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日曜日, 9月 09, 2007

健康志向米

○健康志向米

 これまでは美味しさだけが追求されてきた米だが、最近は機能性成分を含んだ新品種が次々と登場しており、米にも健康志向が強まってきている。注目度が高いのは色素米や巨大胚芽米、低グリテリン米などで、いずれも製品化され市場に出ている。

 色素米は米糠部分に色素を含んだ米で、アントシアニン系色素の紫黒米(紫や黒色)、タンニン系色素の赤米(赤色)があるが、どちらの色素も動脈硬化やガンの予防に効果がある抗酸化物質のポリフェノールである。なかでも注目されているのが朝紫という品種で1996年に品種登録されたものだが、従来の紫黒米に比べて収量が多いという特徴がある。

 巨大胚芽米は普通品種に比べ胚芽が3倍以上も含まれる米で、発芽玄米の状態で増える天然物質のGABA(γ-アミノ酪酸)もその分多くなる。GABAは神経の沈静化、血圧の正常化、中性脂肪の抑制に関与するアミノ酸の一種である。2002年から本格生産が始まった巨大胚芽米「はいみのり」は、一般の米よりも発芽したときのGABAの増え方が大きく3~4倍あるという。

 低グリテリン米は、タンパク質のグリテリンが普通品種の半分以下の米で、腎臓病患者の食事療法への活用が期待されている。なかでもグリテリン量が通常の1/3という品種「春陽」(2002年から生産)が注目されている。このほか、300人の1人という米アレルギーの原因となるタンパク質を少なくした低アレルゲン米もある。長岡氏の製菓メーカーが味を損ねない製法を開発して販売にこぎつけた。