○野ブドウ
野ブドウは全国各地の山野に自生する蔓性の落葉植物で、その薬効は江戸時代には既に知られており、「本草綱目啓蒙」という江戸末期の本草書には「突き目、目の充血、打ち身、捻挫、はれもの、リュマ-チ、関節炎など、外用薬として消炎、鎮痛に効果がある」という効果が記載されている。その野ブドウが近年、エキス内服によって肝臓病、リュ-マチ、喘息などに効くことが体験的に報告され注目を集めている。
北関東から東北地方にかけて、野ブドウの果実酒が肝臓病の全身倦怠、食欲不振、吐気、嘔吐、浮腫を改善したという伝承が多いが、独協医科大学組織培養ケンキュウセンタ-の勝田らの研究グル-プは「野ブドウのエキスは肝硬変の治療に役立つ可能性が大きい」という学会発表を行っている。また、この研究を引き継いだ同大生薬研究所の山田喬は「脂肪肝にしたネズミに野ブドウのエキスを投与したところ、肝細胞に充満していた中性脂肪などからなる脂肪滴が消失した。これはアルコ-ル性肝疾患への有効性を示唆する。基礎実験で見る限り、野ブドウのエキスは肝細胞の増殖にはブレ-キをかけないで直接的にコラ-ゲン形成を阻止または抑制する。これは肝硬変を予防または治癒させる可能性を示すものだ」と発表している。
野ブドウには高分子の多糖体が大量に含まれており、中国でもその抗ガン作用に注目が集まっている。また、黄疸、肝炎、肺結核、骨髄炎、乳腺炎、リンパ腺炎、中耳炎、リュ-マチ痛、排尿痛、打撲傷、骨折などにも使われており、果実は焼酎漬けに、葉、蔓、根は陰干しにして煎じて飲まれている。
野ぶどうの商品一覧