり、これを食塩と明礬で水分を除いた塩蔵品が市販されている。中国では傘の部分を海蜇皮、口腕部を海蜇頭という。これを水で戻したあと、細く切って酢の物にしたものが中華料理の前菜としてよく知られている。日本でも江戸時代に岡山藩から幕府へ毎年献上されていた。

 クラゲは生のままでは98%以上が水分であり、栄養価に乏しいがコリンを含むという報告もある。漢方では去痰・消積の効能があり、喘息や痰の出る咳、胃のつかえ、便秘、下肢の浮腫などに用いる。