○刺猬皮(しいひ)
中国各地の山林や草原に生息しているハリネズミ科の動物、ナミハリネズミ(Erinaceus europaeus)あるいはダウリアハリネズミ(Hemiechinus dauuricus)の皮を用いる。
これらハリネズミは夜行性でおもに昆虫や小動物を食べている。体長は約20cm、1.5~2cmの硬くて鋭いとげで背部が密に覆われている。敵にあうと体を丸めて、とげの球になる。
冬眠時に捕獲しやすく、捕られたハリネズミの皮を剥ぎ、裏返して石灰を薄くまき、風通しのよいところで陰干しにする。一般に用いるときには炒めたものや焼いて灰にしたものを粉末にして用いる。
漢方では収渋・止血の効能があり、嘔吐や下痢、腹痛、下血、遺精に用いる。とくに痔の治療薬として有名で、槐角・地楡などと配合する(舒痔丸)。