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木曜日, 1月 31, 2008

しじみ(蜆)

しじみ(蜆)

 シジミガイ科に属する二枚貝の総称。殻の直径が4cm近くにもなるマシジミ、琵琶湖水系の特産であるセタシジミ、全国各地の河口付近で採れる、ヤマトシジミ奄美以南に棲むヒルギシシミなどが代表的な種類だが、よく食べられているのはヤマトシジミである。日本各地の河川や湖沼、あるいは海水の混ざる河口付近に棲むシジミは古くから日本人に好まれ、貝塚からの発掘も多いことから分かるように食用の歴史は長いが、近年は河川や湖沼の環境汚染によって収量が減り、輸入物が相当出回っているのが現状である。

 シジミの味噌汁は日本人にとって忘れられない味の1つであるとともに、シジミに豊富なアミノ酸(タウリン、アラニン、アルギニンなど)、ビタミンB群(B1・B2・B12)、ミネラル類(カルシウム、カリウム、鉄)に味噌の栄養価が加わり、またとない美味しい健康食となっている。昔からシジミは黄疸によいとされてきたのは、タウリンやビタミンB2・B12が肝臓の働きを助けるためでもあるので、面倒がらずに身を残さず食べることが大事である。悪性貧血や皮膚疾患にも徐々にではあるが効を奏する。

水曜日, 1月 30, 2008

牡蠣

牡蠣

 イタボガキ科の二枚貝で、一般に広く出回っているのはマガキであるが、このほかにもイワガキ、スミエノガキ、イタボガキなどが食用とされている。マガキは日本全土のどこでも獲れるが、養殖の主産地は広島、宮城である。わが国で牡蠣の養殖が始まったのは17世紀と早く、広島、汽船沼、松島、志摩、浜名湖などが中心となっている。

 海のミルク、海の玄米などといわれる牡蠣は栄養的に優れた食品で、糖質の大部分をグリコーゲンが占めている。他の貝類に比してたんぱく質や脂質は量的に少ないが、タウリンやグルタミン酸などの遊離アミノ酸が多い。ビタミンA・B1・B2などのほか、鉄・カルシウム・亜鉛・銅などのミネラル多く含むため、貧血にはもってこいの食品として珍重されている。ビタミンB群は代謝機能を活発にし、疲労回復や虚弱体質の改善に有効である。また、タウリンには脂質やビタミンA・Eなど脂溶性ビタミンの消化吸収を助ける働きがあり、血中コレステロールを減らし動脈硬化の予防にも役立つ。

 牡蠣が食べごろとなるのは体内にグリコーゲンを多く蓄えた時期で、マガキは冬(11~2月頃まで)、イワガキは夏(8月)が旬である。

日曜日, 1月 27, 2008

どじょう(泥鰌)

〇どじょう(泥鰌)

 ドジョウ科の淡水魚で、水田や小川などの泥底に棲み、日本や朝鮮半島、中国に分布する。全長12cm位になり、口辺りに五対のひげがあり腸呼吸をする。脂がのって美味しくなる5~7月頃が旬である。

 ドジョウはカルシウムが多く、生100g中に1100mg含まれ、魚類中ではトップクラスである。これはシシャモ(330mg)の3倍、マイワシ(75mg)の16倍になる。また、カルシウムの利用効率を高めるリンが690mgとバランスよく含まれており、格好のカルシウム供給源である。日本人のカルシウム不足はよく指摘されることだが、カルシウムは骨を強くするばかりでなく、精神の安定をはかりイライラの解消にも役立つ。

 そのほかビタミンB2・B12・D、鉄、ナイアシンなども多く含むので、泥臭いからと毛嫌いするには惜しい魚である。ドジョウといえば柳川鍋で、裂いたドジョウとささがきゴボウを一緒に煮て卵でとじた料理だが、使われる独特の鍋が福岡県柳川付近の窯で焼かれていたことからこう呼ばれている。

土曜日, 1月 26, 2008

わかさぎ(公魚)

〇わかさぎ(公魚)

 キュウリウオ科の小型魚で全長15cmほど。背は灰色で側面は銀白色をしており、海水域から淡水域に生息し、北海道から九州に至る各地の湖沼に棲む。古くはチカと呼ばれ、別名アマサギともいう。脂がのっておいしくなる旬は3月頃。

 肉は白身なのでさっぱりしており、脂質は生100g中1.7gと少なく、マイワシの約1/3。栄養面では、カルシウムを100g中450mとマイワシの6倍以上含み、頭ごと内臓も一緒に食べるので骨作りに適している。また、リン350mg、カリウム120mg(いずれも生100g中)とミネラル類も豊富。加えてビタミンB12、Dなども含むので、バランスのよいミネラル補給食品といえよう。から揚げやフライなどのほか、佃煮、あめ煮など保存食として常備しておくとよい。ワカサギの唐揚げにレモン汁をかけると、生臭みを消すばかりでなく味も引き立て、唯一足りないビタミンCも補えるので一石二鳥である。

火曜日, 1月 22, 2008

うなぎ(鰻)

〇うなぎ(鰻)

 精力がつく食べ物といえば誰でも真っ先に思い浮かべるほど古くから重要な栄養源として親しまれてきたウナギ(ウナギ科)は、海で生まれ、河川や湖沼の淡水域で全長約60cmまでに成長するが、棲む場所や餌によって味が異なるといわれている。養殖ウナギは、海で産卵されて5cmくらいの大きさになったものを河口付近で採取し成長させたものである。

 日本のかば焼きに限らず、スペインのオリーブオイル煮、フランスのパイ、イギリスの燻製、イタリアのムニエルなど外国でも盛んに食べられているが、欧米産と日本産とは同じウナギ科でも別種で、世界で約20種あるという。

 強力スタミナ食として有名な八つ目うなぎは別の科に属すが、栄養的特徴はウナギも八つ目ウナギも同様で、なんといってもビタミンAの含有量が豊富である。かば焼き100g中には1500ug含まれているが、これはアナゴ(蒸し)の約2倍である。50gの串焼き1本で成人の1日推奨量(男性750ug、女性600ug)をまかなうことができる計算だ。ビタミンAは夜盲症の予防、細菌感染への抵抗力増強のみならず、抗ガン効果への期待から近年改めて注目されている栄養素である。このほかビタミンB1の含有量も多く(かば焼きで0.75mg)、マガレイ(焼き)の25倍にも及ぶ。さらにビタミンEやEPAも含まれており、老化防止、生活習慣病の予防にも有効である。

月曜日, 1月 21, 2008

ししゃも(柳葉魚)

〇ししゃも(柳葉魚)

 ワカサギと同じキュウリウオ科の魚で、シシャモの呼び名はアイヌ語である。北海道南東部に分布するが、近年市場で出回っているシシャモの多くはオランダなど北ヨーロッパから輸入されているカラフトシシャモ(別名カペリン)と呼ばれるものであわが国では10月頃に十勝川その他の川をる。シシャモは通常沿岸を群泳し、遡り、河口から4~10km余り上流の海水の入らない流域、底が砂利または砂轢の場所で産卵する。

 鮮魚、冷凍品、干物などがあるが、卵を持った雌のほうが喜ばれる。一夜干し程度の干物が一番多く消費されるが、頭から丸ごと食べてカルシウムを摂取できるのが利点であろう。安価で入手しやすいので大いに利用したい食材であるが、酸化して黄ばみやすいので、鮮度をよく確かめて求めたい。カルシウムに関しては国産のものよりも輸入物のほうが多く、味の点で多少遜色があるにしても輸入物も捨てがたい。その他の栄養素としてはビタミンB12、D、パントテン酸などのビタミン類も比較的多く含まれ、骨の強化、老化防止、細胞の活性化などにも効果的である。