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金曜日, 12月 20, 2013

釣藤鉤

○釣藤鉤(ちょうとうこう)

 中国南部、日本では関東以西の産地に自生するつる性木本、アカネ科のカギカズラ(Uncaria rhynchophylla)の鉤の付いた茎を用いる。中国にはトウカギカズラ(U.sinensis)など多種の同属植物があり、それらも使用している。

 中国ではかつては釣藤と記していたが、現在では鉤(鈎)藤と書く。鉤とはかぎのことで、つるの側枝がかぎ状に曲がり、絡みつくようになっているので鉤藤といカギカズラの名がある。古くは民間療法法として樹皮を用いていたが、経験的に鉤刺を用いるようになり、漢方薬に配合されるようになった。

 茎にはアルカロイドのリンコフィリンやヒルスチン、コリナンテインなどが含まれ、鎮静・降圧・血管拡張などの作用が認められている。漢方では平肝・止痙の効能があり、高血圧の随伴症状や精神的な興奮症状、不眠、心悸亢進などに用いる。なお長時間煎じると効力が弱くなるため、後入れ(後下)する。

 近年、釣藤鉤にアルツハイマー病の原因といわれるβアミロイドに対して凝集作用が認められ、認知症に対する臨床効果が研究されている。