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火曜日, 4月 15, 2008

フィチン酸

〇フィチン酸

 化学物質名はイノシトール六リン酸。inositol(イノシトール)とphosphate(リン酸塩)からIP6と略記されることも多い。フィチン酸は米糠や胚芽、穀類、種子などに多く存在し、米ぬかには約8%含まれている。キレート作用があることから、食用油の酸化防止などに利用されている。

 最近の研究では、フィチン酸にガン細胞の発生と増殖をコントロールする働きのあることがわかり、世界の研究者が注目している。特に米国メリーランド大学医学部のA・シャムスディンはIP6の研究の第一人者として世界的に知られており、日本でもその著作「天然抗ガン物質IP6の驚異」(坂本孝作訳、講談社、2000年)が邦訳され、多くの関心を集めた。1998年に京都で開催された「米糠国際シンポジウム」では、シャムスディンをはじめ多くのアメリカの研究者が参加し、その発表の大半はIP6がテーマとして取り上げられ、免疫活性のほか、少量アスピリンのように血液凝固を防ぐことで心筋梗塞や脳血栓を予防すること、高脂血症の予防、尿結石抑制への有効性などが報告された。