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月曜日, 11月 25, 2013

○獺肝(たっかん)

 ほぼ世界全域に生息するイタチ科の動物カワウソ(Lutra lutra)の肝臓を用いる。かつて日本各地にニホンカワウソが生息していたが、毛皮はラッコに似ていて良質のために乱獲され、1979年に高知県の須崎で目撃されたのを最後に、現在では絶滅したと考えられている。

 体長約70cmくらい、尾の長さは40cmくらいの細長い茶褐色の動物で、脚には水かきがある。川や湖の岸辺に生息し、半水生動物で、夜間活動して魚介類や小鳥、ネズミ、カエルなどを食べている。薬材の肝臓は6片に分かれた黒褐色のもので、ひとつが5cmくらいである。

 漢方では滋陰清熱・止咳・止血の効能があり、虚労や結核、慢性疾患などによる発熱、盗汗、咳嗽、喘息、下血などに用いる。金匱要略では獺肝一味をあぶって粉末にしたものを肺結核に用いている(獺肝散)。