スポンサーリンク

火曜日, 9月 08, 2015

川楝子

○川楝子(せんれんし)

 中国の四川・河北・湖南・河南省などに分布するセンダン科の落葉高木トウセンダン(Melia toosendon)の果実を川楝子という。センダンは日本だけでなく世界各地で公園樹や街路樹として利用されているが、変種が多くて分類が困難である。

 一般に中国ではセンダンを楝樹といいい、タイワンセンダンを苦楝、トウセンダンはその主産地の四川省の名を冠して特に川楝という。しかし市場では習慣的にトウセンダン(川楝)の樹皮は苦楝皮として、一方、タイワンセンダン(苦楝)の果実は川楝子として扱われている。日本ではおもにタイワンセンダンの果実が流通している。タイワンセンダンの果実はやや小型で、毒性が強いといわれている。

 トウセンダンの果実にはトウセンダニン(メルソシン)、タンニン、リンゴ酸などが含まれ、トウセンダニンには回虫に対する殺虫効果がある。漢方では理気・止痛・駆虫の効能があり、さまざまな腹痛、例えばストレスや情緒と関係した腹痛や脇通で、張ったような重苦しい間欠的な痛みや、陰囊などの下腹部痛(仙痛)、寄生虫による腹痛に用いる。

 腰や股間に響くときには当帰・附子・茴香などと配合する(当帰四逆湯)。回虫による腹痛には烏梅・花椒などと配合する(椒梅湯)。このほか川楝子をあぶって粉にしたものを急性乳腺炎のときに服用したり、シラクモ(頭部白癬)などに外用する。