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金曜日, 8月 31, 2007

鴨肉

○鴨肉

 鴨肉は鳥肉類の中でもっとも美味といわれている。食用として流通しているのはマガモ、アヒル、アイガモの3種類である。マガモは全長60cmほどで、雄は頭部が光沢のある暗緑色、首に白い輪があり、あおくびともいわれている。雌は全体が地味な褐色である。日本には9月から11月にかけて飛来してくる冬鳥で、猟鳥に指定されている。

 アヒルは野生のマガモを改良した家禽で、チェリーバレー種、バルバリー種、北京種などがある。アイガモ(合鴨は)野生のマガモとアヒルの交配種である。鴨料理では多くの場合、マガモが使われている。

 鴨肉は鶏肉に比べてビタミンB1・B2が多く含まれている。B1は鶏肉(若鶏胸肉)が0.07mgに対してアイガモは0.24mg、B2は鶏肉が0.09mgに対してアイガモ0.35mg(いずれも生肉100g中)である。また、鴨肉の脂肪は牛肉や豚肉に比べて不飽和脂肪酸の割合が高い。東洋医学では微熱をはじめ、むくみを解消するといういる。

木曜日, 8月 30, 2007

猪肉

○猪肉

 猪は豚の原種といわれ、体長1.5m前後、体重は約100kgある。北海道を除く日本全域に生息するニホンイノシシと、奄美や沖縄に生息するリュウキュウイノシシがいる。日本人の猪肉を食べる習慣は古く、縄文時代から食されてきた。その後、仏教の影響から肉食を禁じられた時代でも山鯨と称し、滋養食として食べ続けられていた。ぼたん肉という名でも親しまれている。

 猪猟は11月中旬から2月中旬までだが、肉の味は年末までに捕ったものが脂がのって美味しい。現在は人工飼育も行なわれている。肉質は豚肉に比べてやや硬く、独特の臭みがある。代表的な料理はぼたん鍋で、味噌仕立てにしてゴボウやセリなど香りのある野菜を加えて煮ると、肉の臭みが気にならなくなる。猪肉は他の食肉と違い、煮込むほど軟らかくなる。このほか焼肉やすき焼きでも食べられている。

 栄養成分は豚肉(ロース)とほとんど同じで、鉄、亜鉛、銅、ビタミンB2・B12は猪肉に多く、ビタミンB1は豚肉のほうが多い。また、豚肉と比べて中性脂肪の材料になりやすい飽和脂肪酸は少なく、逆に不飽和脂肪酸が多い。

水曜日, 8月 29, 2007

鯨肉

○鯨肉

 鯨は80種類ほどが知られており、ヒゲクジラ類とハクジラ類に大別されるが、食用とされるのはヒゲクジラが多い。日本では既に12世紀頃から手銛による捕鯨が始まっており、貴重な動物性タンパク源として日本人の食生活を長らく支えてきた食材である。

 鯨肉は以下の部位に分かれる。下あごから腹部にかけて縞状部分を畝須(うねす)と呼び、鯨ベーコンや大和煮の材料となる。背中や腹部の肉は赤肉といい、ステーキや揚げ物、鍋物などに使われる。尾の身は尾の付け根部分にある霜降り状の肉で、最も美味しいといわれ、刺身としても食される。表皮に覆われた4~6cmの脂肪層部分は本皮、尾の部分は尾羽といい、脂肪やゼラチン質を豊富に含んでいる。

 鯨肉はタンパク質の含有量が多く、ミンククジラの赤身生100g中24.1gと、牛肉や豚肉、鶏肉より多い。一方、脂質は少なく同0.4gである。これは脂肪分が少ない牛ヒレ肉の15g、豚ヒレ肉の1.9gと比べても格段に低い。コレステロールも比較的少なく、他の食肉類の5~6割程度である。鯨は哺乳動物だが、サバやイワシなど魚類に多い多価不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)DHA(ドコサヘキサエン酸)を豊富に含んでいる。このほか鉄分の含有量も多く、羊肉や鹿肉に匹敵する。

 細菌、鯨肉のPCB・水銀汚染が問題になっている。厚生労働省の調査によると、鯨の種類や部位により汚染濃度が大きく異なるという結果が出ている(2003年1月発表)。それによると、市場に流通している鯨肉由来食品の50%以上を占める南極海ミンククジラのPCB・水銀濃度は低かったが、ハクジラ類(ツチクジラ、イシイルカ等)の脂皮、肝臓などには濃度の高いものがあったという。

火曜日, 8月 28, 2007

鶏肉

○鶏肉

 現在、市場に出回っている鶏肉のほとんどがブロイラーである。ブロイラーとは食用を目的に飼育された鶏のうち、孵化後3ヶ月未満の若鶏を指す。国内で白色プリマスロックという雌とコーニッシュの雄の一代雑種が多い。これに対して、日本の在来種から作られた鶏を地鶏といって区別している。地鶏は特定JAS規格制度で、①在来種由来の血が50%以上、②孵化から80日以上飼育、③28日齢以降は平飼い、④一平方メートル当たり10羽以下で飼育したもの、と定義されている。ブロイラーに比べて肉質は硬めだが、味にコクがあって地鶏の人気は高まっている。代表的なものに比内鶏、名古屋コーチン、シャモ(軍鶏)がある。

 鶏肉はモモ肉、胸肉、手羽、ササミの部位に分かれる。モモ肉には赤みがあり胸肉より硬いが、風味が強い。胸肉は肉質が柔らかく、脂肪が少なめで淡白な味である。子どもの成長に必要なアミノ酸のヒスチジンが多く含まれている。手羽は脂肪やゼラチン質に富む。ササミは脂肪が最も少なく柔らかい。新鮮なものは刺身でべられる。

 鶏肉は、豚肉や牛肉に比べて脂肪が少なく淡白な味である。栄養的な特長としてはビタミンAコラーゲンの含有量が他の食肉に比べて格段に多く、鶏皮部分は水分を除くと70%がコラーゲンである。水炊きのような鍋料理の場合、汁に栄養成分が溶け出すのでスープも残さず摂るほうがよい。また、白身の肉のほうが赤身より柔らかく消化によい。

月曜日, 8月 27, 2007

馬肉

○馬肉

 馬肉は、色や味は牛肉と似ているが、脂質が少なく柔らかいのが特徴である。桜肉とも言われるが、これは桜の咲く季節が一番美味しいことに所似するという。食用肉として利用される部分はロイン(腰肉)やモモ肉で、鍋料理(さくら鍋)や地方によっては馬刺しとして生食されている。西洋料理ではテリーヌやタルタルステーキに用いられるほか、コンビーフなどにも加工される。

 馬肉は多糖類のグリコーゲンを多く含むため、肉に甘味がある。鉄分の含有量も多く(生肉100g中4.3mg)、食肉の中ではトップクラスである。東洋医学では、馬肉は体内の余分な熱を治める作用があり、また肝腎の滋養にもよいとされている。筋肉痛などの手当てにも利用され、生の馬肉を患部に貼り付けて炎症を和らげる。

土曜日, 8月 25, 2007

羊肉

○羊肉

 羊は1万年以上の前から家畜化され、食肉としては牛肉に次いで広く世界で食されている。シシカバブ、ハギス(内臓料理)、しゃぶしゃぶ、ジンギスカン、串焼きなど、地域によって特色ある料理も多い。

 羊肉は生後1年未満のものをラム、1年以上をマトンと読んで区別している。ラムは羊肉特有の臭みがなく肉質も柔らかい。日本で消費されるほとんどはオーストラリアかニュージーランドから輸入したものである。

 わが国では北海道や東北以外ではあまり食べてこられなかったジンギスカン料理が、20004年頃から首都圏を中心に人気を呼んでいる。その理由の一つに、アミノ酸の一種である、カルニチンが豊富に含まれている点がある。カルニチンには脂質の代謝を促し、脂肪を効率的に燃焼する作用があり、脂肪燃焼系アミノ酸としてダイエット食品などにも配合されている。また疲労を抑制する効果も期待できる。

 カルニチンは植物性食品には含まれず、動物性食品に多く含まれる。なかでも羊肉は他の肉類に比べ含有量が多く、カルニチンが多いといわれている牛肉の約1.4~3.5倍ある。また、ラムよりマトンのほうが多く含まれている。このほか抗酸化作用のある微量元素セレンが牛肉の約3倍、鉄分も牛肉並みに多い。東洋医学では、羊肉は体を温める作用があり、虚弱した胃の機能回復や女性の冷え性によいとしている。

金曜日, 8月 24, 2007

豚肉

○豚肉

 豚肉は食肉の中で日本人の年間消費量が最も多い。豚は食用以外の目的では飼育されなかった家畜であるが、その歴史は古く、中国やギリシャでは紀元前から、日本では日本書紀に豚の飼育に関する記述が残されている。現在、わが国で飼育されている豚のほとんどが大ヨークシャー種、ハンプシャー種、デュロック種、ランドレース種のいずれかを掛け合わせた雑種である。

 豚はヒレ、ロース、モモ、肩、バラの部位に分かれるが、肉質の硬さに大きな差はなく、さまざまな料理に利用できる。ただし豚肉は寄生虫の心配があるため、生では食べることができない。十分に中まで加熱することが大切である。無菌豚と呼ばれるSPF豚は特定の病原菌に感染していない豚のことで、日本ではマイコプラズマ性肺炎、豚萎縮性鼻炎、豚赤痢、トキソプラズマ病、オーエスキー病の5種類の病原菌を指す。SPFはSpecific(特定)、Pathogen(病原菌)、Free(不在)の略。

 豚肉はタンパク質と脂質の供給源であり、肉類の中ではビタミンB群が多い。特にビタミンB1は牛肉の約10倍もあり、豚肉が疲労回復によいといわれるのはそのためである。ビタミンB1は炭水化物をエネルギーに変えるために必要な物質で、B1が不足すると疲れやすくなる。部位の中ではヒレ肉やモモ肉に多い。

 豚レバーは日本人に不足気味といわれている鉄分とビタミンB2を豊富に含んでいる。脂肪にはコレステロールを下げる働きのある不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含むが、飽和脂肪酸の含有量も多いので過剰摂取には注意したい。

 長寿県で知られる沖縄では、豚肉・昆布・豆腐を長寿三大食品と呼んでいるが、豚肉は下茹でしてから使うのが一般的だ。脂肪の多い豚肉を茹でることで余分な脂肪を落とし、かつ栄養の高いタンパク源として伝統的に食してきたことが、沖縄の長寿を支えてきたといえる。

木曜日, 8月 23, 2007

牛肉

○牛肉

 日本人が牛肉を食べるようになったのは比較的新しく、明治政府が肉食を解禁して以降のことで、さらに広く一般的にも蝕されるようになったのは昭和に入ってからである。現在、日本で食用肉として飼育されている牛は黒毛和種がほとんどである。オーストラリアやニュージーランドから輸入されている牛肉はヘレンフォード種やアンガス種などである。

 牛肉は部位によって成分や特性に差があり、ロース、ヒレ、バラ、ランプ、モモ、肩、スネに区分されている。ロースは背中側の肉で、肩から腰にかけて肩ロース、リブロース、サーロインに分かれる。脂肪が網状には入り肉質は柔らかく、すき焼きやステーキなどに向く。ヒレはサーロインの内側に位置する部位で、脂肪が少なく最も柔らかいためステーキによい。バラは腹側の肉で、脂肪が多く肉質は硬いため煮込み料理に適している。ランプは臀部で、赤みで柔らかくタタキやステーキに向く。モモは腰から大腿部の肉をいい、脂肪分が少なく肉質は荒いが、挽肉や煮込み、炒め物など利用範囲は広い。肩は腕の部分の肉で、脂肪が少なくやや硬いため挽肉や煮込み料理に向く。スネはふくらはぎ部分の肉で、筋が多く硬いが、コラーゲンやエラスチンを多く含みスープや長時間の煮込みに向く。

 牛肉はタンパク質と脂質の供給源である。牛肉のタンパク質には9種類の必須アミノ酸が含まれており、植物性タンパク質に比べてアミノ酸バランスが良く、体内へも吸収されやすい。脂質は1gあたり約9kcal(炭水化物やタンパク質は4kcal)なので、効率よくエネルギーを摂取できる。しかし飽和脂肪酸を多く含むために、日常的に摂取過剰になると血液中のコレステロールや中性脂肪を増やし、動脈硬化の原因となる。

 脂肪を多く含む部位はバラ(和牛肉で50%)で、肩肉やモモ肉が最も少ない(輸入肉で8%未満)また、牛肉は豚肉や鶏肉に比べて鉄分が多く、それもヘム鉄として含まれているため体内へ吸収されやすい。亜鉛も牡蠣などに比べると少ないとはいえ、肉類の中ではトップクラスの含有量である。

水曜日, 8月 22, 2007

フーディア

 フーディア・ゴードニー(Hoodia Gordonii)は、南アフリカのカラハリ砂漠に生育する植物で、外見はサボテンのようですが多肉植物に分類されます。食べられる植物が限られているカラハリ砂漠地帯のブッシュマンは痛みや飢え、喉の渇きを抑えるため、数千年にわたってフーディアを食料源として用いてきました。このフーディアは現在では、身体の中に血中のブドウ糖がたくさんあるかのように脳へ情報を伝達し、満腹感を与えさせる働きがありことがわかっています。その効力はブドウ糖のおよそ10,000倍とも言われており、フーディアを口にしておけば、糖類や炭水化物など、満腹感を促す食物を食べなくとも脳は満腹感を感じてくれます。フーディア1000mgの特徴は食欲をコントロールして空腹感がおこるのを遅らせる。食べた食事の満足感や満腹感を高めます。

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月曜日, 8月 20, 2007

フーディア・ゴードニー

○フーディア・ゴードニー

 アフリカに原生するフーディア・ゴードニー(学名Hoodia gor-doni)というサボテン。過剰な食欲を抑える。ボツワナ共和国のカラハリ砂漠にする先住民サン族は、狩りに出るときフーディアを携帯し、これを少しずつかじって飢えと渇きを凌ぐという。有効成分「P57」は、特許の問題もあって詳しく明かされていないが、抗肥満成分として医薬品開発が進んでいる。P57を摂ると、1日の摂取カロリーを2000kcalも減らせるという報告もある。現在は、フーディアを配合したハーブティーが販売されている。

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日曜日, 8月 19, 2007

みかん(蜜柑)

○みかん(蜜柑)

 ミカン科の常緑低木の果実で日本が原産。温州みかん、ポンカン(椪柑)、紀州ミカン、不知火(通称デコポン)、シイクワーサーなどの種類があるが、一般には温州ミカンを指す。なお、ダイダイ(橙)はサワーオレンジ類。イヨカン(伊予柑)はミカン類とオレンジ類の雑種。夏ミカン、ハッサク(八朔)は雑柑類に分類される。

 温州ミカンは果皮が薄くてむきやすく、種のないのが特徴。栄養的にはビタミンCに富み、100g中32mgも含むので、1日2~3個食べると風邪やシミ・ソバカスなどの予防につながる。ミカンの酸味のクエン酸にはエネルギー代謝を高め疲労を回復させる働きがある。袋には食物繊維(ペクチン)、表皮の裏の白いすじにはビタミンB1・C・Pが含まれ、毛細血管を丈夫にし動脈硬化や高血圧の予防に役立つ。

 ミカンの皮の干したものを中国では陳皮と呼び、漢方では健胃・鎮嘔・鎮咳・解毒・消化不良・胸腹部膨満などに用いられている。また、これを浴槽に入れると体を芯から温め、神経痛や冷え性を改善するといわれている。

土曜日, 8月 18, 2007

豚骨髄エキス(マロー)

○豚骨髄エキス(マロー)

 豚の骨髄(マロー)は栄養豊富な食材として欧米や中国では非常に良く利用されている。この優れた栄養成分に着目して健康食品化されたのが札骨髄エキス(マローエキス)である。

 造血組織である骨髄は、酸素を体中に運搬する赤血球、細胞性免疫を司る白血球やリンパ球、止血作用を持つ血小板などを作る重要な働きをしている。そのため、それらの材料となるタンパク質、脂質、ビタミン類(A・B1・B2・B6・D・葉酸など)、ミネラル類(鉄・銅など)など約60種類の栄養成分を含み、含有成分比はリン脂質80%、タンパク質11.5%、ミネラル類0.55%であり、100gあたりの含有量はカルシウム32.7mg、リン18.3mg、鉄30~50mgなどとなっている。主成分のリン脂質は脳細胞の活性化に重要な働きをすることが知られており、脳疾患治療(痴呆症・パーキンソン病・脳梗塞・脳出血後遺症・脳挫傷後遺症・知恵遅れ・言語障害など)に用いられている。

 また、骨髄を煮出したときに出るエキス成分のコラーゲンコンドロイチン硫酸は細胞の活性を高める働きが期待されている物質で、いきいきとした美肌作りや老化防止に有効である。特にコンドロイチン硫酸は最近その抗がん性に注目が集まっている物質だが、骨髄のエキスの場合には、コンドロイチン硫酸以外の多様な成分が相乗的に関与しながら免疫力を高め働きをしているものと考えられ、現に各種のガン治療の補助に用いられているほか、感冒・結核・膀胱炎・尿道炎・火傷・外傷などに対する細菌やウイルスの感染防止にもよいとの報告がある。

木曜日, 8月 16, 2007

ミネラルウォーター

○ミネラルウォーター

 水が生命活動と健康維持に不可欠な要素であることを疑う人はいないが、世界でも良質な飲料水に恵まれてきたわが国では水質問題に直面することは少なかった。しかし、人口増加と都市への人口集中、生活の質的向上によって年々水道需要が激増する一方、工業排水、農薬や生活雑排水の流入量の増加で水源が汚濁し始めた近年になって、にわかに飲料水の質が関心を集めることとなった。浄水場での沈殿法や活性炭による濾過では除去しきれない種々の有害化合物の溶融という問題が次々に指摘されている。あるいは、潜在や化学肥料の流入で窒素やリンが増えたことによる水の冨栄養化のために、水源の湖沼や貯水池に緑藻類が繁殖して腐敗臭の原因となることも見逃せない。また、有機物が増えて雑菌が繁殖するために塩素の投入量が増え、残留塩素の毒性やカルキ臭さの問題も起きている。

 在留塩素が問題なのは臭気だけではなく、ビタミンCを破壊したり、高血圧の誘引になるという研究も発表されて、その中でも大きな波紋を呼んだのは、発ガン物質であるトリハロメタンが残留塩素によって作られるという警告であった。これはアメリカのR・ハリスが発表した疫学調査(1974年)が発端となったものである。トリハロメタンは水中の腐敗した藻類や屎尿などの有機物に塩素が反応してできる物質である。日本ではハリスの報告から5年ほど遅れて、大阪の水道水などからトリハロメタンが検出されたことと前後して、健康づくりに有益な飲料水を積極的に求めようという気運が盛り上がった。その一つの現われが、発ガン物質などの心配のない清浄なミネラルウォーターの需要増である。

 ミネラルウォーターは「無機塩類やガスを豊富に含む飲用に適した鉱泉の水」と一般に解釈されているが、農林水産省の「ミネラルウォーター類の品質表示ガイドライン」ではさらに細かく定義されている。それによると、特定の水源から採水された地下水を原水とし、沈殿、濾過、加熱殺菌以外の物理的・科学的処理を行なわないものをナチュラルウォーターといい、そのうち、地価で滞留・移動中に地層中の無機塩類が溶解して鉱水・鉱泉水(天然の二酸化炭素が溶解し、発泡性を有する地下水を含む)をナチュラルミネラルウォーターとしている。ミネラルウォーターはナチュラルミネラルウォーターを原水とし、品質を安定させる目的からミネラル分の調整、ばっ気(空気と接触させて水に溶存する物質を揮散させる)、複数の水源から採水したナチュラルミネラルウォーターの混合等が行なわれているものをいう。

 ミネラルウォーターは長い歳月をかけて地下水脈を通るうちに浄化され、それらの成分を微妙なバランスで含んで湧き出たものであるから、まず何よりも美味しい。鉱泉の中には強い酸性もしくはアルカリ性で長期の飲用に適さないものもあるが、多くは体液と々弱アルカリ(ph7.5前後)である。水は毎日相当量を飲むのであるから、微量の含有成分とはいえカルシウム、カリウム、マグネシウム、セレニウム、マンガン、鉄、銅などのミネラルの効果が次第に加重していくことが期待される。反面、累積していくことは有害物質も同様であるから、砒素、カドミウム、鉛、錫などが溶融していてはならないことは言うまでもない。

 ミネラルウォーターは現在、国内はもとより世界各地の鉱泉から採取された多様な銘柄が、さまざまな形で多数の飲料メーカーから供給されており、中には74種もの溶融成分を確認したミネラルウォーターもある。

水曜日, 8月 15, 2007

乳酸菌

○乳酸菌

 糖質を分解して乳酸を作り出す微生物(細菌)の内、乳酸生産量が50%(モル比)を越えるものを乳酸菌と呼び、乳酸菌によるこのような代謝を乳酸発酵という。乳酸菌には、乳酸のみをつくるホモ乳酸発酵菌と、乳酸以外にアルコールや二酸化炭素も作るヘテロ乳酸発酵菌がある。また、その形状から棒状の乳酸桿菌と、ボール状の乳酸球菌に分けられる。

 現在、一般に乳酸菌といわれるものはラクトバチルス属、ストレプトコッカス属、ペディオコッカス属の菌類である。ラクトバチルス属の菌は発酵乳やチーズの製造に利用されており、ヨーグルトに使われるブルガリア菌が有名である。ペディオコッカス属の菌は醤油、味噌などの醸造に使われる。

 ヨーグルトは長寿をもたらす食品として良く知られているが、その理由として乳酸菌の働きを指摘したのは、ロシア出身の病理学者でノーベル生理医学賞を受賞したメチニコフ(パストゥール研究所)である。彼は晩年。不老長寿の研究に取り組み、ヨーグルトに含まれる乳酸桿菌が腸内の腐敗菌を減らし、あらゆる病気の発生を防ぐと提唱し、世界中にヨーグルトブームを巻き起こした。1908年のことである。それから1世紀を経た現在、乳酸菌はプロバイオティクスという視点から再び脚光を浴び、新たに機能性乳酸菌として表舞台に登場してきた。プロバイオティクスとは生物間の共生関係を意味するプロビオシスに由来し、抗生物質(アンチ・プロバイオティクス)の反対概念である。

 ヒトの腸内には約100種、100兆個もの腸内細菌が棲みついていると言われ、食物や体調の変化に応じて有用菌と有害菌のバランスが変化している。有害菌が増え始めると体調を崩して老化が進行し、そが新たな原因となっていよいよ病気や老化に弾みがつくことが指摘されてきた。そのような中で、胃酸や胆汁酸の影響を受けずに生きたまま腸管に達し、そこで増殖して宿主(ヒト)の腸内フローラ(細菌叢)を改善し、宿主の健康に貢献する微生物として機能性乳酸菌が注目されているわけである。機能性乳酸菌の生理作用については代表的な整腸作用に加えて、感染防御、血中コレステロール低下作用、免疫賦活作用、抗腫瘍活性などが報告されている。

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月曜日, 8月 13, 2007

アルファルファ

○アルファルファ

 アルファルファは中央アジア原産のマメ科の多年草で、ヨーロッパではルーサンと呼ばれる。和名はムラサキウマゴヤシ。葉は3枚の小葉からなり、草丈1mほどになる。日本には江戸時代に伝来、種に北海道で牧草として定着した。紫色の花をつける紫種は比較的温かい地方に多く、黄色の花をつける黄花種は寒さに強いので北海道での栽培に適している。種子を発芽させたアルファルファもやしは食卓にも良く登場する。

 成熟したアルファルファにはビタミンA・C、カルシウムのほか食物繊維が多く含まれ、疲労回復、滋養強壮、肝機能亢進、便秘の改善などに効果があるとされている。近年、アメリカでアルファルファの葉・葉柄・茎を乾燥させ、粉末や顆粒状に加工したサプリメントがダイエット食品として人気を博した。わが国でもアルファルファの全草を粉末加工したものが健康食品として製造されている。(財)日本健康栄養食品協会によるアルファルファ加工食品規格基準(1988年5月公示、93年7月一部改正)がある。

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日曜日, 8月 12, 2007

豆腐

○豆腐

 豆腐は紀元前2世紀の前漢時代に中国で作られたのが始まりとされている。日本には奈良時代に遣唐使によって伝えられ、はじめは寺院などで食されてきたが、精進料理の普及とともに武士や貴族の間に広まっていく。一般の人々が豆腐を食べるようになるのは江戸時代になってからである。天明2年(1782年)には豆腐料理を紹介した「豆腐百珍」が大ベストセラーになっている。その頃は既に庶民に身近に食品であったようだ。

 豆腐は作り方によって木綿豆腐、絹ごし豆腐、ソフト豆腐、充填豆腐、寄せ豆腐などに分けられる。また、豆腐をさらに加工したものに焼き豆腐、生揚げ、がんもどき、油揚げ、練り豆腐などがあり、日本人の食生活に広く親しまれてきた食品であることが伺える。白くて柔らかくて淡白な味の豆腐は、煮物や揚げ物、炒め物、和え物などさまざまな料理に使え、しかも好き嫌いが少ない食品といわれている。

 栄養面での豆腐の特徴は、消化のよいタンパク質と脂質を豊富に含むことである。豆腐の原料である大豆のタンパク質はそのままでは吸収されにくいが、豆腐にするとタンパク質の吸収率が90%以上になる。また、タンパク質が分解する過程でできる大豆ペプチドは血圧の上昇を抑制し、疲労回復に役立つとされている。脂質は不飽和脂肪酸のリノール酸を多く含んでいる。リノール酸にはコレステロールを下げる作用がある。そのほか、強力な抗酸化作用を持つ大豆サポニン、骨粗鬆症の予防に働くイソフラボン、骨や歯に不可欠なカルシウム、コレステロールの血管沈着を防ぐレシチン、さらに最近の研究で糖尿病への効果が期待されているトリプシン・インヒビタ(トリプシン阻害因子)など、多くの機能性成分が含まれている。良質な植物性タンパク質が摂取でき、しかも肉類に比べて低カロリーの豆腐は、欧米では健康食品として人気が高く、いまやTOFUは世界で通じる食品名となっている。

土曜日, 8月 11, 2007

オキアミ

○オキアミ

 オキアミ科の甲殻類の総称で、大型プランクトンの一種。海生で主として南氷洋に生息し、ヒゲクジラ類の餌となるほか、養殖魚の餌(年間1万数千トンが充てられる)にされてきたオキアミであるが、近年は健康食材として見直されてきている。

 食用にされるのは全長3mほどのナンキョクオキアミで、カルシウムが360mg、銅が2.3mg、鉄が0.6mg(いずれも生100g中)と多く、リンやカリウムなどにも富む。加えてエビ類には見られないビタミンA(レチノール)が180ugと優れており、ビタミンB1・B2・C・ナイアシンを含むことでも見逃せないものがある。このほか血圧を下げるのに有効なペプチド類も含むので、動脈硬化や心筋梗塞などの予防につながる。オキアミは佃煮や塩辛にされるが、乾燥させた干しアミは大根おろしと和え物にしたり、野菜とともにかき揚げにするとかなりの量を摂ることができる。

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金曜日, 8月 10, 2007

レヴィアル アルガンオイル

 アルガンツリーは世界中でも他に類を見ない種でありモロッコ南西部地域のサハラ砂漠だけにしか見られません。この木は七年間一滴も雨が降らなくても枯れないという強靭な生命力があります。

 干ばつの時期には葉は一枚も無く、すっかり枯れたようになりますが、雨が降ればまた花が咲き葉も戻ります。根は地表から100メートル下の水分を探し出し、葉は空気中の水分を吸収することが出来ます。また、地球の温暖化、乾燥化によってサハラ砂漠の地中海への北上を阻止するバリア機能を果たしています。

 アルガンツリーの実を割ると内側にはアーモンドに似た種子があり収穫した100kgの果実から採油されるのはわずかに1~2リットルです。


アルガンオイルの出来るまで

①アルガンの実を収穫する。
②収穫した実を天日にて乾燥させる。
③乾燥させた実の状態で保存する。
④受注毎に必要量のオイルを抽出し、出荷する。
今までのアルガンオイル作りはベルベル人の女性たちによって
伝承的に細々と手作りで作って来ました。

 そして市販をされている製品は仁から焙煎せずに抽出しただけの物など問題点も多くこれからの国際的なニーズの対応が出来るように今までの伝統的な製法を残しつつ改良を行いました。手作業で行う重労働であった従来の挽いて練る作業の代わりに機械的圧搾が用いるようになり、焙煎に関しても改良を行い、保存期間も従来より約4倍近く延び、品質も向上し国際的なレベルで認められるだけの高品質オイルとして開発されました。

 適切な衛生条件で作業を行い本物であるラベルを付けて製造を行い、Qualite Franceによって有機農法で得られた物と認められ、2001年度Slow Food賞を獲得出来ました。

アルガン油(アルガンオイル)の商品一覧

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木曜日, 8月 09, 2007

アルガン油(アルガンオイル)

○アルガン油(アルガンオイル)

 アルガンオイルはモロッコ南西部に生育する樹木アルガンツリーの果実の種子から採られる植物性油である。モロッコでは古くから、サハラ砂漠の先住遊牧民(ベルベル族)の間で料理屋薬用・美容目的として使われてきた。伝統医学におけるアルガンオイルの薬理効果としては、①食用効果としてコレステロールの低下や抗酸化作用、②美容効果としてシワの予防や肌・髪の栄養補給・保護・柔軟化・再生作用、③皮膚のトラブル改善として水疱・湿疹・ひび割れ・火傷の治療など、④疾病予防効果としてリューマチ・関節痛の緩和など、が挙げられている。

 アルガンオイルの成分組成はほかの食物油脂同様、オレイン酸(43.2%)、リノール酸(38.1%)、リノレン酸(0.1%)などの不飽和脂肪酸が豊富に含まれているが、特異成分としてオイルの約1%を占める不鹸化物に特徴がある。それらは、①トコフェロール(ビタミンE)がオリーブオイルの2~3倍含まれており、老化の原因とされる過酸化脂質が作られるのを防ぐ、②植物油には稀にしか存在しないδ-7ステロールが含まれおり、ニキビや脱毛症の予防効果がある。③傷の治癒効果や肌保護効果、抗感染症効果があるトリテルペン類が180mg(100g中)含まれている。④カフェイン酸やオロロペインなどのポリフェノール類が豊富、などである。また伝統的な製法で作られるいることから、スローフードとしての評価の高い。

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水曜日, 8月 08, 2007

ガングリオシド

○ガングリオシド

 シアル酸を含有するスフィンゴ糖脂質の総称で、シアル酸の数や結合位置の違いから100種類以上のガングリオシドが発見されている。ヒトの臓器全体に分布しており、細胞膜表面のホルモン受容体に関与するほか、脳細胞に多く存在するため、脳の発達や記憶の形成などに関係があると考えられている。

 ガングリオシドは母乳に多く含まれており、GD3(ガングリオシド・ジシアロ3)とGM3(ガングリオシド・モノシアロ3)の2種類が認められているが、授乳時期に応じて一定の規則性で入れ替わるということが発見されている(東京大学医学部・岩村正男による)。授乳開始時期にはGD3が母乳のほぼ100%を占めているが、次第にそれが減ってGM3が増えていき、60日目には逆にGD3が100%になるという。この60日間という時期は新生児が急激に成長発展する時期であるため、ガングリオシドが脳の発達に深く関係していると考えられている。

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月曜日, 8月 06, 2007

ユッカ

○ユッカ

 リュウゼツラン科の常緑樹で、学名はYucca gloriosa。原産は北アメリカ。先端に鋭い刺を持つ剣状の葉が特徴で、日本でもイトラン、キミガヨランの和名を持つ品種が公園などに植栽されている。ネイティブアメリカンは原生種のユッカの花びらや種の莢、果実、若葉、根などを煎じ薬として用い、伝染病・関節炎・神経痛・むくみなどの治療に利用してきた。

 近年になって植物学者のエールがユッカに高濃度のサポニンが含まれていることを発見して以来、エキスを用いた臨床研究が進み、リューマチ・痛風・高血圧・高脂血症などに特に有効であり、それが主成分サポニン(ステロイド系ホルモン前駆体物質)によるものであることが明らかにされた。ユッカは食物繊維も豊富に含むため、サポニンとの総合効果を求めて木部を加熱処理して粉末にした健康食品も作られている。アメリカではGRAS物質(古来用いられて安全性が確認されたもの)として認められ、香辛料及び栄養剤として長らく利用されてきている。

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日曜日, 8月 05, 2007

味噌

○味噌

 味噌は日本を代表する調味料の一つだが、その起源については諸説ある。一般的には、中国から伝来した醤や鼓が日本独自の味噌に発展したといわれている。醤は獣や魚の肉、あるいは雑穀を発酵させたもので、鼓は大豆に塩を加えて発酵させたものである。一方、縄文時代には既にドングリで作った食品(縄文味噌)があり、それが起源であるという説や、醤や鼓、縄文味噌が影響しあって今日の味噌ができたという説もある。

 味噌は蒸煮した大豆に麹、食塩、種水を加えて発酵・熟成させた食品である。種水には酵母乳酸菌を添加することが多い。使用する麹の種類によって米味噌、麦味噌、豆味噌に種類が分かれる。日本で生産される味噌の8割は米味噌で、仙台味噌や信州味噌、西京味噌などがある。麦味噌はかつては農家の自家用に作られることが多く、田舎味噌とも呼ばれている。九州や四国、中国地方に多い。豆味噌は渋みのある濃厚な味が特徴で、名古屋味噌や八丁味噌、三州味噌が良く知られている。なお、赤だし味噌として市販されている味噌は豆味噌に米味噌をブレンドした調合味噌である。

 味噌にはタンパク質やビタミンB2・B12・Eをはじめ、サポニン、イソフラボン、レシチン、酵素など数多くの有用成分が含まれている。タンパク質では必須アミノ酸のリジンが多い。リジンは日本人の主食である白米に不足しているアミノ酸なので、味噌汁と一緒に摂ることにより不足の栄養素が補える。また、味噌汁を毎日飲む人ほど胃ガンによる死亡率が低くなるという調査報告がある(1981年、国立がんセンター研究所)。特に男性の場合は顕著で、毎日飲む人は全く飲まない人に比べ死亡率が約33%低下する。これは味噌の発酵中に酵素や酵母の働きで作られる脂肪酸エステル(味噌の香り成分)に、ガンを誘発する変異原性物質を抑制する作用があるためといわれている。また、味噌の原料である大豆にはリノール酸、植物ステロール、ビタミンE、レシチン、サポニンなどが含まれているが、これらの成分はコレステロール低下作用をもつ。さらに大豆サポニンには強い抗酸化作用があり、体内の脂質の酸化を抑えるので生活習慣病や老化の防止に働く。味噌は未成熟のものより熟成味噌のほうが抗酸化力に優れていることがラットによる実験で確認されている。

 このように有用成分を豊富に含む味噌だが、味噌汁の塩分を気にする人も多い。味噌には塩味によって甘味噌(食塩濃度5~7%)、甘口味噌(同7~13%)、辛口味噌(同11~13%)があるが(数字は米味噌の場合)、味噌汁の具にカリウムを多く含む海藻類や緑黄色野菜、根菜類など組み合わせることでナトリウムの体外排出を促すことができる。

金曜日, 8月 03, 2007

醤油

○醤油

 醤油は独特の香りと旨味、塩味、コクをもち、日本料理には欠かせない伝統調味料である。現在ではソイソースとして海外でも親しまれている。醤油は味噌と同じく古代中国の醤が起源だといわれている。醤は、はじめは獣や魚の肉に塩や酒を加えて漬け込んだものが肉醤や魚醤であったが、その後、穀物を原料とする穀醤が登場する。この穀醤が奈良時代に中国や朝鮮半島から伝わり、今の味噌や醤油の元になったと考えられている。鎌倉時代に入ると、味噌から滲み出た液汁を溜と呼び、煮物などの調味料として利用するようになった。これが醤油の原形といわれている。実際に醤油という言葉が文献に見られるようになるのは室町時代中期である。この頃から醤油が調味料として定着してと考えられている。

 醤油は、蒸煮して大豆と煎って割砕した小麦の混合物に麹菌を接種して麹を作り、食塩水に漬け込んで発酵・熟成させた後、圧搾して加熱処理したもので、濃口醤油、薄口醤油、溜まり醤油、白醤油、再仕込み醤油などがある。濃口醤油は最もポピュラーなタイプで、色が濃く香りや旨味が強い。薄口醤油は色が薄く香りを控えめなので素材の持ち味を生かしやすいが、塩分は多い。溜まり醤油は原料のほとんどが大豆で、旨味は強いが香りは弱い。白醤油は小麦が主原料で大豆の割合は少なく、味は淡白だが糖分が多く、吸い物やうどんの汁などに使われる。再仕込み醤油は食塩水の代わりに醤油を加えて仕込んだもの。色が濃く、どろりとした濃厚な味で刺身などに使われる。

 醤油は塩味、旨味、酸味がほどよく調和した調味料である。旨味成分はグルタミン酸を中心とした約20種類のアミノ酸が作り出している。甘味はブドウ糖など約15種類の糖類、酸味は酢酸、乳酸、コハク酸などの有機酸に由来する。また、醤油独特の香りは約300種類の香気成分によるもので、食物の味を引き立て、胃液の分泌を促し食欲を高めてくれる。また、香気中には消臭効果のある成分が含まれているため、肉や魚の生臭さを消す作用がある。さらに香りの主成分であるHEMFというフラノン化合物に肺ガンの発生を抑える作用のあることが、米国ウィスコンシン大学におけるラットの実験で確認されている。

 昔から食品を醤油に漬けて保存食を作るが、これは醤油の殺菌力を利用したものである。醤油の強い殺菌力は食塩、乳酸菌による乳酸、酵母によるエタノール(アルコール)の3つの殺菌作用が総合的に働くためといわれている。さらに醤油の色素成分で抗酸化作用のあるメラノイジン、脳代謝活性作用があるとされているγ-アミノ酪酸(GABA)なども含まれている。多様な有用成分を含む醤油だが、塩分含有率も高い。過剰な摂取は控えるべきである。塩分を半分以下にした減塩醤油もあるので、そちらを利用するのも一考だろう。

木曜日, 8月 02, 2007

ブナシメジ

○ブナシメジ

 キシメジ科白タモギタケ属の食用キノコで、学名はHypsizigus marmoreus。シロタモギタケ、ニレタケの別名もある。秋にブナ、ニレなどの広葉樹の倒木や枯れ木に発生する。直径4~10cm位になる傘は白から灰褐色で、中央部に濃い色の大理石模様が現れる場合が多い。ひばたは白色で密生している。柄は長さ3~10cm、横向きに生えるときは傘の中心から外れてつく。人工栽培が盛んで、国内生産量はシイタケを抜いており、スーパーなどでは、ホンシメジの名で売られているケースも多い。

 ブナシメジにはβ-D-グルカンやテルペン、ビタミンB2が含まれており、抗ガン作用や動脈硬化の予防、また口内炎や疲れ目に効果があるとされる。また、最近ではブナシメジの使用済み培地のダイオキシン分解能力にも注目が集まっている。

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水曜日, 8月 01, 2007

エノキダケ

○エノキダケ

 キシメジ科の食用キノコで、学名はFalmmulina velutips。ナメタケ、トキシラズ、ユキノシタ、ホンナメコなどの別名がある。晩秋から初冬にかけてエノキ、柿、イチジク、ポプラ、ブナなど広葉樹の枯れ木に密生する。昨今では榾木栽培、ビン栽培が盛んで、四季を投じて出回るようになった。鍋物、煮物、和え物、炒め物など、季節を問わず和洋いずれにも適している。

 成分的には食物繊維やビタミンB1、B2、ナイアシンが豊富で、とりわけB1は100g中0.24mgと多く、生シイタケの2倍強もある。池川哲郎(薬学博士・金沢大学)は食用キノコの抗ガン作用の研究で、エノキダケをよく食べる長野県のエノキダケ栽培農家のガン死亡率は、一般家庭より全ガンで30%、胃ガンで55%、食道ガンで62%も低く、エノキダケをほとんど食べない人がガンで死亡する危険度を100%とすると、エノキダケを週3日以上食べる人の危険度は47で半分以下になる、と報告している。

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