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水曜日, 4月 10, 2013

戎塩

○戒塩(じゅうえん)

 古い地質時代に内海や塩湖が干上がって沈殿した食塩が、再結晶してできた岩塩(ハーライト:Halite)を用いる。中国では古くから戎地(西戎)と呼ばれた青海省の塩湖から産出している。

 天然の食品の結晶は光明塩といい、海水を日干しして結晶化させたものは食塩という。いずれも塩化ナトリウム:NaClを主成分とするが、戎塩には來雑物としてカルシウムやマグネシウム、鉄や微量のヒ素なども含まれている。

 漢方では性味は鹸・寒で、止血・明目の効能があり、血尿や歯肉出血、歯痛、結膜炎などに用いる。また滋腎の効能があり、尿失禁の治療に用いる固脬丸には桑螵蛸・菟絲子などと配合されている。金匱要略では尿の出にくいときに茯苓・白朮とともに戎塩を反佐薬として用いている。