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火曜日, 9月 04, 2007

バナバ茶

○バナバ茶

 お茶タイプの健康食品は喫茶の習慣が染み付いたわが国ではなじみやすく、古くから緑茶や紅茶を凌ぐほどの人気を得た健康茶類も多いが、比較的新しく導入されて以来、血糖値を下げる働きをもつ有効成分が確認されたことも手伝って急速に知名度を高めたのがこのバナバ茶である。

 バナバ葉ミソハギ科の常緑高木で、フィリピン、インドネシア、タイ、インドなど熱帯、亜熱帯に広く分布している。和名はオオバナサルスベリ。バナバ茶はその直径20cm余りの楕円形で肉厚の葉を乾燥させたもので、フィリピンでは糖尿病、肥満などのほか、利尿用に古くから民間伝承薬として愛用されてきた。インドネシア、タイ、インドでも痩身、解熱用として、また潰瘍、便秘などへの効用が重宝がられている。フィリピンでは自国で育つ薬用植物の活用を保健政策として推進しているところから、薬学的研究や臨床試験への取り組みにも熱心で、バナバを医薬用植物に指定して近年積極的に農園栽培を実施して産出量を拡大、わが国へも販路を伸ばすこととなった。

 わが国では、バナバの成分研究は既に1970年代の初めから東北薬科大学生化学教室などで行なわれ、その後はバナバ茶の入手困難などのため研究は一時中断していたが、最近になって潜在患者数600万人(40歳代以上の10人に1人)とも700万人ともいわれる糖尿病への対応が急がれ始めた中で、改めて注目されることとなった。山崎和男(広島大学医学部総合薬科活性構造化学教室)がバナバ茶に含まれるインスリンに似た働きを持つコロソール酸を分析して、その薬理作用を公表したのは1993年のことである。それによって、体細胞にブドウ糖が取り込まれるのを調整するブドウ糖輸送体(グルコース・トランスポーター)というタンパク質の活性を増強する働きがコロソール酸にあることが解明されている。

 また、大沢啓助(東北薬科大学生化学教室)らは薬物で強制的に糖尿病を起こさせたラットにバナバ茶のエキスを与え、血糖値が半減する結果を得ている。さらに角田隆巳(伊藤園中央研究所)、竹内久直(静岡大学農学部)、黒柳正典(静岡県立大学薬学部)らは、遺伝性糖尿病ラットにバナバ乾燥葉の熱水抽出エキスを投与して血糖上昇抑制効果を認めたことを94年の日本農芸化学会で報告している。

 バナバ茶の成分を見ると、カルシウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラルが多いことも特徴で、亜鉛のコレステロール沈着抑制作用、マグネシウムの血糖消費促進効果、カルシウムの血圧効果作用などを考えると、バナバ茶は若さと健康を求める現代人に非常にマッチした健康食品であるといえるだろう。

バナバ茶の商品一覧