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水曜日, 7月 17, 2013

青黛

○青黛(せいたい)

 キツネゴマ科のリュウキュウアイ(Strobilanthes cusia)、マメ科のタイワンコマツナギ(Indigofera tinctoria)、アブラナ科の植物のホソバタイセイ(Isatis tinctoria)などの葉や茎に含まれる色素を用いる。

 リュウキュウアイはインドからインドシナ半島、中国南部、台湾、小笠原諸島や沖縄などで藍の原料として栽培されている。リュウキュウアイやホソバタイセイの葉は大青葉、根は板藍根という。これらの葉や茎を数日間水に浸して発酵させ、石灰を加えてかき混ぜ、浸出液が紫色になったら液面の泡を掬いとり、これを日干ししてできた藍色の粉末を青黛という。つまり葉や茎に含まれるインジカンが発酵やアルカリを加えることにより加水分解されてインドキシルとなり、次に空気による酸化をうけて藍色のインジゴに変わる。

 青黛にはおもにこのインジゴが含まれている。一般にはインジゴは藍染めの染料として用いられている。薬理的には種々の細菌に対する静菌作用が知られている。漢方では清熱涼血・解毒の効能があり、大青葉や板藍根と同様に清熱薬として幅広く用いられ、丹毒などの発疹や発斑を伴う熱病、仕様煮のひきつけ、吐血や喀血、鼻血などの出血、湿疹、腫れ物、蛇噛傷などに応用する。

 小児の栄養不良で、発熱や腹水のみられるときには柴胡・莪朮などと配合する(消疳退熱飲)。高血圧や熱性疾患などで大便が秘結して眩暈やひきつけ、精神変調などがみられ、脇腹の痛むときには当帰・竜胆・芦薈などと配合する(当帰竜薈丸)。

 中国では肝炎や脳炎、耳下線炎、心筋炎などに対する臨床研究が行われている。口内炎や咽頭炎、耳漏、湿疹などには外用薬として用いる。鼻血には青黛の粉を直接出血部に当てて止血する。潰瘍性大腸炎に対する効果が検討されている。