○サジー(沙棘)
サジーはナワシログミ科の多年草植物で、ユーラシア大陸全域、とくに中国黄河流域を中心に自生分布している。自然条件の厳しい乾燥した寒い山間部で育つことから、その強い生命力と、豊富に含まれる薬理成分によって、中国では珍しい果実、中国国宝とまで言われ、高い評価を得ている薬用植物である。サジーはまた、土壌流失の防止、自然環境の保全にも有効であることから、特に中国内陸山間部の経済発展を促進する重要な植物として期待されている。
サジーの薬用植物としての評価は古く、唐の時代に編集された「月王薬珍」「四部医典」、清の時代の「晶珠本草」などの古典医学書に医薬用途が記載されている。1977年に中国衛生部が中国薬典に、サジーを薬と食物の両用品目として正式記載している。また、旧ソ連でも早くからサジーの薬理研究に取り組み、数多くの基礎研究と臨床実験を通じて、サジーの果実やサジー油の活性成分は160~190種類あることを見出し、いち早くサジーを正式な医薬品として認め、宇宙事業の医学部門においては宇宙飛行士の保険薬品にも指定している。
60年代から始まった中国におけるサジーの薬理研究によると、サジーは果汁、果実油、種子油、葉など各部位に有効成分が含まれるが、果汁のビタミンC含有量は他の果物の含有量を全て上回っているという。また、種子油、果実油はビタミンEとβ-カロチンの含有量が高く、他に必須アミノ酸を始め、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、セレンなどの微量元素やクマリン、ヒロカテコール、グリシン、ペタイン、5-オキシトリプタミンといった抗酸化物質や生理活性成分が含まれている。
サジーの薬理効果として現在までに明らかにされているのは、①循環器疾患に対する効果、②虚血性脳血管障害に対する効果、③新陳代謝及び自己免疫系統に対する効果、④腫瘍・ガンに対する効果、⑤呼吸器疾患に対する効果、⑥消化器疾患に対する効果、⑦肝臓の保護作用、⑧各種炎症・皮膚再生効果、⑨脳代謝改善作用、⑩老化防止作用などである。
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